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凡人高校生、バケツヘルムでダンジョンへ  作者: たろっぺ
最終章 新たなる神代で
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第百四十五話 狂人どもの進軍

念のため注意事項を書かせて頂きます。


※変態が出てきますので、ご注意を。


第百四十五話 狂人どもの進軍



サイド なし



 開幕の号砲となったのは、自衛隊の戦車砲だった。


 迫るエインヘルヤルの集団目がけて放たれた魔力の付与された砲弾。音速を軽く超えた鉄塊は、たとえ上位の覚醒者でも直撃すれば即死を免れない。


 だが、それは直撃すればの話。


『…………』


 エインヘルヤル達の一部が何かを唱えたかと思えば、砲弾を斜めに受ける様に障壁が展開される。


 耳を塞ぎたくなる様な異音を発して受け流される砲弾。続けて放たれた機銃も全て弾かれた。


 完璧に現代兵器を防ぎ切ったエインヘルヤル達はお返しとばかりに攻撃を開始。ある者は杖を掲げ呪文を唱え、ある者は弓から音速の矢を放っていく。


 火球、矢の雨、かまいたち。その全てが戦車砲とまではいかずとも近い威力を宿している事が、その場にいた覚醒者には直感的にわかった。


 あの集中砲火を浴びれば戦車も装甲車も一溜りもないと。


「させぬよ」


 その殺意の嵐を前に、有川総理が人差し指と中指に挟んだ札を掲げた。


 矢も槍も魔法も、半数ほどが虚空に現れた影に受け止められる。運動エネルギーを失ったかの様にその勢いを急速に減衰させボロボロの地面に落ちていくのだ。


 有川総理が持つ異能は三つ。その一つである結界術を応用し、即席ながら防壁を展開したのである。


 そして残り半分も前衛を張る覚醒者達によって撃墜され、互いの第一射は防がれた。


 なおも砲撃と魔法を撃ち合いながら双方が接近。そして、数分もしないうちに激突する。


 それまでの小走り程度の速度から、一息にレーシングカーなみの俊足に。両陣営共に真っ当な生物では出せないスピードでぶつかり合った。


『───ッ!!』


「おおおおおお!!」


 覚醒者達とエインヘルヤル達の武器が打ち合わされる。剣が、槍が、斧が、槌が。中世かそれよりも前の光景を彷彿とさせる戦場を、金剛隊による援護射撃が彩っている。


 そうしてぶつかり合った結果は──人類側の優勢だった。


「La───……」


 少女の歌声が戦場をつつんでいる。集団の一番先頭で、上空で歌い続けているのだ。


 郡凛。彼女の固有異能、『詩神の舌』の能力。舌に刻まれた黄金のルーン文字が放つ魔力は、他者を思い通りにするというもの。


 彼女が感情を乗せて言ったのであれば、相手は何でもしてしまう。レジストされなければ、文字通り何でも。


 そう、それこそ、『強くなって』と言えばその者は強くなる。効果は凛の精神状態と魔力に左右されるものの、今はその点を留意する必要などない。



 何故なら、彼女は現在『神代回帰』以降最も気分よく歌っているのだから。



 それまでの悩みなど馬鹿らしいとばかりに、ただ思うままに彼女は歌う。それだけで、質の差は覆された。


「お、らぁ!」


『………!?』


 抜刀隊の一人が、エインヘルヤルを得物ごと叩き切る。その斜め前では緒方勇祢が二体纏めて首を貫いていた。


 この場においてのみ、凛の歌で千人の戦士たちは全員その膂力と魔力をワンランク分上昇させている。質で同等以上となった結果、金剛隊の銃撃と砲撃がある分人間側が有利となったのだ。


 自衛隊、警察の部隊は統制のとれた動きで次々とエインヘルヤルを討ち取っていく。腕に自信のある者は単独で複数の敵を相手取り、そうでない者は数人がかりで足止め。そこに魔力を帯び霊体でも容赦なく抉り貫く弾丸が飛んでいく。


