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2日目

夕暮れ時。

到着したギルドからの応援と共に、俺は二つ頭のクマの片付けを進めていた。クマはなかなかの大物で、大人4人がかりでようやくその巨体を運び出す。牙や爪・皮はアイテムとして売れるため、状態確認も兼ねて討伐者である俺も運搬をサポートする。

村に迷い込んだ原因や経路の調査もしたいところではあったが、完全に日が落ちてしまい翌日に持ち越すこととなった。すでに当初の依頼の範疇ではないが、俺自身気になったこともあって調査に協力することにした。

よって、今夜は村に泊まることが決まった。ありがたいことに、村長は無償で部屋を貸してくれた。村娘を助けたお礼らしい。


軽く汗を流し、武器の手入れを終えてようやく布団に入った俺は、今日出会ったばかりの冒険者からのパーティ勧誘を思い出す。率直に言えば嬉しいし、願ってもない好条件だ。俺自身の勉強にもなるだろうし、年齢や実力を考えてこれ以上の誘いはないことはわかっている。断る理由はないはずだった。

しかし、俺は咄嗟に誘いに乗ることができなかった。

怪しい、と直感的に疑ってしまった。こんな腕前のいいソロ冒険者が、5年以上活動しておいて今更パーティを組もうとするのは不自然に思えた。格下を誘うこともなかなか無いし、職業も同じ。俺と組むメリットが思い当たらなかった。

詳しい事情はまだ聞いていない。

明日調査が終わってから、改めて話を聞くことにして、俺は眠りについた。


翌朝、目覚めた俺は手早く身支度を済ませ広場へ向かった。すでにギルド職員が作業を開始していたので、軽く挨拶をして合流する。前日残していた調査と被害確認・値段交渉・魔物の再襲撃に備えた防護柵の設置など、後処理をこなしていく。全て片付いたのは昼も過ぎた頃だった。クマを荷台に積み帰っていくギルド職員を見送ったところで、ようやく宿に戻る。


宿屋の主人に聞けば、もとより部屋をとっていたあの冒険者は昨日から部屋で休んでいるとのことだった。部屋の前に来て、俺は聞きたいことを頭の中で再確認する。深呼吸をして、ノックをしようとした。


「どうぞ」


一流の冒険者には俺の気配だけで十分だったようだ。

失礼して、そっとドアを開ける。

窓側に置かれたベッドに腰掛ける冒険者が目に入った。負傷の具合を尋ねつつ、魔物の後処理について簡単に報告する。報酬を分けようと申し出たが、興味がないようで早々に断られてしまった。


「それで、昨日の返事はどうだ。」


冒険者の問いかけには返答せず、逆に質問をなげかける。なぜ誘った、目的は何か、メリットは、などなど考えてきたもの全て。冒険者は嫌な顔ひとつせずに真っ直ぐ答えてくれた。


「アンタの立ち回りや戦い方には俺にないものがあった。それを得るにはアンタとパーティを組むのが手っ取り早いと思ったのさ。どうもソロになって日が浅いようだし、誘うなら早いうちがいいと思ってな。」


嘘は言っていないようだった。

1人で大型魔獣を抑えられる戦闘力、正直な性格、他者への配慮、周囲を見る力。どれをとってもそうない逸材であることはハッキリしている。

あとは俺の気持ち次第。

いや、ここに来たということは腹は決まっていたということだろう。


「、、、よろしく頼む」

「ああ、よろしくな」


こうして俺はリストラ翌日に、新パーティを組むことになった。

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