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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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3-93.外交の架け橋(4)

さ、限りなく実践に近い模擬戦の準備だよ。

<ござる>の部隊以外の4人のリーダー、エスティア王国の人3人、妖精さん3人、私、フウマ、ステラ、ユッカちゃん。これでもう14人なんだよね。

全員参加したいかな?

先ずは意思確認だ。


「イワノフ、ちょっと工事を止めて4人のリーダーと部下全員集めたいんだけどいいかな?」

「ヒカリ様、橋は完成しました。ヒカリさんが開通の儀式をするだけです。

治水工事はしばらく係るので、一日ぐらいは自由にして頂いて結構です。直ぐに全員を集めます。」


「イワノフ、橋の完成おめでとう。今日さ、お客さんが来てるでしょ。この橋でイチャモン付けてきたから、その白熱した議論の休憩しようと思ってさ。今日の会議次第では、この橋が没収されちゃうかもしれないし、戦争を終わらせられるかもしれないの。だから、今日は特別に我儘言わせて。」

「承知しました。ドワーフ族は政治に興味がありません。ご自由にどうぞ。では、早速全員をここへ集めますので少々お待ちください。」


頭数合わせはなんとかなるとして。

あとは、飛竜の血を飲んでるメンバーとニーニャの武具持ってるメンバーだね。

っていうか、どっちかだけでもチート行為だけど良いのかね?


「ステラ様、レナード様、リチャード王子、この後模擬戦をしますが、見学にされますか?それとも、参加されますか?」

「何故聞く?(3人)」

「承知しました。3人枠を確保します。メンバーが決まり次第作戦会議を開きますので、その作戦には従って頂きます。」

「了解!(3人)」


次は、ユッカちゃんと妖精さん達3人だね。


「ユッカちゃん、ラナちゃん、シルフ、クロ先生、この後、ロメリア王国との模擬戦があるのですが、参加されますか?見学もできますけども・・・。」


「ヒカリ、何故それを聞くのかしら?」

「ラナちゃんが、面倒でなかったり、ドラゴンが召喚されることが無ければ、参加いただけると心強いです。」


「ヒカリ、人にモノを頼むには、頼み方があるのじゃないかしら?」

「え、あ、ええと・・・。未熟な私を助けて頂く訳には行きませんでしょうか。」

「そう。ヒカリがそこまでして頼むなら参加してあげるわ。」


「ヒカリ殿、私は護衛として傍を離れませぬ故、参加でお願いする。」

「クロ先生ありがとうね。シルフとユッカちゃんはどうする?」

「おねえちゃん、なんか楽しそうだからやる~」

「ヒカリ、皆が参加するなら、後で後悔しそうだよ。ヒカリ、僕も参加したいな。」

「みんなありがとうね。4人をメンバーリストに入れておくよ。」


ふぅ。これで私入れて8人。フウマとステラで10人だね。

残り枠60人だけど、どうしよっかな・・・。

下手に怪我されても嫌だから少数精鋭でもいいんだけどね。

自分の武具ぐらい、自分で勝ち取ってきてもらおうかな。


「アイン、ドゥエ、クワトロ、レミ、これから模擬戦をすることになった。70人対70人の有り有りで3回戦行う。相手はロメリア王国の精鋭騎士団メンバー。向こうは200人を3部隊にわけてくるけど、こっちは総勢70名程度で3回戦を戦わないといけない。

