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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?〜魔法と理系の知識でゼロから生活を立ち上げる〜  作者: tinalight


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3-97.外交の架け橋(8)

最後の詰だよ。慎重に進めよう。

『(ノック、ノック)マリアです。入っても宜しいでしょうか?』

「お待ちしておりました。どうぞ。」


マリアさんが王様とロメリアの財務大臣、スニフだっけ?を連れて入ってくる。


「ヒカリさん、お待たせしましたわ。決着はついたかしら?」

「マリア様、多大なるご支援に感謝いたします。最後の交渉にこれから入らせて頂きますので、エスティア国王の許可が必要と考えておりました。」

「あら、ちゃんと最後の仕上げを上司のために取っておくなんて、よくできた子ね。」

「お褒めに預かり光栄です。」

「ヒカリさんらしくないわね。」

「滅相もございません。」

「いいわ。はじめて頂戴」

「分かりました。」


「ロメオ王子、今の貴方の置かれている立場を整理します。宜しいでしょうか?必要であれば、羊皮紙に書き出しても構いません。」

「ヒカリ殿、仲介のご協力に感謝します。私の無知と勉強不足な点をフォロー頂ければ幸いです。」

「はい。では、始めますね。

まず、ロメリア王国の財務大臣には金貨200万枚の借金があります。その詳細の経緯は省きますが、金貨20万枚の寄付を行ったところ、<贋金は10倍のペナルティーを科す>という誓約書の元、20万枚の10倍である金貨200万枚の借金となりました。

ロメリア財務大臣、よろしいですね?」

「はい」と、スニフさんが簡潔に答える。


「次に、ロメリア財務大臣にはロメリア国王の<奴隷印>が付いています。すなわち、金貨200万枚の借金はロメリア国王と共同で返済する必要があります。

よろしいですね?」

「はい」と、スニフさんが再び繰り返す。


「更に、財務大臣、国務大臣、建設大臣の3人で結託して、エスティア王国の通貨に対して、<贋金>を作り、流通させました。これは本人の処刑と一族を犯罪奴隷に落とし、全財産没収に相当する罪になります。

3人の大臣達、宜しいですね?

「ハイ(3人)」


「本日の模擬戦にて、金貨3万枚相当の負債を国務大臣であるスレイ様が私に返済する必要があります。これは金貨に代わる物でも良いとします。

ロメオ王子よろしいですね?」

「ハイ」と、ロメオ王子が答える。


「最後に、ロメオ王子はリカの提案による<ミラニア川の架橋工事>に対して、私に勝負で負けました。この勝敗の結果として、リカを諦めるだけで良いのか。西岸の治水工事で挽回するのかを決めておきたいです。ロメオ王子宜しいでしょうか?」

「ハイ」と、王子が再び答える。


「チャールズ国王、

以上が伯爵として領地を預かるヒカリ・ハミルトンからの報告になります。

何らかの交渉事がございましたら、仲介をさせていただければと思います。」


「ヒカリ殿、報告ご苦労である。今回の件に関する其方(そなた)の多大なるエスティア王国への貢献は素晴らしい物である。労に報いるためにも、後日褒美を取らせたい。相談を要するので少々時間がかかるが、期待して待つが良い。」

「臣下としてありがたき幸せにございます。」


「ヒカリ殿、忠臣として私に提言したいことがあるか?あれば聞いた上で考慮しても良いぞ。」

「発言の機会を頂き感謝致します。僭越ではございますが、お言葉に甘えて幾つかの事項に関しまして愚考した内容を進言させていただきます。」

「うむ。申してみよ。」


「1つ目、

現ロメリア国王の隠居とロメオ王子の王位継承をエスティア国王の名において通達して頂きたいと思います。

2つ目、

現ロメリア王国における財務大臣、国務大臣、建設大臣の隠居、私有財産の没収。敷地、雇用者のエスティア王国への接収をロメリア国王へ要請頂きたいと思います。接収方法及び隠居先に関しては詳細は担当大臣レベルでの別途協議とさせて頂ければと思います。

3つ目、

金貨200万枚相当の賠償責任として、ミラニア川西岸までをエスティア王国の領地として認めることをロメリア国王へ要請頂きたいと思います。

そもそも、ミラニア川より東側は先の3大臣による領地が殆どを占めておりますので、ロメリア王国としての被害は大きくないはずです。

4つ目、

金貨3万枚及び、架橋工事に負けたロメオ王子の責任として、ミラニア川西岸の治水事業を完遂して頂きたいこと、エスティア国王より要請頂けますでしょうか。

尚、蛇足ではございますが、ミラニア川東岸の工事の都合、勝手ながら中立地域に設けたヒカリ・ハミルトン領に関しましては、新領地決定後にエスティア国王へ返還させて頂きます。改めて再分配頂けますでしょうか。