 では冒険者達はどうか。彼らは、言い方を選ばぬなら『寄せ集めの烏合の衆』。連携もなにもあったものではない。最大でも六人程度の集団で各々戦っている。


 自衛隊の射線に入らない様に左右へ分かれて戦う彼らもまた、エインヘルヤルを押していた。


 ここに集ったのは覚醒者大国日本の中でも選りすぐりの精鋭たち。元より大半が質で互角だったというのに、歌声により数の差をものともしない無双を繰り広げている。


 その中でも、特筆すべき活躍を見せる者達がいた。


「どきなさい雑兵どもよ!我らが女神の神敵ロキ!出てきなさい!その腐り果てた脳髄を清めてさしあげましょう!!」


 花園加恋が砲撃があった直後に連携や足並みを揃えるという事を完全に忘れ、魔法で空を飛んでいたエインヘルヤル達を蹴散らしながら直進したのだ。


 好き勝手敵を打ち砕いた後、彼女は突出して異界中央の遠目にも目立つ巨大な樹に向かっていった。


「とぉつげきぃいいいいいいいいいい!!」


 更に地上では痴女同然の恰好をした兜の女性、駄騎士が守護精霊と共にユニコーンに跨り駆け回っている。


 一切足を止めることなく得物を振り回し、騎兵の本懐とばかりに縦横無尽に敵陣をかき乱していた。


 いかにエインヘルヤル達が碌な連携をしないとは言え、最低限の統制はある。それが、彼女によって強引に乱れた。否、乱された。


 僅かにでも隊列を組もうとすればすかさずそれを見抜き彼女は攻撃を仕掛ける。それも討ち取る事を目的にしたものではなく、かき回す事を主体とした動きで。


 当然エインヘルヤル達も迎撃に動く。槍はつき出され矢は射かけられ、一秒先の生存も許さぬと駄騎士へと攻撃が集中した。


 彼女の全身を刃が貫く──内側から。


「失礼、おさわりは断らせていただこう」


 突き出た刃が鎧となって敵の攻撃を防ぎ、更に駄騎士はそのうちの一つを引き抜いて片手で放り投げる。それを盾で受け止めたエインヘルヤルが、爆発に巻き込まれた。


 彼女が駆け抜けていった後に転がる柄のない刃物の数々。それらが、追いかけようとしたエインヘルヤルを爆炎で焼いていく。


 状況は完全な乱戦。中央で戦う自衛隊と警察の混成部隊以外は、個々の力でもって眼前の敵と打ち合った。



*   *   *



サイド 熊井 信夫



 自分達に迫る、白い靄を人型に固めた様なモンスター達。


 エインヘルヤル。かつての英雄たちがラグナロクに備えてヴァルハラに召し上げられた……とかなんとか。京太朗はそういうのに詳しいが、俺はどうにもこういった事が覚えられない。きっと、興味が薄いのだろう。


 冒険者として必須の知識だろうが、俺にとっては人型の存在というのが重要だった。


 例えば、正面にいる槍を持ったエインヘルヤル。色合いのせいでわかりづらいが、革鎧と毛皮だけの防具にシンプルな槍一本。あまりにも素朴な格好だが、感じるプレッシャーは『ドラウグル』の比ではない。


