第十九話 反撃の影
町は静かになったかに見えた。
だが、背後では聖堂が動き始めていた。
監視の目は増え、圧力は強まる。
屋敷や高所からの監視、街路の結界の再配置――すべては主人公とミリアの行動を制限するため。
反撃だ。力ではなく、管理と秩序による圧迫。
ミリアが私の手を握る。
「……どうするの?」
「変えるだけ」
手をかざすと、魔力の流れが見える。
街全体の歪み、結界、信仰の介入、人々の生活――絡まり合う構造。
前回より複雑で危険。
だが、静かに変えることが可能だ。
聖堂は行動を制限しようと魔力を展開するが、成立条件を変えられ、直接攻撃は無効化される。
攻撃ではなく、制御で返す――静かな無双。
ミリアは昨日よりも強く光を放つ。
自分の意思で魔力を循環させ、町の歪みを補正する。
私が補助し、微細な流れを調整する。
住民は混乱の中にいるが、誰も傷つかない。
聖堂の圧力は増すが、状況そのものを変える力はまだ私たちにある。
夕暮れ、町の秩序は守られたわけではない。
だが、歪みは縮小し、安全が確保された。
次の手を探る聖堂に対し、私たちは歩き続ける――変えるために、守るために.