以上になります。」


「ヒカリ殿、進言ご苦労である。随分と控えめな要請である気がするが、それがヒカリ殿の望むことで間違いないな?」

「平定後の復興を速やかに行えればと愚考しました。国王と重鎮の方達で異なる判断と要請をして頂いても全く問題ございません。」


「分かった。ロメオ王子よ、ヒカリ殿の仲介内容は聞いての通りだ。私としては最低限にも満たない内容であるが、功労者であるヒカリの意見を受け入れなければならぬでな。

仲介案を受け入れる気はあるか?」

「ハイ!ただ、もし可能であればですが・・・。」


「なんだ、申してみよ。」

「ロメリア王国の重鎮が一度に隠居しますと、国政が滞り、エスティア王国との交渉も遅々として進まない可能性がございます。その辺りご考慮、ご協力賜れますでしょうか。」

「ヒカリ殿、何かあるか?」

「ロメリア国内の事情は私も疎いゆえ、商人のランドル殿に財務大臣の打診をするのは良いかと思われます。また、新領地までをレナード様に統治頂くことで、ロメリア国内での内乱には出動できるように支援体制を整えることも可能かと思われます。近衛騎士団の人数や指揮官が不足するようであれば、私の部下から精鋭を派遣しましょう。」


「うむ。

ランドル殿の噂は聞いておる。誠実な商人であり、サイナス一帯の物流を治めながら、エスティア王国への穀物の輸出も積極的に支援して頂いたと聞いておる。コンタクトをとれるコネクションがあれば其方に任せる。

レナードよ、ヒカリ殿の申し入れをどう考える?」

「ハッ!勝手ながら申し上げさせて頂きます。サイナスの街の北部を境界に南北に切り分けて、北側を私が統治し、南側をヒカリ殿の領地としては如何でしょうか。」

「ヒカリ殿、よろしいか?」

「ロメリア王国の立ち上げまでの暫定統治であれば問題ありません。その後、エスティア国王の直轄地、あるいは他の大臣の飛び地として管理頂ければ良いかと思います。」


「ロメオ王子よ、王位を継いだらこの者達が隣接する領主として国の壁を越えて支援に参ろう。それで良いか?」

「ありがとうございます。」


「よし、皆の者これでヒカリ殿の提案による仲介は終了した。第三国よりお集まりいただいた方達には大変感謝しております。今後とも公平な立場お付き合い頂ければと思います。ヒカリ殿、良いか?」

「チャールズ国王、ご足労いただき、寛大な裁量を賜りありがとうございました。今日の打ち合わせはこれで解散になります。」


「よし、ヒカリ殿、食事を持って参れ」

「え?」


「父さん、ヒカリは料理長じゃないんだ。それに、美味しいごはんは関所にある素材だからなんだ。」


「ワシには食べさせられないと申すか!」

「マリア様、助けてください。」


「ヒカリさん、今日一日お疲れ様でした。この人連れて関所に戻るわ。後はよろしくね。」

「ありがとうございました!」


「ロメオ王子、悪いけど交渉とかは明日以降、ゆっくり進めよう。その大臣4人を騎士たちと一緒に連れて帰ってくれるかな。」

「ヒカリ殿、貴方の仲介に感謝します。今日は西岸で野営し、明日撤収します。」

「ありがとね。橋の上の石は、現国王の意向が決まるまで放置するからね。」

「分かりました。父には良い薬になると思います。」

「うん。じゃ。またね。」


エスティア王国の人達をお見送りした。あの人たちは飛竜で優雅に飛び去って行ったよ。ロメリア王国の人達は踏ん張って歩くロメオ王子を先頭に、もぬけの殻のような大臣達がついて歩いて橋を渡って帰った。

よし、架橋地点のメンバーにお礼を言ってから寝よう。

流石に疲れたよ。


「みんな、お疲れ様。今からだとパーティーの準備が整わないから明日でいいかな?トレモロさんも今日は休んで行ってもらってね?あとは任せる。今日は寝るからね」

「ハイ(ALL)」


あ~。

やった~。

緊張で疲れたね。知恵熱でもでちゃったのかな?

体が芯からジンジンするね。

頭のなかで少しキーンって鳴ってる。

さ、寝よう。

いつも読んでいただいている皆様には感謝しています。

今後とも頑張って続けたいとおもいます。

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