戦闘中に相手の武具を奪っても不問だから、部下の武具集め頑張ってね。

ちなみに、一回戦ごとに勝利チームは相手から金貨1万枚を貰えるよ。」


「ヒカリ様、質問しても宜しいでしょうか?」

「クワトロ、何かな?」

「ヒカリ様は相手を殲滅することをお望みでしょうか?」

「どちらかと言えば望んでないし、殺戮目的での参戦参加者は控えて欲しいと思う。

当然、武具を奪うときに敵も抵抗するし、相手を傷つけるだろうし、加減できずに殺してしまうこともあると思う。でも、それを一々咎めるようなことは言わないよ。」


「承知しました。一戦ごとの勝利条件は決まっていますか?」

「大将が戦闘不能、降参、模擬戦エリアからの離脱。あとは相手の全滅。各兵士も模擬戦エリアから離脱したり、兜を脱いで武器を捨てれば降参とみなしてくれるよ。」


「ヒカリ様、こちらの大将はどなたが務めるのでしょうか?」

「多分わたしになりそうだけど、構わないかな?」

「全体の士気は非常に高まると思います。是非ともお願いします。」


「クワトロばかり質問してるけど、他のリーダーは何か質問あるかな?」

「ヒカリ様、先ほど敵の武具を回収しろとおっしゃってましたが。」

「ドゥエ、相手の武具を貰えばさ、みんなの部下の武具が賄えるし、余ったら、各種金属加工して利用できると思うんだよ。だから、できれば200人分の武具とってきて。」

「承知しました。ヒカリ様さえ倒されなければ、武具回収に全力を注ぎます」

「ありがとうね。今使ってるナイフとかスコップとか何でも持ち込んで良いからね。」


この後、各リーダーが参加者を集計したり、作戦を伝えたところで全員集合だ。

フウマとステラが、もの凄い勢いで帰ってきて関所メンバー10人と4人のリーダーと部下を合わせて52名で、合計62人のチームだ。数の差は大した問題じゃないね。


「じゃ、作戦を説明するよ。

1.故意に相手を殺さない。降参しない相手はエリア外へ追放

2.相手の武具回収を最優先とする。毎回全部の武具を剥いで持って来て。

3.負けないで。負けそうなら私が参戦する。

以上だよ。」


「姉さん、それはみんながツマラナイと思うんだ。」

「フウマ、何でそう思う?」


「戦闘に集中できないじゃないか。武具集めばかりじゃさ。」

「ある程度人数を倒してから回収すればいいじゃん?」


「勝ち目が無くなったら、相手の大将が降参するだろ。」

「降参したら、金貨1万枚の負けだから、直ぐには認めないよ。」


「相手の大将は誰なのさ?」

「多分、スレイさんかロメオ王子だと思うよ。」

「なら、ギリギリまで負けを認めないね。」

「うん。私は自分で自分の身を守るし、負けそうなら勝手に参戦はじめるから、そうされたくなかったら、忠実に模擬戦で鎧や武器を回収してね。

みんな、いいかな?」

「ハイ!」(ALL)」


流石に50人からの返事は大きいね。

架橋は治水工事で体力も回復してるだろうし、食事も十分に与えているから武具以外の面では相手の騎士団に負ける訳が無いはず。


ーーーー


「メディチ卿、ヒカリ側総勢62名、準備が終わりました。位置につき次第、いつでも始められます。大将は私が務めます」

「こちら、スレイ陣営総勢70名準備完了。大将は私が務める」

「おふた方、チーム員との見事な連携を見せ、見ごたえのある模擬戦を実施して頂きたい。それでは位置に着いたら、それぞれ手を振って欲しい。両者の手が挙がったら私が手を振り下ろす。それが開始の合図とする。」

「「ハイ」」


さ、開戦だね。

一戦目は各自好き勝手に行動していいことにした。

あくまで武具の回収が最優先だけどね。

2戦目以降は相手の出方を見ながら作戦を少しずつ考えようかな。


「では、はじめ!」

急ごしらえした石と木で出来た台の上に座ったメディチ卿の手が振り下ろされた。


こんな少人数の戦闘だと陣形とか無いよね。いわゆる乱戦を想定してればいいのさ。

乱戦で不味いのが遠距離攻撃で大将が直接狙われちゃうことね。傍らにクロ先生がいるけど、相手の魔術師や弓隊が複数いると全部一度に躱すのは大変だもんね。


あ、いきなりユッカちゃん、ステラ、ラナちゃん、シルフの4人が隠密行動から後衛に接近して、詠唱妨害や弓隊の武具剥奪を始めた。身体強化とかしてても、あのスピードに目がついていくのは困難だろうし、エーテルで動きが読めても体術的にかわしきれないでしょ。

いきなり、後衛15人ぐらいを制圧して、武器と防具を回収してきたよ。


「おねえちゃん、いっぱいとれた~。つぎ行ってくるね」

「気を付けてね~」


なんか、小さな子が初めてのお使いでもするかの感覚だ。

前衛側も衝突が始まったけど、なんか殴り合いみたいになってる。こっちが武器の回収を最優先にしてるし、殺し合いを推奨してないから、簡単に勝負がつかなくなっちゃってるんだね。悪いことしたかな・・・。

でも、もうちょっとだから勘弁してね。


段々と、武具が私の前に山積みになる。なんか下着なのかな?衣類とかアクセサリーまで置いて行く人が居るね。これって、追剥おいはぎしてるのと変わらない状態じゃん。確かによく見ると、エリア外に離脱してる人の中に裸の人がチラホラいるね。

いろいろと指示の仕方が不味くて、双方に悪い事しちゃったかな・・・。

大量に負傷者が出てる様子も無いし、ま、いっか。


結局15分ぐらいだったのかな。敵はスレイ卿を残して全員がエリア外へ離脱または追い出された。


「勝負あり!」


トレモロさんから第一回戦の勝敗が決まったことが宣言された。


「双方2回戦に向けて準備が整ったら、ご連絡ください。」


こっちは武具を回収しておしまい。ちょっと水とか飲んでる人もいるけど、ほとんどウォーミングアップ程度にしか体動かしてないもんね。相手は装備が無くなったら全面的にメンバー交代。何やら魔動器を並べ始めてる。あれって大砲じゃん?

