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プロローグ 2

誤字・脱字、分かりにくい点があればすみません。

(どうして俺と会話出来ているんだ?

一切口にしてないのに考えていることがバレるのだとしたら、プライバシーも何も無くなってしまうだろ)


「私、一応神なので全部聞こえてるんですが――」


(いや、待てよ。これってつまり一言も喋らないで人とコミュニケーションを取れるということだよな)


(喋ると焦って噛んじゃったり、話が変な方向に行ったり来たりして相手を困らせてしまうが、これなら普通に会話出来る!)


「だから、それも聞こえてるんですが」


(あ、でもさっきまでこいつでヤラシイこと考えてたのもバレバレってことだよな。凄く気まずいな。考えないようにと思っても、ついつい頭がそっちの方向に――)


「さっきまでそんなこと考えてませんでしたよね!? 」


(まぁ、いい。話が出来るということで早速だが聞きたいことがある)


「はぁ、急ですね。まぁ時間も少ないですしお話ししましょうか。何ですか? 」


(時間? 何の話だ? )


「あ、説明してませんでしたね。ここの空間に神以外のものは15分までしか存在出来ないんですよ」


(15分超えたらどうなるんだ?)


「消滅します。本当なら地獄か天国かに行けるはずの魂でも、なんでも」



(そうか……ってオイ、俺が心の中で話しかけろって言わなかったらどうしてたんだよ! 俺消滅してたよね!?)


「安心して下さい。ちゃんとまだ存在してるじゃないですか」


(そういうことじゃねぇだろ! まぁ、それより残り何分俺はここに居れる?)


「5分くらいですかね」


(わかった。なら手短に済ませよう。まず、俺はどうなった? )


「死にましたね」


(だからその理由が聞きたいんだよ! 時間無いから巻きで頼む)


「スポーツカー3台に轢かれてペラペラになりました」


(そうか。ってソレどういう状況!? まぁ置いといて、それで俺はこれからどうなるんだ?)


「本来なら地獄か天国の二つから行きたい方選んでもらいます」


(地獄行きたい人とかいるのか? それと本来ならってどういう意味だ?)


「質問が多いですね。そういうところもアリですが」


(何の話だ?)


「コホン、置いといて。人間の場合、原則同族を殺したものは地獄に行きます。それ以外のものには選ぶ権利があるのですが、中には痛みが好きな人とか人が少なくて静かなので逆に良いかもって人が行きますね」


(なるほど。変わった奴が行くってことだな。

それで本来ならってどういうことだ? )


「佐藤さんはこちらの不手際と言いますか、私の不手際で誤って死んでしまったので生き返ることが出来ます」


(マジか!? あ、でも元の世界に戻りたくはないかな)


「そうだろうと思いました。そこで私の管轄内の異世界があるのですが、佐藤さんにはそちらに行ってもらいたいのですが、どうでしょうか?」


(それは良いな。じゃあそこに行かせてくれ)


「わかりました。他に質問はありませんか?」


(あ、そうだ。このバッグとかって異世界に持って行けるのか?)


俺は学校規定のバッグとは別に持っていた大きいリュックサックを見せた。中には缶詰や工具などが入っている。


「はい、持っていけますよ」


(それは良かった。これさえあれば無人島でも1ヶ月は生きれるからな)


(ボッチだったから忘れ物とかしても誰にも貸してもらえないし、それに不幸だったからよく嫌な目にあってて、準備は万全にしてたんだ)


「不幸……ですか?」


(ああ、酷いものだったよ。まぁ、でも新しい地でやり直せるんだ。もう良いさ。)


(そういえば、異世界に行く時俺って赤ちゃんからやり直すのか?)



「いえ、今の佐藤さんの年齢のまま行けますよ」


(良いのか!? つまりこの17歳という身体的にも知能的にもちょうどいい時から人生を始めれるのか。異世界転生最高だな!)


「それはなによりです。佐藤さんが喜んでくれて嬉しいです」


(なぁ、佐藤さんって止めろよな。女神なんだしもっと上からでも良いんだぜ。翠って呼んでくれ)


(そういえばあんたの名前聞いてなかったな。なんて言うんだ?)


「私の名前はフェーラです。翠さん」


顔真っ赤にして俺の名前を呼ぶフェーラ。その様子を見てるとこっちまで恥ずかしくなって、こそばゆい時間が流れる。


(お、おう。フェーラか、可愛い名前だな)


「あ、ありがとうございます。あと少しで時間ですので異世界に飛ばします。近くに来てください」


一々顔を赤らめるフェーラの前に俺は移動した。目の前に立った時もかなり顔を紅潮とさせていたが、一瞬深呼吸をして落ち着いたのか真面目な顔になって、俺の額に手を当て白い光を放ち始めた。


「では行きますよ」


準備終えたのかフェーラが転生の合図をかけてきた。だがその前に――


(フェーラ)


「何ですか?」


「あ、ありが……と、う」


「はい」


感謝の言葉をちゃんと口に出せた俺は自分に驚き、フェーラも嬉しそうに頬を染めていた。


そしてフェーラの手から出た光が全身を白く包む。身体が徐々に軽くなり、まるで浮いている気分だ。というか実際浮いていた。その後一瞬目の前が暗くなって、気づいたらそこはどこかの森だった。


(せめて街に飛ばして欲しかったな)


などとバチ当たりなこと思いながら、俺の異世界生活が始まろうとしていた。

読んでくれてありがとうございます

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