第二十五話 静かな決戦
夜明け前、都市の中心は緊張で震えていた。
聖堂は全力で介入を開始し、都市全体の秩序を押し付けようとする。
黒衣たちが結界を展開し、魔力を封じ、街路を封鎖する。
監視ではなく、直接的な力の行使――これが最終決戦の始まりだ。
私はミリアの手を握る。
「落ち着いて。変えられる」
小さく頷く彼女の光が、さらに強く安定する。
手をかざすと、都市全体の魔力循環、結界、信仰、生活――すべてが視える。
複雑で巨大な構造も、私たちの“変える力”には従う。
黒衣たちは成立条件を変えようとするが、攻撃は無効化される。
直接戦わず、状況を変える――これが私たちの静かな決戦。
ミリアは意思を持って光を放ち、私は微細な循環を整える。
都市全体の歪みが徐々に縮小していく。
住民は混乱するが、安全は守られる。
聖堂の圧力は極限に達するが、成立条件を変えられず、力は無力化される。
私は都市全体を見渡し、最後の手を加える。
歪みが消え、秩序が変化する――戦わず、壊さず、ただ変える。
光が都市を包み、ミリアは小さく息をつく。
「やった…できた…」
「うん、変えられた」
静かな決戦の終わり。
都市は守られ、歪みは消えた。
戦わず、叫ばず、ただ変える――それが私たちのやり方だ.




