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第二十話 秩序の最終手
夜の町は静かだったが、空気は緊張で震えていた。
聖堂はついに最終手段に踏み切った。
結界の強化、魔力監視の全域展開、住民の行動制限――
力による秩序の押し付けだ。
ミリアが私の手を握る。
「……怖い」
「大丈夫、変えられる」
私は手をかざす。
街全体の魔力循環、結界、生活の歪み――巨大で複雑だが、変えられる。
攻撃ではなく、状況そのものを変える。
静かな無双。
聖堂の最終手段は成立条件を変えられず、力は無効化される。
住民は混乱しても安全。
ミリアは昨日よりもさらに安定した光を放ち、力を循環させる。
私たちは決断する。
直接戦わず、戦わずに町を守る。
秩序に従うのではなく、壊れたものを変える。
それだけで十分だ。
夜明け前、町は少しずつ安全を取り戻す。
秩序は完全ではない。
だが、世界の歪みは縮小した。
私たちは歩き続ける――次の町、次の歪みへ.




