第67回路 生きる意味
通常の会話は「」魔法での会話は〈〉
みんなで声を合わせる時は〈「」〉となっております。
全身白マントで覆っている男がミズキの方に歩いて来た
「トリウィア、こんなところにいたのか。ずいぶん探したぞ」
〈トリウィア?誰と勘違いしているの?
わたしはミズキ、コモオカ ミズキ!〉
「ミズキ、まさかお前がトリウィアだったとはな」
男はマントのフードを剥いだ
〈えっ…デンク?〉
「昔そう呼ばれていたこともあったかもしれんな。
わたしはマーニ、マーニ・カレント。
トリウィア、さぁ行こう!ともに世界に闇を!」
〈今はこんな姿だけど、わたしはトリウィアなんて知らない!〉
「何を言っておるのだ?その姿こそトリウィアの証。過去、現在、未来それぞれの象徴として3つの姿を有しているではないか」
あっちの世界青髪の瑞稀、リスのミズキそして銀髪の…
〈マーニ!あなたの目的は何?〉
「死だよ、トリウィア、死だ。」
〈死?何を言っているの?わたしは生きるのよ!〉
「は?何のために?」
〈何のために?…生きるため…よ〉
「生きるため?ハハッ、遅かれ早かれどうせ最後は死ぬんだぞ?
その時間は無駄だとは思わんのか?生きて何になる?何かを残す?
ふざけるな、そんなものはエゴでしかない。なんてつまらないことに時間という概念を使う。人間として生きている限り、起きる、食べる、排泄する、また食べる、寝る。ただただこの繰り返しではないか?その繰り返しのために人類共通の価値である金を手に入れる。そこに何の意味があるというのだ?巨万の富を得ようがギリギリの生活だろうがそんなことこそどうでもいい。つまらん、虚無だ、人間というのは実に嘆かわしい」
〈そんなことは絶対にない!人は生きて、喜怒哀楽を感じながら成長し、人を愛する〉
「絶対ない?愛?所詮キレイゴトではないか。生きることを正当化し、意味を持たせたいだけ。くだらん。
では、聞くが死ぬのは怖いか?」
〈…怖いわ〉
「なぜ怖い?自分が自分でなくなるからか?」
〈自分が自分でなくなるかどうかまではわからないけど、大切な人に会えなくなる、触れられなくなるのがこの上なく切ない〉
ミズキは何の感情か涙が止まらない
たぶん自分が好意を寄せている相手と全く同じ容姿の、声の持ち主が絶対に言わなそうなことを次々と口にするからかもしれない
「呆れた。全部自分が自分がそれがエゴなのだよ。
自分が大切な人の死に直面した時にもう一度会いたい、話したいと涙する。その時はその人に会えなくなるだけで自分は何も変わらない。しかし、自分が逆の立場ならどうだ?自分は周りの人全部に別れを告げなければならない、自分以外は何も変わらないのに、自分だけがだ。それが嫌なだけ、それを受け入れられないだけ。
だから怖いのだ。
全ての人類から無駄な時間を無くしてあげるのだ。当然自分も含めて。そうすれば平等だ。大好きであろう?平等という言葉が。平等なんてどこにもないのに。人間は量産されたロボットか何かか?
押し付けの理想、キレイゴト、無駄な時間全てリセットだ、全ての生物にリセットを実現するのだ」
〈それこそアンタの理想を押し付けてるだけじゃない!〉
「教えても伝えてもわかるまい、所詮浅はかな人間などに。
わたしはこっちの世界で全ての欲を満たし満たされた。
その先に何があったと思う?」
〈そんなのわかるわけないわ!〉
「わたしはわたし、ただそれだけだ。この借り物の肉体、次第に経年劣化していくこの体も、地位も、名誉も、金も全て夢だ。意識体、魂としての自分があるだけなのだ。魂というものだけがあれば
よい、他は何も要らぬのだ」
〈いいえ、違うわ!生きて成長し、それぞれ残していく。それはその後の人々の役に立つものかもしれないし、そうではいかもしれない…。でも、それはその人が創った行きた証、生きる意味よ〉
「そうか、知識の女神トリウィア、知識だけでは何もわからぬのだな。
人と人とで意見が食い違った場合どうなる?紛争だ。
貴様らとの戦いの勝敗によって決めようではないか。
これをくれてやる」
カケラが1つ投げ出された。
「それでマーニの記憶が全て揃うであろう。
それによってトリウィア、貴様が解放される
月の神は2人も要らぬ。どちらかがここに残り今後の人類の未来を指し示すであろう」
マーニは1枚の地図を投げ捨てた
「わたしはいつでもよい。好きな時にくるが良い
ただあまりに時間がかかりすぎる場合はこちらから行く、良いな?」
シュイーン
マーニはカケラと1枚の地図を残して消えた
R7.8.20 加筆