 一目でわかる。眼前の相手は格上なのだと。足運びも突きの軌道も実戦慣れしたもののそれであり、なおかつ身体能力もかなり高い。


 時折軽く組手をする京太朗の上位互換じみた対人戦闘力。本来なら、俺一人では太刀打ちすらもできない。


 そう、タイマンなら。


「ふぅっ……!」


 音速で突き出された槍を手の甲で押しやる様に受け流す。空飛ぶ馬に乗った謎の人物の歌が影響しているのか、常ならば逸らしきれない重さの槍が簡単に横へ動かせた。


 だが相手の攻撃は止まらない。横に流された次の瞬間には引き絞り、二撃目の体勢に入っている。恐ろしい速度だ。自分の腕はまだ受け流した時のままだと言うのに。


 繰り出される二撃目。今度は捌き切れない。あまりにも正確な刺突は俺の首を容易く貫くだろう。


 しかし、そうならないという確信があった。


「あ゛あ゛っ!!」


 槍が繰り出される直前、エインヘルヤルの足に一人の女性が組み付いた。


 自分の位置から見える豊かに育った背筋。世界を背負っていると言われれば信じてしまいそうなそれを持つ女性を、この俺が間違えるはずがない。


「ら、あ゛!!」


 車谷鉄子さん。俺が愛し、恋してしまった女性。


 躍動する筋肉。バランスを崩したエインヘルヤルの無防備な顔面へとすかさず正拳突きを放つ。


 そこへ更に鉄子さんが体を回転させ奴を地面に叩きつけた。魔力を帯びた地面はそれだけで凶器になりうる。白い靄で出来た体だというのに、エインヘルヤルの首があり得ない方向に曲がった。


「大丈夫?信夫くん」


「はい!」


 迫るエインヘルヤル達の筋肉は素晴らしい。だが、彼女のそれはものが違う。


 かつての戦士たちも無論鍛えてはいたのだろう。しかしトレーニング方法もまた人類の歴史が積み重なるにつれ進歩しているのだ。


 現代技術によって磨き上げた筋肉!スポーツ科学こそ、この世界で最も優れた学問であると俺は疑わない。


 追加とばかりに、別のエインヘルヤルが彼女目掛けて剣を振りかぶった。それを阻止せんと、先制して三日月蹴りを放つ。


『………ッ!?』


 霊体とは言え物理的な干渉力を持った弊害か、あるいは戦士として強くあるためか奴らにも痛覚がある。ならば肝臓を穿たれた痛みは耐えられるものではない。


 僅かに怯んだ隙に顎へと正拳突き。続けて体を半回転させて前屈立ちからの二撃目。


 いつもより重い打撃の音が響く。それでなお敵は倒れない。人外となろうとも、一流の戦士であるのだ。


 彼らが死霊術の類で魂を加工された存在なのか、それとも初めから『そういう設定』で生まれたモンスターなのかはわからない。


 しかし、それでもその戦いぶりは駆け出しながら武道を嗜む者として敬意を抱くのに十分だった。


 だが、負けない。負けられない。


「ふん!」


 強引に距離を開けようと振るってきた右の刃。その内側に鉄子さんが跳び込み、肩で相手の腕を受け止める。


 そのまま勢いを殺さずに己の体に巻き込んで、華麗な一本背負いを決めてみせた。


 地面にエインヘルヤルの頭がつく直前、その側頭部に蹴りを叩き込む。足と地面に挟まれた頭蓋が砕ける感触が伝わってきた。


 轟音と共に土煙が舞い、その中を二人揃って走る。


 ああ、ああ。本当は良くないのだろう、気を引き締めるべき時なのだろう。だが、この感情の高ぶりを抑えられない。


 土煙から跳び出した時、隣にいる彼女も自分と同じ顔をしていた。


 内側の獣性を隠しもせず、己の技と筋肉を惜しみなく使える場所。その上相手は凡百とは程遠い強者ども。


 これで高揚しない者がいるものか!


「鉄子さん!」


「信夫くん!」


 互いの背後に出現したエインヘルヤルに拳を、あるいは蹴りを叩き込む。


 一人なら、例え謎の少女が奏でる歌があってもこの戦場に立つ事はできなかった。


 だが、二人ならば!!


「見せてやりましょう。人類の英知というものを」


「ええ。武術の歴史は、人の歴史。それを先人たちに見せられる好機など、他にありはしないのだから!」


 愛する彼女の筋肉を背筋に感じながら、戦場を駆ける。


 これほど充実したデートを上回るものが、この世にあるはずがなかろうて!!



