プロローグ
不定期に投稿します。
よろしくお願いします。
俺は佐藤翠。
成績優秀、スポーツ抜群、顔もそこそこ良い。かなりのハイスペックだ。なのに……どうして俺はボッチなんだ!?
おかしいだろ。世界不条理すぎだろ。
俺だけ人生ハードモードかよ。
木の下を歩けば木の実やどんぐりが山のように落ちてきて、雨が止んだ道を歩けば車に水溜りの水をかけられる。夜道は俺の歩く道だけ車通りが多くて危ないし、風が吹けば前を歩く女子のスカートが捲れ痴漢だと通報されそうになる。
――いつしか俺の周りにいれば不幸が移るって誰も近づかなくなったんだっけ。
「……!」
今日の道には大量のバラが捨てられてあった。こんな悪質な嫌がらせするの誰だよ。普通に通報モンだろ、これ。てか植物は大切にしろよな。酸素つくってくれるんだから。
*
――などと考えていた俺だがとうとう死んでしまったらしい。
登校時に死んだのか制服に普段持ち歩いているバッグが二つという格好だ。
(お菓子とかって死後の世界にも持ってこれるんだな。気づけばお金の入った袋もあったし。これ、見たことあるな。確か棺桶に入れてるのを……まぁいいや。ありがたいな)
(それにしても、ここはどうなってるんだろうか?)
何もない真っ白な空間だ。目の前には見知らぬ女が立っている。多分神様かなんかだろうが、こっちが話しかけるまで喋らないつもりらしい。ゲームのNPCか。
しかし、俺も知らない奴と喋るつもりはない。否、喋れる自信がない。というか誰とも喋りたくない。
(これは持久戦だな)
なんて思ってたがすることもないし、見るものもないので何となく神様に目を向けると、視線がぶつかった。
視線を外すと何となく意識してるみたいに見られそうで嫌だから外さないし、何故か向こうも目を逸らさない。カップル同士なら情熱的で甘い雰囲気が漂いそうなところだが、いかんせん知らない人同士だと、ただただ気まずいだけだ。
(というかなんで見てるんだろうか? 怖くなってきたのだが、見てるんだったら話しかけろよ)
「え、いいんですか?」
(いいに決まってんだろ。そっちが話しかけるまでこの気まずい時間は終わらないんだから――)
(アレ?)
読んで頂き誠にありがとうございます