第9話 もうどうでもいい
今回は鶴美が可笑しくなってます。可笑しくなった鶴美視点なので、文章も可笑しくなってます。
トテトテと帰ります。
本当に足が重たいです。このまま私はどうすればよいのでしょうか?
「いた!」
私が今後の人生について悩んでいると、後ろから大きな大きな声が聞こえました。
リンカさんです。
「どういうこと…なんで!?なんでセナと…!?」
髪の毛を乱れさせ、涙を流し、憎しみというのがこれ以上なく出ております。
人間、こうなってしまっては終わりですね。折角の美人が台無しとなっております。
「何とか言いなさいよブス!!」
わお、ブスと言われました。
アレだけ可愛いとか守りたいとか言ってた癖にです。まぁ、リンカさんに比べられれば確かにブスかもしれません。
「リアンの恋人って出てきたじゃない!ずっとバカにしてたの!?」
う~ん。でも、コレは私が悪いみたいですね。
いつもならば、私を弱者だと思ってくれている『周り』が助けてくれるのですが、ここには私たち以外いないので助けてくれないでしょう。
仕方がない。まずは『ごめんね~』と涙目になっていおう。後は適当にしよう。どうせ何言ったって、
誰も聞いてくれないのだから。
っせーの!
「死ね」
…………アレ?
「……っな……」
「何度も何度も言ったよね?鶴美の性格は悪いって!私は超可愛いんだって!!ぶっちゃけ男にモテるタイプの可愛さなの!!」
最悪です。
本当に最悪としかいいようがございません。これはただの八つ当たりです。
私の口から黒くて毒々しいものが溢れ出ているかのようでした。直ぐに止めたいのに…止まってくれません。
「確かに私はバカだ!ブスだ!」
自分ヲ自分デ否定デス。
「だけど!…だけど何も感じてないって訳じゃない!バカなりに!性格悪いなりに!ブスなりに!可愛いなりに!私は傷ついてるし、生きようとしてるの!!罪悪感だってあるもん!!」
「何を…言ってるの?」
リンカさんは突然の変化の私にポカーンとしております。そりゃそうです。私もポカーンですもん。
不思議ですね。頭はこんなにも冷静なのに……感情が全然なんです。
その勢いのまま、私はスマホを取り出しました。
「何する気?」
「全部終わらせてやるのよ」
そういって、私はスマホを操作してセナさんに繋げました。
『鶴美?おま』
「おいヘタレェ!!」
私は口から汚いものを出した。
セナさんからしたら大迷惑でしょう。もう、なんでしょうね、この痛々しい女。
「お前に付きまとわれるこっちの身になれよ!たかだか寝ただけだろうが!女々しいんだよ!よく考えてみろよ、鶴美はただのバカだぞ!?こんなもんに執着してる暇があんなら目の前のスーパーすごい女を選べや!!目ん玉腐ってんのか!?」
『鶴美!?おい、どうし…!』
ッピ…
そのまま私はスマホをドブに捨てました。
「貴女…可笑しくなったの?」
リンカさんは顔を真っ青にしてそういいました。
「元から可笑しいよ…ずっとずっと前から…『私は可笑しい』って何度もいったもん~」
でも、聞いちゃあくれないのです
ただの痛い子だと、自意識な女の子だと、そう決めつけられて、ばっかでした。
でも、それも本当だったのかもしれません。
でも、もうどうでもいいです。
もう、なにもかも終わったのですから。
「じゃあねぇ~」
私はニコニコと笑って手をふりました。
次で最終です。
因みに、キレるシーンはとある物語の女の子を参考にしました。