*   *   *



サイド 魚山 健吾



 遠くでゴリラとアマゾネスがやべぇ笑いを顔に浮かべて暴れている。保健所案件だろうか。


 まあ、正直自分も人の事が言えた存在ではない自覚はある。


「ふ、ふひっ」


 思わず笑いが漏れ出た。それも無理からぬ事だろう。なんせ、『日本の為』『囚われた少女の為』という大義名分のもと、アレができるのだから。


 ああ、本当に感謝しかない。ロキとかいうモンスターも、囚われた伊藤とかいう少女も。自分にこんな最高の舞台を用意してくれるなんて。もしかして同好の士なのだろうか。いいやそうに違いない。


 他の味方が戦っている場所から、『押しつぶしてしまわない様に』少しだけ離れた位置で法螺貝を構えた。


 京太朗の伝手を頼り、駄騎士という冒険者からトレードで受け取ったこの魔道具。これを触媒にする事で、自分は夢の一つを叶える事ができる。


 覚醒者としては非力な部類ながら、常人と比べれば優れた肺活量でもって全力で息と魔力を吹きこんだ。



───ぶおおおおおお………!



 この砲声と怒号が飛び交う戦場では、法螺貝の音もただの雑音に過ぎない。それでも、集団から離れた魔法使いが目立つ行動をしたのだ。複数のエインヘルヤルの眼がこちらに向く。


 武器を構え、自分ではどうあっても反応しきれない速度で接近する怪物ども。それに対し、やはり自分は笑ってしまった。


 素晴らしい。観客もゲストも多ければ多いほど興奮する。


 ずるりと、法螺貝から一本の触手が伸びた。それは敵ではなく僕の体に巻き付き、あっという間に覆い隠してしまう。


 次々と飛び出す触手は明らかに法螺貝のサイズを超えているが、そんな事は今の世の中日常茶飯事。驚く事ではない。


 それよりも、今はこの感覚に集中しよう。


「んお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」


 獣じみた声が喉から出てくる。我慢、できないッッッ!!



『岸和田城の蛸坊主伝説』



 岸和田城には、とあるお地蔵様の伝説が残っている。大雑把に纏めれば、そこにあったお地蔵様が戦で力を貸してくれたというお話だ。


 敵の大軍を前に法師の姿で現れ、錫杖で敵兵を薙ぎ払い呼び出した大小様々な蛸によって撃退してみせた……という内容。


 それは援軍の暗喩であるとか、その時偶然高波が味方したのではと様々な説があったが、この新しい神代では別の説がうまれた。


 かつての神代から僅かに残っていた魔道具か、あるいはモンスターが戦闘に加わったのではないか、というもの。


 真実はわからない。ただ、現在あの辺りにはダンジョンが存在する。


 さて、長々とそんな事を考えていたが……『融合』もそろそろ完了しそうだ。


 あの法螺貝は合図だ。戦の訪れを教える事で、敵を退けるために大量の蛸が現れる。だが、それを制御できる者でなければそいつらは呼び出した者を自分達の一部にしようと張り付いてくるのだ。


 なんたるご褒美!ただ法螺貝を吹くだけで超ド級ハーレムが完成するだなんて!!


 駄騎士は『いらないけど捨てるのも難しい』と難儀していたとか。まったく、価値のわからない人だ。ロキと伊藤という人物を見習ってほしい。


 高校がダンジョンに飲まれたあの日、自分は知ってしまった。誰かに見られながら触手と一つになるのって、凄く興奮するって。


 さあ、元々の嫁たちも召喚し、大・合・体!!ぬちょぬちょなフェスティバルの始まりじゃあああああああ!!


『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛───ッ!!』


 万に達する大小様々な触手が絡み合い、一体の怪物となる。


 頭部と胴体だけでも五十メートルはある巨体。その体躯すら上回る触手の数々はまるで独立した生物の様にうねうねと動く。そう、まさにセクシーモンスター!!あっちで戦っている警官どもに『ハレンチ!』と逮捕されないか心配なほどだ。


 あぁ……脳みそが沸騰しちゃうぅぅ……。


 このまま一生快楽の渦にいてもいいのだが、京太朗の頼みだ。そろそろ戦うとしよう。ついでに、『延長』もしたいし。


 何やらエインヘルヤルどもが攻撃を仕掛けているが、十や二十ではこのセクシーモンスター……またの名を『テンタクルパーク』をどうにもできまい。これの推定ランクは『A+』なのだから。まあ、総合値がそれなだけで実質の戦闘力はもっと下だが。


