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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-14.作戦会議

魔力が切れると何にもできないね。

危機管理能力の欠如ってやつだ。

冷蔵庫の方は役に立たないから

イノシシの解体を見に来たけど問題ないね。

さぁ、明日に備えての作戦会議だ。

「あ。おねえちゃん。ステラさんすごいよ。私より解体の仕方が上手いかも」


「何を。ユッカちゃんが冷やして捌くといいとか、ユッカちゃんの持ってるナイフの切れ味がいいとか、そっちのがすごいと思います。ただ、動物を捌いてきた数は年取ってる分だけ多いかもしれないわね。」


「上手く進んでるみたいで良かった。冷蔵庫はもうすぐできると思う。そしたら、みんなで夕飯の準備にしよっか」

「わかりました。片づけてからいきます」

「ごはん!ごはん!ご!は!ん!」


ーーーー


きょうの夕飯は6人に人数が増えた。

執事長のモリス、

ハミルトン家の3人

そして、ニーニャとステラだ。


「ごはん食べながら聞いて。今日の各自の行動と、明日の予定の報告~!

先ずモリスからお願い。」


「では、私から。フウマさんと領地運営の打ち合わせ。奴隷10人分の衣服の発注。関所の劣化した物や備品の調達。作戦会議に参加しました。明日は通常の執事長と関所の仕事に戻ることを考えています。」


「次、私な。冷蔵庫掘ってた。さっき木も調達できて完成。なんか修理するところが多そうな建物が多いから、明日は適当に直してまわろうかと思う。」


「私でいいかしら。森の散策をして領地の様子をみてきたわ。川を東に少し遡ったところに、肥沃そうな土地を見つけたわ。農業するならあそこはどうかしら。あと、見つけたイノシシを捕まえて、ユッカちゃんと捌いたわ。明日は森の全体象を空からみてようかしら。」


「次、わたしね。魔石を売ってきたの。そして砂糖げっと~~。お姉ちゃんと明日クッキー作りたい!」


「最後俺。領地の打ち合わせ、作戦会議、魔石の売却、冷蔵庫作成補助。冷蔵庫はもう冷えてるから今からでも使える。明日、特になければ街道作成のルートを調査したい。」


「じゃ、私。寝てた。魔力切れ起こした。ごめん。今後気を付けます。

こういう作戦会議を定期的に開きたい。毎日じゃなくてもいいけど、夕飯時で情報の共有とか困りごとを相談して、明日に備えたいと思う。」


「で、こっから本題。すでに一部の人には伝えたけど、

1つ目。

自由貿易組合メルマを迂回する街道をつくる。これ、海まで通して、私たちの船を浮かべる。船が作れそうなのはニーニャしかいない。だから、必要な機材、人材、材料を考え始めてほしい。街道が通ったころには船ができてるぐらいの勢いで。


2つ目。エスティア国の食料自給率を上げて、食料の輸入に頼らない国にする。イメージとしては、イノシシの養殖、餌となるジャガイモの栽培、肥沃な土地があれば小麦などの栽培。森と農業の専門家はステラしかいないと思ってる。


この2つを1年以内に達成して、メルマを解体に追い込みたい。

何か、質問とか意見ある?」


「木は十分確保できそうだ。鉱物が足らんね。森のどこかに鉱物資源がとれそうな洞窟があったら教えてほしい。あと、ドワーフの助手も何人か居ないと、船の建造が間に合わない。文句ばかりじゃ何だから、今日借りた斧な。あれは正真正銘の神器だ。あれで木を刈れば、街道なんかあっという間だ。」


「ありがとう。他は?」


「さっきの肥沃な土地だけど、道が出来ればここから片道30分もかからないわ。かなり奥までひろがってそうだけど、川の両側にあったから、領地として宣言できるなら早めに確保したほうがいいわ。道が出来て他の陣営が乗り込んでくると面倒なことになる。

イノシシの養殖は面白いアイデアだわ。やってみる価値はあるとおもう。小麦って連作すると連作障害を起こすの。だから、間に他の作物をいれて休ませるのにちょうどいいかもね。人手は・・・。イノシシの囲いを作るのを手伝ってほしいのと、イノシシを実際に殺さずに捕まえる助手が欲しいかな。農地まで道が通ったら、その規模に合わせて人手を投入した方がいいわ。」


「イノシシは眠らせればいいよ。重いから運ぶの大変だけど。ステラお姉ちゃんの手伝いをするよ。ヒカリおねえちゃんがクッキーやいてくれればだけど。」


「領有権の主張は、結界を張って、エスティア国王へ申請すれば認められます。領地を侵害する団体がいれば、国から征伐隊が出されるので、割とこの辺りの地域では、<結界による領地の主張>が平和的に守られいます。肥沃な土地は一通り囲ってしまいましょう。」


「それなら。私もフウマについていくね。

ところでモリスさん、キリギスの町の窯職人のトーマスさんに連絡とって、ここの調理場の改造の打ち合わせを始めてくれる?粘土がここの森でとれれば、人件費だけでやってもらえるはずなんだけど。」


「ヒカリさん、粘土とはどのようなものでしょう?」


「ちょっと待ってて、いまとってくる。」


と、ユッカちゃんの鞄から粘土の入った麻袋と焼きレンガを取り出してくる。


「こっちが粘土でこっちがそれを焼いたレンガ。このレンガで作ると窯を自由に設計できて、レンガも長持ちするんだよね。」

「この粘土が産出する場所は、確か魔物がいると聞いてましたが。」


「キリギスの西にある洞窟の魔物は倒したよ。」

「この森の奥にある洞窟の話のはずなので、違うと思います。」


「近くにその洞窟があるなら、そこで粘土がとれるといいね。詳しい場所が判る人います?」

「奴隷の男の一人が森に詳しいので、確認をとってみます。」


「明日はどっちにしろその洞窟を探索するのは無理だから、その人に案内が頼めるように予定調整してください。」


「洞窟があるなら鉱物もある可能性があるぞ。粘土層の上に堆積とかするんだぞ。見てみないと判らんが。」


「それは期待しちゃうね。モリスいろいろやりくり大変だけど、なんとか手伝って欲しいよ」

「よろこんで!」


「じゃ、明日、みんな気をつけてがんばろ~!」

「「「「「おー」」」」」


なんかいい感じだね。

ちょっと、この雰囲気だけでうれしくなっちゃう。

さ、がんばろ!


いつも読んでいただきありがとうございます。

頑張って続けたいとおもいます。

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