表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

4.町に着いて

 日が傾いてきた頃。道中、シオンがヤバくなったこと以外は特に何もなく町についた。

 町の名前はアンジェリスという。

 商業の町だとかなんかシオンの父親が言っていたが、

「すごいね」

「そうですね! ミソラさん!」

 何がすごいって、人の量がすごい。人口密度がすごい。

 ちょっと高い所から見たら、ざわざわとうごく人の頭がたくさんあって目が回る位すごい。

『わけがわからんぞ』

 もう、神さんはうるさいな。


 シオンに手を引かれて歩き、やがて、一軒の建物の前に着いた。彼らはそこで商売を始めるらしい。

 建物の中は、まあ、何もなかった。当たり前か。

 そういえば、お店を始めるって、

「何のお店なんですか?」

「装飾品屋です。指輪とかネックレスとかを売るんです」

 こういうのです、とシオンの父親は指輪を一つ見せてくれた。

 銀色のリングに小さい青い石がついている。それは、シンプルで綺麗であったが、目の錯覚だろうか。指輪は薄く、黒っぽい霧の様な物を纏っている様に見えた。

「教会で祝福された素材で出来ているんですよ」

『教会じゃと?』

「教会?」

 それって、シューキョー的なやつ?

『きっと、ワシの教えとは違う教えを広めたのはその教会じゃな。この指輪が魔の力を纏っているのが美空、わかるか?』

 魔の力って、この黒い霧のこと?

『そうじゃ』

 それがあるとどうなるの? 危険なの?

『魔法と言われる力を使えるようになるぞい』

 それは、ファンタジーですね。すごいなあ。

『良いものではないぞい。確かに魔法を使えれば生活を楽にすることは出来るかもしれんが、魔法を使い続けるとな』

 使い続けると?

『身も心も魔物へと変化してしまうのじゃよ。魔の力に常に晒されているだけでもな。あの熊の様に、ただ破壊するだけの存在になってしまうのじゃ』

「え、魔物に……」

 それって、この店で売る予定のあの指輪とかを身に付けていたら、

『買っていった者は魔物になってしまうな』

 ええっ! それって、超ヤバいじゃん! なんでそんな物売ってんの?

「ミソラさん? 魔物ですか? ああ、そういえばあの時の。あなたへの……お礼を何か考えなくてはいけませんね」

 ちらり、とシオンを見て言った。

 ああ……ですよね。娘をヤバくしちゃったかも知れないやつにお礼なんて、したくないですよね。

「……お礼は別に、いいですよ」

「……ですが」

 ちらり、とシオンを見る。

「? どうかしました?」

 シオンは何もわかっていない笑みをかえす。

「あれは、もしかすると私のせいかも知れないんで、お礼は」

「……しかし、こちらは命を助けてもらっているので」

 そのあとも、父親と私のお礼をするいらない、は続き、妥協案として、彼達が私に命を救ってくれたことに対するお礼を、私がシオンをヤバい人にしてしまったことに対するお詫びをする、ということで落ち着いた。

 シオンが口を開いた。

「ミソラさん! ここに泊まっていきますよね?」

 え? そういえば、泊まるとかそういう事は全く考えてなかった。

「う、うん? いいの?」

「いいですよ。私達親子の命の恩人なんですから」

 シオンの父親もそう言った。

「あ、ありがとう、ございます」

「いいですって。二階にある部屋を使って下さい」

「は、はい」

「ミソラさん、こっちです。ついてきて下さい」

 シオンに連れられ、階段を上がって、部屋に入った。

「何か用があったら呼んで下さいね」

 シオンはそう言って一階に降りていった。

 部屋には窓があり、外が見えた。

 外は大分真っ暗になっていたが、部屋の中は明るかった。天井には電球の様なものがついていたが、黒っぽい霧のような物を纏っていた。魔の力関係だろうな。

 部屋にベッドがあったので、その上に寝転がった。

 はあー。この一日でなんか色んな事があった。

 神とか魔物とかいるし、魔法が在るらしいし。

 なんか、とても疲れたな。

 布団が温まって、まぶたが重くなってきた。

 この、寝るときのぼやーっとした幸せな感じは、どこでも一緒なんだなぁ……。

 …………。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