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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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25.狩りの特訓(4)

今日は冒険者登録証を貰いに行く前に1日時間を潰す。

この日も次の特訓に費やすのでした。

「おねえちゃん。朝だよ。特訓だよ」

「ゆっかちゃん、おはよう」

「「せ~~の!ピュア!!」


 今日もいい朝だ。体中筋肉痛だけどね。

 超回復とかスーパーサイヤ人について今度調べよう。


 今朝はご飯食べたり、パン類の仕込みをしたり。

 砂糖はやっぱり高価で、少ししか買えなかったから

 クッキーに変わる何かを考えないとね。

 パンのバリエーションを変えて目先をごまかすとか。

 いろいろ考えなきゃいけないことが多いね。


ーーーー


「今日は、おねえちゃんが隠れる番ね」

「はい」


「じゃ、隠れて」

「せんせ~。わかりません!」


「エーテルさんで膜を作ってみて」

「作れません!」


「じゃ、結界の見回りいってくるね。昨日いかなかったし」

「せんせ~~!」


 取り残された。

 なんかさ、こっちの世界はドライな人が多くない?

 てか、生き残るための最低限のレベルが高すぎる。

 いろいろ試行錯誤して、がんばりますか……。


 先ず、膜を作るんだよね。

 これ、あれだ。

 小さい子がビニール被って窒息するみたいな。

 空気なんか遮断しちゃだめなやつ。

 いきなりハードル高いね。


 あ、でも、エーテルがすごく小さいもの。

 例えば、空気や原子なんかより小さいものと仮定すれば、エーテルで膜を作っても、空気の流れは変わるけど窒息はしない。空気が流れても、エーテルが膜として存在するみたいな。


 あーあーあー。

 浸透膜とかイオン交換樹脂とかそういうのか。

 空気中の酸素とか窒素分子は透過するけど、エーテルとしては膜がある。

 その状態を先ず作ると。


<<エーテルさん、私の周りの空気は透過できるように、膜を張って。頭から足先までゆったりと>>

<<<ふわわ~~~ん>>>


 なんか出来たかな?

 よくわからん。


<<ナビ、私の外見を客観的に評価>>

<<真っ黒>>


<<エーテルさん、膜を解除して>>

<<ナビ、解除後の私の姿を評価>>

<<日本風な女性がチュニックを着て立っています>>

<<ナビ、ありがとう。エーテルさんたちもありがとう>>


 ふむ。

 膜は出来た。出来たからこそ変化も現れた。

 光が遮られたってこと?

 考える。考える。

 空気は流れている。エーテルの小さな層の膜がある。

 光はどうなった?

 光も透過させないとダメか。

 光限定じゃなくて、電磁波全部とか熱も透過させとこう。


<<エーテルさん、私の周り膜を張って。頭から足先までゆったりと。

 ただし、空気と光と、熱などの伝導するものも自由に透過させるように>>

<<<ふわわ~~~ん>>>


 出来たかな?


<<ナビ、私の外見を客観的に評価>>

<<日本風な女性がチュニックを着て立っています>>

<<ありがとう>>


 そりゃ、そうだよね。

 これって、<裸の王様>の服だ。

 エーテルを見えない人にとっては、何もないのと一緒だ。

 <光学迷彩>を科学するってどういうことよ?

 簡単に言えば、目の解像度をごまかせるレベルで透過先の映像を投影できればいい感じ?


<<ナビ、光学迷彩について日本から検索して。ウィキペディアとかその辺ので>>

<<背景投影型、光の透過・回折型、空間歪曲型、電磁波吸収型となっています>>


 電磁波吸収型はさっきの<真っ黒>だね。夜ならともかく、意味が無い。

 背景投影型てのは、カメレオンみたな感じだね。速く分解能込みで変化できればOKだ。

 空間歪曲型ってのは、光を重力波か何かで曲げるのかね。エーテルで曲がるか試そう。

 光の透過、回折型ってのが判らない。


<<ナビ、光の透過・回折型について詳細おねがい>>

<<ウィキペディアより引用

 光を完全に透過・回折させる。しかし、この方法の場合、相手から見えないだけでなく、こちらから相手を見ることもできない。

 電磁メタマテリアルと呼ばれる、光に対して負の屈折率を持つ新素材を用いることで物体の表面で光を迂回させ、反対側に突き抜けさせることで光が透過するかのような状態を実現できる可能性が示唆され、軍事・医療分野で積極的に開発が進められている

 引用ここまで>>

<<ありがとう>>


 メタマテリアルか。これは例の右手系とか左手系の物質を個別に抽出させてみたいなあれね。この世界では使えないね。


 とすると、エーテルで光が曲げられるかの話と、エーテルさんにお願いして、透過先の映像を反対側に投影してもらう方法がエーテル使用技術としての魔力消費のどっちが楽かって話になるね。


 光が曲がるイメージで、一番簡単な例が蜃気楼とか逃げ水現象だね。あれは空気の温度差で光の媒質としての屈折率が物理的に変化して、そこに無いものが見えるようになる。これは、媒体が必要だし、私の存在を別の位置に投影させるだけの技術て、私の存在が見えなくさせることはできない。


 要は、真空中で光を曲げるような一般相対性理論の世界だね。

 大学の一般教養では特殊相対論までで、一般化までは習わないとかなんとか。

 あ~、大学行って勉強したかったなぁ。

 まぁ、無いものねだりしてもしょうがない……。


 ま・て・よ?

