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枕の下に 希望の上に(10)

定式サンクチュアリ

青く生える草の中

立派に育った花が咲く

彩り豊かに

場を温かに

香りは空気に乗って

誰かの鼻を楽しませる

そこには

余計な物は何も無い




一瞬は永遠

何処かで聞いた言葉は

本当の事だった

一つの事柄

それは全てを変えるに

等しい事だった

茶色が一面に広がり

石ころが混ざりながら

埋まっていった




なんとか元に戻そうと

頭を下げては

汗を流していた

元に戻るなら

それで良いのだからと

走り回り

なんとか元に戻った

元に戻った風に見えた




千里同風の中

親子が花の咲いた場所を

手を繋いで歩いた

小脇の花達は

あの日と変わらず

色を放っていた

子は花へと手を伸ばす

綺麗だから

好きだから

形を見たいから

自由な理由で

手を伸ばした




あそこ花に触れるのは

やめなさい

あそこの土は

汚れているのだから

あそこ花に触れるのは

やめなさい

どうせ花も

汚れているのだから

その手は触れず

離れていく

そして親の手へ

帰って行く




触れなかった手は

誰も汚さない

触れようとした手は

何処かへ消える

そうやって

埃まみれになるのだろう

千里同風の中

軽やかなのは

貧者一灯かもしれない




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