03.異世界の情報
目が覚めた。
ちょっと寒い。空気が濃い。
少なくとも気絶する前に居た都会のエレベーターの中ではない。
森かな?
広葉樹の雑木林と木漏れ日があって明るい。
う~ん。生きてはいけそう……。
さて、調べるか。
最初は体。特に痛む場所無し。気持ちが悪いのも無い。
眼は見える。鼻、耳、口OK。声も出るかな?
屈伸して軽く体操してみて、体が普通に動くことを確認した。
命に別条が無いどころか、極めて健康体だね。
次に服装と持ち物。
Gパン、Tシャツにパーカー。着の身着のまま。
くんくん。ちょ、ちょっと汗臭いかな……。
あれ、カバンとか財布とか無いね。キーホルダーも。
視力は良かったので眼鏡は要らなくてラッキー。もし、転移で残してきちゃったらえらいことになってた。
最後にここがどこかなんだけど……。
何個かのオマケで判らないかな?
そもそも何がオマケなのか……。
あっ!
言語機能をダウンロードできるって言ってたね。どうやって、ダウンロードするんだ?その言語に普通名詞とか長年変わらない地名とかないかな。あと、生き物の名前とか。植物の名前とか。
<<(ぴろろん)>>
<<その木の名前は樫です。足元の草は……>>
頭の中にチャイム音とともに情報が流れ込んでくる。
む。これは見た物の情報はダウンロードできる機能?
頭の中で考える。
<<ここの地名、すぐそばを通る道を教えて>>
<<(ぴろろん)>>
<<ここはエスティア国の城外にある森。道は西に50mいったところ>>
お?すごい優秀。何この機能。
最近のスマホやスピーカーだって、喋らないと駄目だし、学習させないとこっちの思いがつうじない。
だけど、この頭の中の声は考えただけで柔軟に答えを持ってくる。そもそも「西」とか「メートル」って日本人用だよね。人がいて、住人と会話するときちゃんと変換できるのかね?便利すぎる道具はそっちが心配だ。
よし!
この機能がどこまでの情報をくれるのか試すぞ~!
<<西って、どっちか教えて>>
さぁ、物がでてくるか、人がでてくるか~。ワクワク!
<<(ぴろろん)>>
<<左目にナビゲート機能をダウンロードしました。不要な場合はOFFしてください>>
HMDのナビゲート表示が眼鏡もかけずに左目前方に浮かび上がる。あくまで「情報」がダウンロードされてくるだけで、物質的なモノは何もでてこないんだね。このまま先に進むと、すぐに道に出て城にいけるわけだ……。
行動を起こす前に準備と調査を続けよう。
<<この辺りの地方の女性の服装を教えて>>
<<(ぴろろん)>>
<<中世初期のヨーロッパをイメージしてください。Gパンは製造されていません>>
え?
どうするよ……。
区切りなどの修正はありますが、本筋へ影響のある修正はございません。