 重力っていえばさ!

 ユッカちゃんが、お母さんを軽くしたり、浮遊したりしてたよね。

 重力波の影響を制御できちゃうってことだ。

 このエーテル利用権限がランクいくつかは知らない。

 しらないけど、私はユッカちゃんより上だとすれば、権限上の限界設定は問題なくて、あとは、そこの利用方法をイメージできるかだ。


 光を曲げる前に、重力波からの干渉を無くしてみよう。

 物理学上の発見順序は違っても、今の目的は光を曲げるのに重力波を制御するのが近道っぽいから。間違ってたらそのときで。


<<エーテルさん、私の体をこの星の重力波の影響から遮断して>>

<<<ぴきん、ぱきん、かん、こん>>>


 なんか音がする。なんかを切断してるのかね。

 って、浮いた、浮いた。

 あ、あ、あ。風がががが!

 ちょっと~~!


<<エーテルさん、重力波の遮断解除!>>


 背丈の高さから自由落下する。

 頭の方向から投げ出される感じで。

 肩から転がるように前転して着地。

 痛い……。喋れる程度に痛い……。

 骨とか折れてないよね……。


 こう、受け身の取り方とか知りたいよね。

 それか、重力の遮断のコントロール。

 下手に風を起こしたら、どこまで飛ばされるか分からんて。


 そっか、ユッカちゃんが汗流しながら操作してたってのは意味があるんだね。

 とにもかくにも、重力波はエーテルで操れることが分かった。

 これでいける。魔力消費量は知らんけどね。


<<エーテルさん、光を曲げて。私の正面の木を私から見て右に移す位置へ>>


 やったー!成功!木が移った!


 移った位置の木を触る。何にもない。

 元の木の在った位置を触る。木の感触がある。

 これってさ、エーテル使用者を中心座標としてコントロールできてるってことだよ。

 だって、私が触りに行っても、移った木の位置がそのまま固定されてるもん。

 そして、私が移動したにも拘わらず、元の木の位置に何もみえない。

 よくみると、草と地面の合間が真っ黒だけどね。

 きっと、私が視認できない部分の木までを光学的に移したんだろうね。


 ふむ。これはほぼ光学迷彩と同じだね。

 今度は自分にそれを仕掛けると。


<<私の周りに、空気の流れを遮らないエーテルの膜を生成。

 私を中心としたその膜に透過光とその先の像が反射されるように、自動的に光学経路を生成。

ただし、波長は近紫外~赤外線の範囲>>


<<<ふわわ~~~ん>>>


<<ナビ、私の外見を客観的に評価>>

<<一般的な人間の可視領域では透明化されています>>

<<おっけー>>


<<このエーテル作用条件の思念を<光学迷彩>として登録して。

 私が<光学迷彩>と送信したら、自動的にこの条件を呼び出して、エーテルに作用できるように。発生位置は、指定が無い場合は私を中心とした膜状の厚さで>>

<<了解。完了しました>>

<<ありがとう>>

 

 光さえ曲げられれば、あとは匂いとか、温度かな。

 無闇に透過処理の制限をかけると、こっちが危険を検知できないかもしれないから止めておこう。

 獣人族とかいて、臭覚が半端なかったり、エルフみたいのが聴覚で検知してくるシーンがあったら、その都度膜の種類を増やしていくことにしよう。


 あとは、この膜の作用がどんくらい魔力を消費し続けているかを知りたいね。

 魔力枯渇で倒れたり、潜伏中に光学迷彩が解けるとかありえない。

 ユッカちゃんが帰ってくるまで、この辺りを確認・検証しておこうっと。


<<ナビ、細かいことをいろいろ試したいお願いがあるんだけどね>>

<<多くの情報の収集は得意とするところです>>


<<魔力消費量の調査をしたい。

 私の自然回復を上手く相殺しないと、個別の操作術の魔力消費が見えないと思う>>

<<了解>>


<<ピュア!>>

<<1>>


 ま、そんなもんか。

 便利でいいね。


<<エーテルによる身体強化。脳内の物質循環付きで10秒>>

<<検知精度以下。回復上昇値が大きく検出限界でした>>


 む。そうか……。

 これを使える時点でいろいろチートだ。


<<魔石生成。ピンポン玉サイズを両手から別々に>>

<<100x2>>


 ああ。分かった。私が初めてのときに倒れた訳が。

 で、そのときは脳内物質循環をさせてなかったから、

 回復量が少なくて倒れたんだね。


<<今使った消費魔力200の回復時間>>

<<およそ200秒。ただし、今のヒカリの体調と物質循環付きの条件において。>>


<<<光学迷彩>起動1分間>>

<<1。自然回復を含みません>>


 うん?

 てことは、他に何にも魔力使わなければ、エーテル循環と光学迷彩はずっと維持し続けられるね。ただ、体力や体調で回復量が変わるから無限ってわけではないけど。ピュアぐらいの認識でいっか。


 そっか~。

 敵と戦うための魔法使ったり、木を切ったり、風を呼び込んだり、水を出したりすること考えると、物質の具現化の消費魔力も知っておきたいね。

 魔石より大変かどうかも知りたいし。

 今みたいな感じで、どっかに調べてメモ残しておけば、だんだん、魔法帳が出来上がっていくね。


 先ずはここまで。

 クッキーでも作って、ユッカちゃんの帰りを待ってようっと。

誤字などの修正です。本ストーリーへの影響はありません(無いはず)。

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