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第二十一話 都市の歪み

 広大な都市に入った瞬間、空気が重く感じられた。


 魔力循環の歪みは町の規模を超え、信仰組織や貴族の影響も絡んで複雑に絡み合う。

 住民の生活、結界、経済、魔力の流れ――すべてが微妙なバランスで崩れかけている。


 ミリアが私の手を握る。

「私、できるかな…?」


「大丈夫。変えられる」


 手をかざす。

 街全体の魔力の流れが視える。

 矛盾、干渉、無駄なループ――巨大で複雑な構造も、私の中では“変える対象”だ。


 聖堂は都市規模の介入を開始し、監視と圧力を強化する。

 屋根、塔、街路、各所に観測と抑制の結界。

 だが、攻撃ではなく、状況を変えることに集中すれば無力化できる。


 ミリアが小さく息をつき、光を放つ。

 自分の意思で魔力を循環させ、都市の歪みを補正する。

 昨日までの少女ではなく、成長した力が核心に触れる。


 私は補助に徹し、微細な流れを整える。

 人々は混乱するが、誰も傷つかない。

 都市は変化を受け入れる――秩序は崩れたまま、だが安全は確保された。


 ミリアが私を見上げ、小さく微笑む。

「変えられた…」

「うん、できた」


 都市規模の歪みを変えることで、彼女は初めて自分の力と責任を理解した。

 世界を変えるとは、戦うことではなく、壊れたものを変えること――

 それが、私たちのやり方だ.

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