 本来これは非常に燃費が悪い。僕の魔力では一分維持するのが限界だが……。


 メインの触手を動かし、槍や剣で攻撃を仕掛けてきたエインヘルヤルどもを拘束する。そして、この状態における口へと持っていった。


 足りないのなら余所から持ってくればいい。餌ならそこら中にいる。まだまだこのパークを楽しめそうだ。


 さあ、延長料金となれ勇士たちよ。代わりに二度目の死に際にお前達にも触手の快楽を味合わせてやろう!今の僕は気分がいいからね!!


 ああ、皆が見てる!僕の痴態を!だが人間は駄目だ。これは僕のだ。僕の触手だぞ!


『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛───ッ!!』


 ん゛ん゛!!声が出ちゃう!!



*   *   *



サイド 相原 健介



「なんだアレは……!?」


「事前にモンスターと融合する味方がいるとは聞いていたが……」


 ハーレム部隊ことオーク部隊の指揮をしていたら、近くで戦っていた桜井自動車の召喚術師たちが魚山の方を見て冷や汗を流していた。


 真っ黒な巨大イカみたいな怪物がエインヘルヤル達相手に大暴れしている。凄まじい活躍であったが……時折凄まじい雄叫びがこちらまで響いていた。


「……負けられんな」


「ああ。『あんな苦しそうな声』を上げながらガキが戦っているんだ」


「少しでもあの少年の負担を減らすぞ!気合をいれろ!」


「「「応ッ!!」」」


 ………何も言うまい。


 京太朗経由で東郷とかいう人物から貰った触媒でオークを大量召喚、指揮をしながら、そっと彼らから目を逸らした。


 まさかアレが、その……快楽に耐えかねて出ちゃった声だとは初見で気づけるはずもない。


 ダチのそんな声聞きたくねぇ。耳栓持ってくればよかった。つうか京太朗の頼みじゃなきゃとっくに帰っているぞ。


 まあ、俺だってこの国になくなられたら困るし、ここで戦えば多数のコネも手に入る。ついでに前払いとしてダンジョン対策課とやらから色々貰ったし。


 とりあえず全体見てゴリラと触手馬鹿が孤立し過ぎたらそこに援軍を送り続ける。他の場所は桜井自動車所属の人らが上手い事回しているから自分の出る幕はない。やれやれ、この俺が裏方をやらされるとは。


 うーん……だが悪くない。魚山ではないが、堂々と己の性癖を見せびらかすのは気分がいい。ついでに周りも俺の趣味に気づいていない無知っぷり。興奮してきた。


『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛───!!』


 ……けどはしゃぎ過ぎない様にしよう。ああなるのは嫌だ。


 さて、と。性欲の権化であるあのモブ顔な友人はどこにいるのやら。あいつ自身は凄まじく見つけ辛いが、守護精霊や使い魔は目立って……。


「……おいおい」


 味方を巻き込まない為か、はたまた単純に集団行動が苦手なだけか。あのバケツ頭は魚山以上に離れた位置で戦っていた。


 そう、それだけの距離があってもなお、戦闘の様子が見て取れている。


「あいつ、いったい何を持ち込んだんだよ……」


 思わず顔を引きつらせたのを、いったい誰が咎められようか。桜井自動車の人らが『赤城様から『狩人』は好きにさせて問題ないと命じられている』と言っていた理由がわかった。


 ああ、うん。確かにアレは援護などいらないだろう。



 純粋な討伐数では、先ほどまで空にいた『チャリオットの騎士』に迫るほどなのだから。




読んで頂きありがとうございます。

感想、評価、ブックマーク。いつも励みにさせて頂いております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
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[一言] 色々な意味で胸熱展開もりもりで最高 公衆の面前での野外触手プレイも他人から見たら苦しみに耐えながらも危険な大技で命を削って無双する少年になるのか 後世の歴史書に記される戦場で活躍した豪傑の…
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