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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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4-49.日本食その1

半日も掛からずに上級の迷宮クリアしちゃった。

金貨50枚相当の稼ぎになってるといいんだけどさぁ。

アジャニアの魔石売買は下手に大きなのを流通させられる雰囲気じゃないし、

これから一ヶ月近くの滞在する訳だから、大物出して目立つの良くないからね。

みんなで手分けして、小物とか拾い集めて、MAPの整備と確認をしながら地上まで戻った。もう、朝になっちゃってたね。


「門番さん、おはようございます。」と、ルシャナ様。

「ああ、お母さんたち無事に戻ってこれたんですね。

余りにも遅くなる様なら捜索隊を出すべきか相談しようと考えていたのです。」


「ご心配おかけしました。無事に行って帰ってこれましたわ。」

「それは、楽しんで頂いて何よりです。こういった迷宮の中で一泊するのもスリルが合って良かったでしょう。普段は味わえない緊張感がありますよね。ただ、地下5階から先はMAPもなく、どこに安全な場所があるか判らないので、もし次に行かれる場合は熟練者と一緒に行かれた方がいいですよ。」と、門番さんが丁寧に応対してくれる。

「ありがとうございます。また機会がありましたらよろしくお願いします」と、ルシャナ様がイラっともせずに丁寧にお礼を言ってた。

これって、ルシャナ様もストレス発散して楽しめたってことかな?



ーーーー


皆で街中まで歩いて戻ることにしたんだけど、

冒険者ギルドよりも先にお茶屋のお兄さんのところだよね。

みんなで焼きモロコシを食べないとさ!

あ、あとちゃんとピュアしておこうね。

なんだかんだで汗臭くなってるからね。


「おはようございます。焼きモロコシをくださいな」と、ルシャナ様。

「あ、あれ?おかあさん。昨日はお疲れ様でした。迷宮に入るのでは無かったのですか?冒険者ギルドにもかなりの荷物を預けて、本格的だったと聞いてますが。」と、茶屋のお兄さん。


「ええ。終わりましたので、朝ごはんを頂きに参りました。6人分くださいな。」

「そうでしたか~。それだけ多くの荷物を抱えて、6人で一泊は大変だったでしょう。早くお上がりください。うちは豪勢な食事は出せませんが、<ご飯>を中心とした簡単な料理ならだせますよ」


と、なんとなくずれてるけど会話が噛み合ってるので放置しておく。

お互い用事が済めばそれでいいもんね。


「お兄さん、朝ごはんとは別に、何か麻袋のような袋と荷物を運ぶ台車のようなものは貰えませんか?ちょっと旅の荷物が嵩張るので、昨日の冒険者ギルドで売ってしまおうと思っているんですの。」

「そうでしたか。昨日のお土産屋の話もありますし、観光するのに不要な物はお金に変えてしまった方が楽ですもんね。裏手から台車をもってきます。あと、仕入れで空になった麻袋でよろしければ、大事なお客様ってことで差し上げますよ。」

先ずは、飯の注文を出しておくから、それからでいいかな。」

「はい。」


日本人には馴染の深い、<ごはん><味噌汁><納豆><豆腐>なんかがメニューにあって、<焼き魚>もあったから、それも足してもらった。それらが出来上がるまで、露店で準備してあった焼きモロコシをみんなで頂くことにしたよ。


「お母さん、お待たせ。ええと、荷物を運ぶ台車を差し上げる訳にはいかないけど、冒険者ギルドとか、街の馬車を借りれるところまでなら一緒についていけるよ。あと、麻袋ってのは何を入れたいのかな。こぼれ落ちるような物で無いといいんだけど。」


<<ルシャナ様、旅の荷物を引き上げてきたので、整理したいことにしてください。不要な物を追加で冒険者ギルドで持って行って売ることにしたいと。>>


何せ、ユッカちゃんの鞄に入っている大量のドロップ品を忘れないうちに取り出したいのと、<伝説の鞄>を所持していることをおおやけにしたくないってのがあるからね。


「基本的には武器、防具、魔物のドロップ品になりますわ」と、ルシャナ様。

「わかった。それなら普通の麻袋で大丈夫だね。」と、お兄さん。


ご飯がでてくるまで、台車の上の麻袋に<どこから湧いてきたか判らない>大量の武器、防具、魔物のドロップを種類ごとに分けて麻袋にいれる。各自が各様に記憶に合わせていれてるのと、アリアがメモをとって、まとめて入れた物も取り出した。

私の分はナビに記憶させているけど、その情報記録機能を皆に教える訳にはいかないから、使わずに我慢だ。


で、武器防具を麻袋に入れて、既に10袋以上。

そこに魔物の歯とか牙とかそういうドロップを麻袋で5袋。

台車に積んだ麻袋が山盛りになっちゃった。

それ以外にも150Lのリュック2杯とか、魔石と小銭の袋を各自がぶら下げてる。

これだけあれば金貨50枚はいくでしょ?

