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その番犬、狂暴につきまして。  作者: 朱音小夏


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episode19

薄暗い部屋の中、一人の青年が壁に向かってぶつぶつと呟いていた。彼の視線の先には一人の青年が写った写真が壁一面に広がっていた。


「ハァ、ハァ...京司君...また会えたね...もしかして僕に会いたくてこの学校に来てくれたのかな...?中学の頃は無理矢理引き裂かれてしまったけれど...まるで僕たちはロミオとジュリエットだね...。でも、もう君と離れる事はしないよ...」


そう言いながら彼、"湊 友樹"は二枚の写真を手に取り口付けをする。そこに写るのは中学の頃と今現在の高校の制服に身を包む京司の姿であった。


「昔は愛らしくて仕方なかったけれど、君はどんどんキレイになっていくね...。今じゃ大人の色気まで...ダメだよ京司君...僕以外にそんな姿を晒しちゃ...。それにしても、五十嵐 叶弥...未だに僕の京司君の傍にいるとは...憎らしい...!!」


彼はそう言うと、写真に写る叶弥の顔に画鋲を突き刺した。


「あぁ...早く君をこの部屋に囲ってしまいたいよ...この部屋は僕と君の為に作らせた愛の巣だよ?君も僕に攫ってほしいんだろう...?」


彼はねっとりとした視線を壁一面の京司に向けた。


「待っててね...僕のジュリエット...」





本当は叶弥を自室へ戻すべきなのだろうけれど、オレはなかなか叶弥に握られた手を振りほどく事が出来ずにいた。


「京?どうした?」

「...叶弥は部屋に戻るのか...?」


オレの言葉に叶弥はしばらく固まっていたが、フッと笑みを零し握っていたオレの手を離して頬へとあてがった。


「京が傍にいろって言うなら、傍にいてやるよ。昔みたいに一緒に寝てやろーか?なーんて...」


叶弥がケラケラと笑いながらふざけて言ったのだろうけど、オレは顔を赤くしながら頬に当てられた叶弥の手に自分の手を重ねた。


「それでいい...それでいいから今日は一人にしなでくれ...」

「...昔みたいにくっついて寝ていいんか?」


叶弥の問いかけに小さく頷いた。


「しゃーねぇな。生殺しだが一緒に寝てやるよ。まだ昼間だし軽く昼寝でもするか。」


叶弥はそう言うとベッドに上がってきて、オレを抱きしめる形で横になった。同じような生活を送っていると言うのにガタイのいい身体が羨ましく思えた。そして筋肉の付かない自分の身体を恨めしく思った。

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