第十七話 覚醒の兆し
町外れの空き地で、ミリアの手から光があふれた。
昨日よりも強く、より安定した魔力。
微細な循環の調整も、彼女自身が意識して行えるようになっている。
これが能力覚醒の兆し――しかし、危険も同時に伴う。
私が横に立ち、手を添える。
「焦らなくていい。君の力は、まだ変化する」
ミリアは深呼吸を繰り返す。
光は揺れ、微かに街の魔力に干渉し始める。
人々は気づかない。
だが、世界は少しずつ変わる。
背後で気配。
屋根や高所から、聖堂追跡者の数が増えている。
今度は本格的に介入する兆し。
ただ観測するだけでは済まない。
一人の黒衣が声をかける。
「能力の乱用は許されない。秩序に従え」
私は答える。
「放置する方が秩序に反する」
手を止めずに魔力循環を変え、光を安定させる。
攻撃ではなく、状況そのものを変える。
成立条件を変え、圧力を無効化する――静かな無双。
ミリアは目を輝かせ、光の制御に成功する。
成長は確実だ。
聖堂は直接攻撃できず、次の手を模索するしかない。
夕暮れ、町は変化を受け入れたかのように静かになる。
世界の歪みは小さくなった。
しかし、強硬な圧力は近づいている。
次の戦いは避けられない――それでも、私は戦わずに変える.