どうだろ?


ーーーー


各自の荷物は記憶の範囲でユッカちゃんの鞄から出し終わったってことで、いったん終了。みなでご飯を食べることにした。


「おねえちゃん、この白くて粒粒して、ねとねとなのは何?」

「お米っていう穀物を水と一緒に炊いたんだよ。<炊く>っていうのは、茹でると蒸すの間みたいな調理方法で、この硬い穀物をふっくらと仕上げてくれる絶妙な調理方法なんだよ。そうやってできたのがこれで、<ごはん>って、いうよ。」


「美味しい?」

「美味しいよ。卵を割ってかけて、醤油を垂らして食べると、別の味わいが楽しめるよ。」


「おねえちゃん、それ欲しい。」

「ルシャナ様、<生たまご>と<醤油>を頂けるか確認してもらえますか?別料金で構いませんので。」

「わかりました。」と、ルシャナ様がお兄さんに声をかけて追加で注文してくれた。


「ヒカリ、この変な臭いがする腐った色をした物はなんだ?迷宮で敵に投げつけるのか?」

「ニーニャ、それは<納豆>って言ってね。豆に特殊な菌を繁殖させて発酵させた食べ物だよ。確かに腐っているんだけど、人間にとって害がなくて美味しく変化させてくれる生成物だね。臭いが気になるなら、醤油と和辛子をかけて食べるといいよ。温かい<ごはん>のおかずとしても良いよ。」


「そ、そうか。ヒカリが食べたら、私も食べるんだぞ!」

「はいはい。私が先に食べますね。

こうやって、醤油と辛子をちょっとかけて、ぐるぐるっと糸を引くまで混ぜるのね。地域によっては砂糖をかけたり、てんぷらにしたり、いろいろあるけど今日はこのままご飯にかけてたべるよ。」


って、ご飯に少し載せて、納豆ご飯を食べる。

ああ、美味しいねぇ。この大豆の香ばしさと醤油味。

白米は精米度合が七分突しちぶづきで、ちょっと黄色っぽい黄緑色してるけど、穀物の香ばしさがいいね。

ああ、しあわせ~~~。

って、みんなが私のことを見て、待ってる。


「に、ニーニャ。こんな風に美味しく食べられるよ。不慣れな人は鼻で息をしないで食べると香ばしさだけが口の中に残るよ。」

「わ、わかったんだぞ。ダマされてみるんだぞ。」

「うんうん。がんばって。」


てか、私ははしを普通に使ってるけど、ほとんどみんなはスプーンで食べてる。ルシャナ様とユッカちゃんが箸を使えてる。ステラは微妙な顔をしてるのは、ご飯が怖いのか箸にチャレンジしようか困ってるのかな。

ステラが困るシーンはあまり見られないから、ちょっと放っておこう。そうしよう。


「ヒカリ様、この白いお菓子みたいなものは何ですか?」と、アリア。

「<豆腐>だね。豆を磨り潰して、豆乳をつくって、そこに<ニガリ>成分をいれて、固めて作った物だよ。」

「これも<豆>からできているんですか。」

「ああ、うん。そうなるね。あと、そこにあるスープも<味噌>っていう、豆を発酵させたものと塩とか麹を混ぜて作ったソースが使われてるよ。」


「ヒカリ様、小麦とか肉とかは食べないのですか?」

「ここは海が近いから、それほど多く肉を食べないのかも。海洋資源の方が世話をする手間が省けるからね。小麦に関しては気候の問題だと思う。温暖湿潤~亜熱帯の気候なら、小麦よりお米の方が摂取時のカロリーが高くて、水があればよく育つ作物だった気がするよ。」


