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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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3-94.外交の架け橋(5)

2戦目の模擬戦の開始だよ。

向こうは大砲やら弓矢らを一番奥に備えて、接近戦を仕掛ける様子は無かった。

逆にこっちは、エリアの中央ギリギリに位置して、私だけが陣地奥側に座ってる。一戦目と同じ位置だね。

私の真正面に大砲がこっち向いて3基座ってる。きっと、開戦の合図であそこから弾が飛んでくるんだろうね。照準で狙いつけておけば、開戦直後にこっちにダメージ与えられるし、有り有りの戦争だから、万が一にも殺せたらラッキーって考えてるんだろうね。

こっちは、いろいろチートな状態だから、チートぽくなく、<運よくかわせた>みたいな状況で生き延びるのが良いね。あまりにも派手なことすると、3戦目で敵が直ぐに負けを宣言しそうだからさ。

よし!トレモロさんの合図待ちだ。


「では、はじめ!」


前線で戦闘する気満々だった自軍は後ろを振り返って目を瞑る。

それを見計らって、予め敵陣奥深くに飛ばしてあった妖精さん達を眩く光らせる。

ほんの数秒だけど、それで十分。

ステラが合図の手を挙げると、皆が敵陣に向かって走り始めた。

身体強化使えてる人なら、数秒も必要ない。

あっという間に大砲の周辺を制圧して、操作役の兵士達の武装解除。

予想通り、大砲だけじゃなく小型の火縄銃みたいな鉄砲が用意されていたらしく、

それも片っ端から皆で回収していく。


ロメリア軍の視力が回復してきた頃には、ほとんどの武器が回収されて、もう半分以上が武装解除までされていた。ほんの2-3分の出来事。

大砲や後衛を守るための近接職の兵士が自陣で取り残されている状態。

だって、守るべきものも、敵を制圧する火力も無くなっちゃったからね。


一戦目より素早く、そして一戦目より丁寧に武装解除して撤収。

10分も経たずに、スレイさん一人になっちゃったね。


「勝負あり!」


何と言いますか、悲惨としか言い様がない状態。

戦闘らしい戦闘が行われず、一方的に貴重な武具を奪われて、エリア外へ離脱するか放りだされて勝負がついちゃったんだもんね。


さて、3戦目の準備だ。

大体予想はついてるんだよね。

騎乗した騎士たちと、上から飛竜隊が制圧してくるんだろうね。

こっちは歩兵だから相手の高さに上がるまでで十分なハンデを背負う。

そして騎乗した騎士が長めの槍とかで攻撃してくる。

運よく馬を取れても上空から飛竜隊が攻撃を仕掛けてくる。

まぁ、普通の歩兵だけで戦う相手じゃないね。

そんな戦場に歩兵を投入するとか、指揮官が根本的なミスを犯してるよ。

今回は流石に<命大事に>を徹底させて、馬も武具も諦めようかな・・・。


「みんな、2回戦お疲れ様!3戦目の作戦を立てるよ!」

「ハイ(ALL)」


「今度の相手は騎乗した騎士と飛竜隊が来るよ。

作戦は、飛竜以外何をどうしてもいいよ。

本当は、馬は貴重だから欲しいんだけど、歩兵で普通に戦ってもケガするだけだよ。」


「姉さん、馬が欲しいなら飛空術使って、敵の騎士だけ落としていけば、馬を回収できるよ。」

「フウマ、上空から飛竜隊が攻撃してくるよ」

「隠密行動をとって、素早く離脱すれば、命令されて動く飛竜よりは速く動けるよ。」

「そっか。じゃ、隠密行動ができて、飛行術を駆使できる人は、馬から騎士を落としてまわろう。落とされた敵兵士はこれまでと一緒で武具をはぎ取ってからエリア外へ追放ね。

それで、ここからは相談なんだけども。

馬と武具の回収が終わったら、5人残ってそれ以外のメンバーはエリア外へ自主的に離脱して欲しいの。

戦場に残る5人はこれから決めるけど、飛竜隊の飛竜を私が回収するから、5:5で戦闘を重視した個人戦を挑もうかなと思ってる。」


「姉さん、なんでそんな面倒なことをするんだい?」

「スレイさんは戦闘をしてなくて、指揮も殆ど出来ずに負けてるから、負けた実感が湧いてないと思うんだよ。飛竜隊のメンバーはロメオ王子を除いて全員ね。

だから、<ちゃんと戦えば、こっちがの強い>って、心のどこかで思ってるはず」


「ヒカリ殿、もし、私がスレイ殿の立場であれば、同じ感情を持つでしょう。」

「レナードさんは流石ですね。敵の心理もちゃんと分かってらっしゃる。

っていうか、レナードさんも動き足りてないから、最後の5人に残りたいとか思ってますよね?」

「それは当然です。味方を切り捨ててでも残ります。」

「残り4人の枠なんだけどさ。うちのアイン、ドゥエ、クワトロの3人は加えたい。残り一人なんだけど、リチャード王子かフウマになると思う。

