第4話 糞ゲー攻略
ゴールデンスライムを倒し続け、俺たちは大量の金属を手に入れていた。リリアは驚きと興奮が混じった表情で俺を見つめ、手を叩いて喜んでいる。
「レオン様、すごいです!まさか本当にゴールデンスライムを狩る方法を知っていらっしゃるなんて!これは奇跡です!まるで神に選ばれた英雄のようです!」
「いや、まあ……知識があったからな」
「知識だけではなく、実行できる行動力も素晴らしいです!レオン様がいれば、この領地はきっと救われます!」
リリアの称賛に少し照れながらも、俺はゴールデンスライムを狩り続けた。そして、ある程度倒したところで、十分なアイテムが手に入ったと判断した。
「よし、これだけあれば十分だろう」
手元には山のような魔石と貴重な金属の塊がある。
だが、改めて考えてみれば、この世界のゲームバランスは異常だった。
本来、この世界にはまともな金策手段がほぼ存在しない。モンスターのドロップ品は安価な素材ばかりで、冒険者ギルドの依頼も低報酬。地道に戦うだけでは、まともに生計すら立てられないようなクソ仕様だ。
さらに、ゴールデンスライムの出現率は正規の方法では 0.0001% 。通常のプレイヤーなら一生お目にかかれないような超低確率だ。
レベル上げの仕様も酷い。同レベル帯の通常モンスターを 1000体以上 狩らないと レベル5 にも到達しない。そもそも狩るのに時間がかかる上、1体倒しても微々たる経験値しか入らないという、やる気を削ぐ仕様。こんな設定、どこに需要があるんだ?
しかし俺は、裏技ともいえる方法でこのクソ仕様を突破した。
ゲームで言えば、レベル5程度には上がっただろうか。そんなことを考えた瞬間──
突然、目の前に光が瞬き、耳元で軽快なファンファーレが鳴り響いた。
「な、なんだ!?」
驚いて目をこすると、視界の端に見慣れたステータス画面が浮かんでいる。これは……ゲームのUI? 俺にしか見えないのか、リリアは何も気づいていないようだ。
「レオン様?どうかしましたか?」
「あ、いや、ちょっと待ってくれ……」
俺は慎重に目の前のステータス画面を確認した。
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【レオン・フォン・アーデルハイト】
Lv.5
HP:150/150
MP:70/70
スキル:『ドロップ率上昇』『鑑定』『アイテムストレージ』
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「スキルまであるのかよ……!」
驚愕しつつ、俺はスキルの詳細を確認する。
『ドロップ率上昇』……敵がレアアイテムを落とす確率が上昇する。
『鑑定』……アイテムや魔法の詳細情報を知ることができる。
『アイテムストレージ』……持ち物を異空間に収納できる。
まさかの成長要素付き。そして、この『アイテムストレージ』……。
「もしや……!」
俺は手元のゴールデンスライムの魔石を掴み、意識を集中させた。次の瞬間、魔石がスッと手元から消え、ステータス画面の『アイテムストレージ』に表示される。
「すげえ……これなら、いくらでも持ち帰れる!」
「レオン様、今……魔石が消えました!? えっ、どこに!? まさか、空間魔法……!?」
リリアが信じられないものを見るような目で俺を見ている。そりゃそうだろう。俺も未だに現実感が追いついていない。
「……どうやら、俺は最強になれるかもしれない」
俺は握り拳を作り、確信した。ゲーム知識を活かし、俺はどこまでも強くなれる。領地も、自分の運命も、変えてやる。
俺は満足げに笑いながら、リリアとともにダンジョンを後にした。
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