これはちょっと、緊急で作戦会議の必要があるね。


「みんな、ちょっと集まって。あっちの陣地で準備している魔道器を見たことある人いるかな?」

「いいえ(ALL)」


「うん。集まって貰ってよかった。あれはさ、私の居た国では大砲って言ってさ、あの穴の開いた筒から石とか鉄の弾がとびだしてくるわけ。

それで、弓矢の矢なんかより、威力が大きいし、弾が丸いと転がって足場も悪くするんだよ。そして、矢と違って、重くて速いから刀で切ることもできないし、普通の鎧では貫通しなくても、そのエネルギーのダメージで受け止めたら死んじゃうかも。

それぐらい、上手く使われると厄介な武器なんだよ。」

「なるほど(ALL)」


「この模擬戦では、相手があの武器を持っていて、それを使ってくる可能性があることを理解していれば、十分備えることができるんだよ。

大砲って武器は機動性がほぼ無いのね。予め狙った位置に向けてしか弾が出せない。だから、開戦前にセットして、そこからウロチョロ動かれると修正が出来なくなっちゃうんだ。

当然、その欠点を補えるように、複数の大砲を備えたり、台車に載せて移動させやすくする工夫もできるんだけど、それでも狙いをつけ直すには、この距離の模擬戦では難しいよ。」


「姉さん、それって、相手が使って、なんの役に立つのかな?」

「幾つか意味があるよ。

一つ目は、初めての武器を見せることで、相手を不安にさせ、萎縮させる。

二つ目は、発射音が大きくて、それで威嚇する。

三つ目は、開戦の合図と同時に、人が集まってそうなところに打ち込んで、ダメージを与える。あるいは、大将に向けて射ち放つ。

四つ目は、そのような得体のしれない武器がたくさんあると思わせて、迂闊に踏み込むのを思いとどまらせる。

五つ目は、今回の模擬戦でその様な軍事力を持つことを示威することで、エスティア王国への第三国からの援護をけん制する。

ざっと、考えてもそれくらいのメリットがあるよ。」


「姉さん、なんで向こうは最初からその作戦で来なかったんだ?」

「私兵集団ごときには、余裕で勝てると思ったんでしょ。

わざわざ3戦にしてくるんだから、三戦目は別の作戦を立てて来るよ。」


「姉さん、それじゃ、皆に2戦目の大砲の対策を教えてよ。」

「私はさっきの場所から動かない。だから私に的を合わせてくる可能性が高い。なので、皆は中央を少し開けて、鳥が羽を広げるような形で敵陣に入って行って欲しい。斜め方向への修正は大砲には難しいからね。これだけで皆が大砲の的になることは殆どないよ。私は来ると判っていれば、幾らでも避けようがあるから、私を護衛しにくるとか絶対に止めてね。私が自由に逃げられなくなるから。

それと、敵は小筒も持ってるかもしれない。これは大砲なんかより全然小さくて、矢の矢じり部分だけが飛んでくるイメージをすればいいと思う。

ニーニャの作った鎧とか特殊なコーティングがされていないと簡単に貫通して、重症を負うことになるから気を付けてね。

対策としては基本的に弓隊と同じ扱いだから、直線的に進軍しないで、揺さぶりをかける感じ。あと、味方同士が重なると適当に乱れ打ちされるから注意してね。相手の懐に入り込めれば問題は無いよ。

もっと簡単なのは、大砲や小筒に充填されている魔石を遠隔で破壊しちゃえば起動できなくなるよ。そういうのが出来る人は人数少ないから、各自の判断で実行してね。

それ以外の作戦は一戦目と同じ。で、大砲と小筒も出来るだけ回収してきてね。

以上、何か質問ある?」


「ヒカリさん、ちょっと宜しいかしら?」

「ステラ、何?」

「魔術封しの結界を張ってしまったらどうかしら?」

「もう、道具として完成してるから魔術は関係ないよ。飛竜助けにいったとき、自分の体内の魔術は使えたでしょ?あんな感じになるよ。」


「何か役に立つ魔術があればいいのですけど・・・。」

「<目くらまし>が良いよ。砂とかでの<目つぶし>でもいいけど、人数多いと大変でしょ?ラナちゃんに貰った光の妖精さん達に協力してもらって、開始直後に敵陣を強烈な光で照らして、目を使えなくさせちゃう。そしたら視力が回復してから狙いをつけるまで時間がかかるよね。その間にこっちが敵の中に侵入できれば一戦目と同じになるよ。」


「ヒカリさん、分かりましたわ。開幕直後に敵陣で強力な光を出しますので、参戦する皆さんは、そちらを注視しないようにおねがいします。」

「みんな、判った?」

「ハイ(ALL)」


よし、じゃ、準備OKってことで、

トレモロさんの合図を待とうか。


いつも読んでいただいている皆様には感謝しています。

今後とも頑張って続けたいとおもいます。

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