第二十四話 最終局面の兆し
空が暗く染まる都市の中心。
魔力循環の歪みは過去最大規模に達し、住民たちの生活が危険に晒されていた。
聖堂はついに直接行動に出る。
黒衣たちが結界を展開し、都市全体を制圧しようとする。
監視ではなく、圧力と力による介入だ。
ミリアが私の手を握る。
「……怖い」
「大丈夫。変えられる」
手をかざすと、街全体の魔力の流れが視える。
信仰、経済、住民の生活、結界――絡まり合う巨大な構造。
複雑すぎるが、変える対象は明確だ。
ミリアは昨日よりさらに安定した光を放つ。
意思を持って魔力を循環させ、歪みを補正する。
私は補助に徹し、微細な流れを整える。
黒衣たちは直接攻撃を試みるが、成立条件を変えられず、魔力は無効化される。
攻撃ではなく、状況そのものを変える――静かな無双。
住民は混乱しても安全。
都市の秩序は完全ではないが、生活は守られる。
ミリアが小さく息をつき、私を見上げる。
「変えられた…」
「うん、できた」
都市全体を変える経験で、ミリアは成長を自覚する。
戦わず、叫ばず、ただ変える――
それが、私たちのやり方だ。
夜明け前、都市は静けさを取り戻す。
だが聖堂の圧力は去ったわけではない。
最終局面の兆しは確実に近づいていた。
私たちは次の歪みへ、歩き続ける.