一応、女性を除かせて貰ってるのは相手に<女相手に本気になれるか>とかの言い訳を後で言わせないためだから、ここは譲れません。」

「ヒカリ、それは仕方ないわ。我慢します」

「ヒカリさん、ちょっとショックですわ。」

「おねえちゃん、私は回収した飛竜さんと遊ぶからいいよ」


「マリア様、ステラ、ユッカちゃん、ご理解いただきありがとうございます。

じゃ、最後の一人の枠を王子かフウマの二人で決めてください。」


「フウマ、ニーニャの剣を本気で振るってみたいんだが、いいか?」

「御意に!」


一瞬で決まったね。本人たちが納得の上で決めたことだからそれでいいと思う。


「ステラ、私が飛竜さん達を回収するために一度飛竜を地上に降ろすでしょ。そのとき騎乗している5人を眠らせて欲しいんだよ。私が飛竜さん達を回収し終わったら目覚めさせてあげて欲しいけど、お願いできるかな?」

「お安い御用ですわ」

「いつもありがとね。」


ーーーー


「では、はじめ!」


3戦目開始。

今回は軍隊が、一揆をおこしてる平民を制圧するかのごとく、騎乗した騎士団が圧倒的な存在感で迫ってくる。上空には飛竜が直ぐに急降下できる体勢で待機してる。


こっちは、作戦通りに私も含めて片っ端から騎乗している騎士たちを地面に叩き落とす。クロ先生、フウマ、ステラ、ユッカちゃん、私の5人だから一人10人も蹴り落とせば終わり。

地面では馬の回収と武具の回収が速やかに行われている。

こうなると、もう、一戦目や二戦目と変わらないね。

こっちが隠密行動で移動してるから、飛竜の急降下も発動できないしね。


馬と武具の回収が終わるにはちょっと時間が掛かったね。

で、戦闘に残る5人と、ステラと私の7人が戦闘エリア内に残った。


<<ステラ、じゃ、5人を眠らせてくれるかな?>>

<<わかりましたわ>>


飛竜に乗ってる騎士たちが眠ったのを悟ったのか、5人の飛竜たちが私の目の前に急降下してくる。

そして、フワッと綺麗に着地して恭しく頭を下げる。

飛竜の頭の位置が私の目の前に下がっているので、飛竜の顔を一人ずつ丁寧に抱きかかえてから、それぞれの兜を外す。


<<飛竜のみんな、よく我慢してくれたね。今から自由だよ>>

<<ハッ!(ALL)>>


飛竜から5人を降ろして、ステラが早速眠りの魔法を解除する。

飛竜さん達はタカさんがいる拠点の飛竜休憩所の方へ飛んでった。

ここでゴタゴタ長引いていると、トレモロさんが勝敗を決定する合図だしちゃうから、飛竜さん達を回収しおわったタイミングで、トレモロさんの所へ行って声をかける。


「これからスレイさん達と個人戦を楽しめないか申し入れをします。それまで勝敗の決定をお待ち頂けますか。」

「承知しました。存分にお楽しみください。」

「ありがとうございます。」


ロメリア軍5人の前に戻ると、ちょっと頭がぼんやりした感じのスレイさんが居た。


「スレイ様、提案がございます」

「ヒカリ殿、ここから更になんであろうか」

「残り5名ずつで個人戦をしてみるのは如何でしょうか?不満があればここで終戦としても結構です。」


周囲にはこっちが7人、向こうが5人で飛竜も馬もロメリア軍も全て居ない。それどころか、エスティア側の兵士もいなくなっちゃってる。


「ヒカリ殿、この状況は・・・。」

「邪魔が入らないようにエリア外に出て貰っています。スレイ様の返事次第では終戦の方向でメディチ卿へ伝えます。」

「分かりました。相手をさせて頂きたい。できれば、死に至るダメージはお互い避けることで配慮頂きたい。」


「わかりました。それ以外はこれまでと同じルールで良いですね?」

「良い」


「では5人の順番を決めましょうか。こちら、レナード様がスレイ様との手合わせを希望しておりますが、ご自由に判断して頂いて結構です。」

「こちらのメンバーの希望も確認してからでも宜しいか?」

「はい。うちのメンバーは、ここに立っている5名の男性です。」

「承知した」


で、結局のところ、全然勝負にならないわけ。

ごう持たない。

兜を跳ね飛ばして、戦意を喪失させておしまい。

5戦全勝。

なんだか、申し訳ないことしたね。

てか、なんなんだよ。

うちの奴隷として購入したリーダーさんたち、滅茶苦茶強いってことでしょ!


「勝負あり!」


トレモロさんの号令があって、模擬戦は3回戦全てが終了した。

ロメリア軍は食料とかいろいろあるらしいから、自前でなんとかしてもらう。

こっちは、会議のメンバーを除いていつもの通り食事など済ませて貰うことにした。



さっき会合で出席していたメンバーで再度食堂に集まることになった。

さ、こっからが本番だよ!

いつも読んでいただいている皆様には感謝しています。

今後とも頑張って続けたいとおもいます。

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