「ヒカリ様、お豆の加工品が多い理由はなんでしょうか。」

「お米自体は通貨の代わりになるぐらい、税金として直接納めることができたはず。豆は単価が安くて嵩張るもんで、庶民の間で普通に食べられるのと、貴重なたんぱく源になるね。

それと、味噌、醤油、納豆ってのは、人間にとって良い細菌で発酵させているから、それ以上腐ることはなくて、食中毒もなく保存できるメリットがあるね。」

「なるほど~。ヒカリ様はどうして<醤油>に拘ってられたのですか?」

「う~ん。豆腐も味噌も保存が難しいし、調味料としての相性に限界があってさ。醤油は液体だし、肉や魚にも合うし、納豆や豆腐とも相性が良いって言う万能調味料だからかな。」


「ヒカリ様、私もユッカちゃんと同じ<卵に醤油>を食べてみたいです!」

「いいんじゃないかな?多分、ルシャナ様が人数分追加してくれてるよ。」

「ハイ!」と、アリアが嬉しそうに返事をする。


「ステラ~。」

「ヒカリさん、なんでしょうか?」と、ステラ。元気がない感じ。


「元気がなくない?」

「い、いえ、そんな。」


「日本食が合わない?それとも<箸>が上手く扱えないこと?」

「ひ、ヒカリさん!わ、私だって、この棒で食事ができます!」


「あ、ステラは<箸>を見るの初めてだっけ?」

「はい・・・。」


「フォークは無いかもしれないけど、観光客用のスプーンで食べればいいよ。」

「ユッカちゃんやルシャナ様、そしてヒカリさんが使ってないじゃないですか。」


「ニーニャやアリアだって・・・。え?ニーニャもアリアも<箸>使えるの?」

「ヒカリの真似したんだぞ。難しいけど、慣れれば簡単だぞ。支点力点作用点のテコの原理だぞ」と、ニーニャ。

「ヒカリ様が使われているので、挑戦してみただけです。片方の棒を固定して、逆側で挟むのがコツと言えますね。」と、アリア。


そっか。ステラ以外全員<箸>が使えるのか。

うむ。どうしよう。


「ステラ、一緒にやってみる?」

「良いんですか?」

「急ぐ旅じゃないし。いいんじゃない?他のメニューも出て来るし。」

「で、では、お願いします・・・。」


こう、ステラと密着体勢になるのはあんまりなかったね。

飛竜の山で3人で落下したときぐらいかな。

一緒に行動する機会は沢山あったんだけどね。


まず、持ち方。

次に動かし方。

そして、箸の先を使うのが基本だけど、

上手くいかないうちは、下から掬い上げるのでも良しとした。


「ヒカリさん、できました!」

「うんうん。先ずはそこからだね。<豆腐>とか<なめこ>とか<納豆>は難易度上がるけどね。」


私は器用に(普通に)、納豆も豆腐も味噌汁も食べる。

後から出てきた焼き魚もひょいひょいっと背骨と頭と尻尾を残して箸で綺麗にたべる。

これは流石に他の皆は苦戦したね。


「おねえちゃん、ずるい!」と、ユッカちゃん。

「え?なにが?」


「お箸で苦労しなくて、美味しそうに何でも食べる!」

「え?別にナイフでもフォークでも好きなのを・・・。あ、無いか。そのまま手で食べればいいでしょ。焼きモロコシみたいに。」


「いいの?」と、ユッカちゃん。

「王様の前では良くないと思うけど、ここなら良いと思うよ?」


「ヒカリ、私もいいか?」とニーニャ。

「ヒカリ様、私も・・・。」と、アリア。

「ヒカリさん、無理です・・・。」と、ステラ。


「ここなら良いよ。次までにフォークとナイフをニーニャに作って貰おう。」

「ハイ(4人)」


まぁ、そんなこんなで、一通り朝ごはんを食べ終わって、日本食を満喫しました。

これだけ食べても小金貨1枚っていうんだから、安いもんだよね。物価とか判らないけどさ。


「会計が済んだら、台車を回収するがてら一緒に行くよ」ってことで、お茶屋のお兄さんが冒険者ギルドまで一緒についてきてくれることになったよ。

いつも読んで頂きありがとうございます。

時間の許す範囲で継続していきたいと思います。


夏休みなので書き溜めたのアップしておきます。

この後は、週に1回の更新で続けさせて頂きます。

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