第十四話 冒険者ドリーム
第十四話 冒険者ドリーム
サイド 大川 京太朗
「どうでしょうか、主様」
いつも通り、にこやかな笑みを浮かべるレイラ。
だが違うのはその服装。結論から言おう――バニーである。それも、『白バニー』。
いつも緩い三つ編みに結われている銀髪は解かれ、その銀糸の様に美しい髪から覗く細い首には白い襟と青の蝶ネクタイ。
白く華奢な肩はむき出しになり、手首の辺りだけ袖の様な装飾がある。
そして、たわわに実った両胸は今にもこぼれ落ちそうな状態でその谷間を晒していた。彼女の身体のラインをハッキリとさせる、純白のバニーガール衣装。かなりの鋭角で股間を覆う部分からは、地肌ではなく白のタイツが腰から爪先にかけて覆っていた。
ボンッキュッボッン。グラビアアイドル顔負けのスタイルの彼女が『白バニー』姿で自分の部屋にいる。
エロい。柔らかい胸はその存在を強く主張し、ほどよいくびれは思わず腕を回したくなる。安産型のお尻の丸みは素晴らしく、そこから伸びる脚線美は頬ずりしたいほどだ。
「我が世の春がきた……!」
涙を流し、天井に向けて腕を掲げた僕を……いったい誰が責められようか。
* * *
両親が買い物で出かけていた間に賢者となった、翌日。自分は学校に来ていた。
いやぁ、まさか初ドロップがあった次の日に今度は通常スケルトンが槍を落としていくとは。とんでもない幸運である。
予定通りレイラのエロコスプレ衣装を購入したのは言うまでもない。
ナースとチア衣装で迷ったが、ネットで注文しようとして一番早くつくのがバニーだった。どんだけ在庫あんだバニー業界。
なお、白か黒かで一時間ほど迷ったのは言うまでもない。だが自分は銀髪の美少女であるレイラには白バニーが似合うと判断した。凄くよかったです。
通学路を歩きながらつらつらと昨日の事を思い出し、生理現象が起きそうになって慌てて別の事を考える様にする。
現在は四月も終わりに近づき、もうすぐゴールデンウイークという時期。自分達いつもの三人は、とある事で頭を悩ませていた。
ソロでいくか、パーティーでいくか。
Eランクダンジョンを三日間探索すると言う、冒険者の入門編とも言える期間は終わった。これからはDランクでの活動やソロでの探索が可能となる。
で、だ。Dに行くのは問題ない。しかし……。
そんな事を考えていると、教室に到着した。小声で挨拶をして入室すると、クラスがいつもより少し騒がしい事に気づく。
「ゴールデンウイーク中さぁ、『修行』に行くんだけどそっちは?」
「俺も山に行ってみるわ。ぜってぇ休み中に覚醒するんだ」
「相原く~ん。あのね、お願いがあるんだけどー……」
男子も女子も、ゴールデンウイーク中の予定を話している様なのだが……『修行』に『覚醒』?
疑問符を浮かべながら自分の席に荷物を置き、熊井君の所へ向かう。
「おはよう、なんか教室が騒がしいけど、どったの」
「おっす。いや、お前昨日のニュース見てねぇの?」
「……部屋の掃除で忙しくって」
「おう。ほどほどにな」
「はい」
気まずくなって視線を逸らす。人を発情期の猿に向ける様な視線で見ないでほしい。僕はれっきとした文明人である。
「駄目な騎士と書いて『駄騎士』に、『ビキニアーマー』『アルラウネ』で検索してみ」
「エロゲ?」
「ちげぇよ」
ならエロアニメ……という感じでもなさそうだ。
言われた通りスマホで検索してみると、シリーズものの動画がズラリと並んで表示される。
「『駄騎士おねえさんのダンジョン探索』……?」
「冒険者がネットに探索の様子をアップしてんだよ。それで、宝箱からとんでもない物引き当てたってよ」
「へー……」
熊井君の言葉を聞きながら、その冒険者の動画ページを視てみる。
今年の四月から、報酬計算の為に提出したカメラのデータが返却。そして自由に扱っていいと改正された結果、こうした冒険者の動画投稿者が増えているらしい。
ダンジョンの内部。モンスターとの戦い。そういったフィクションでしかなかった物が、現実として存在する。こういった動画は凄い勢いで再生されているそうな。
検索ワードからして露出の多い女冒険者。そりゃ再生数も――。
「なっ……!?」
「見たかよその金額。やべーだろ」
「僕とキャラがかぶってる……!!」
「どうした、何かの攻撃か?」
口元を手で覆い、恐怖に震える。まさか、そんな事が……!
「落ち着け。お前は何らかの幻術を仕掛けれらている。ビキニアーマーの女性とお前に共通点なんてありはしない」
「だってよ、熊井君……!ヘルムが……!」
「は?……え、まさか」
「『バケツヘルム』が、かぶってる……!兜だけに……!」
「うっぜ」
トップページに表示されるサムネ。そこには、深紅のビキニアーマーでグラビアアイドルみたいな体をつつんだ女性の姿がある。
しかし、その顔はすっぽりとバケツめいた兜で覆われていた。
「嘘だろ……こんな事許されるのかよ……!」
「お前の脳みそよりはマシだと思う」
「だって、そんな……僕のアイデンティティじゃん。バケツヘルムは」
「……ごめん。否定しようとしてお前の顔みたらなんも言えなくなった」
「いやそこは否定しろよ」
真顔で熊井君を見つめる。そこは『お前の個性は別にあんだろ』とツッコム場面じゃないのか。
「だってお前……兜つけている方がマシな顔だし。なんならその辺のガチバケツの方がカッコイイまである顔だし」
「ぶん殴んぞこの老け顔」
「京太朗……顔を隠していた奴が、素顔を出して高評価を貰えるのはイケメンや美女だけなんだぞ?」
「どうせモブ顔だよちくしょうめ」
世の中には二種類の人間がいる。フルフェイスの兜を脱いで喜ばれる人間と、ガッカリされる人間。
自分は後者である。逆に顔がよかったら隠す必要なくない?防御力はさておいて。
「で、この人が引き当てたとんでもない物ってなんなん」
それにしてもエッチな体つきしている人だな……なんて言えばいいのか。こう、生々しいエロさ?
レイラは『男の理想』っていうか、エロ漫画から飛び出してきたみたいな体だけど。この駄騎士って人はちょっとだらしない感じがする。太っていると人から見られる一歩か二歩手前。そんな感じだ。
なんと表現すべきか。やはり『生々しい』という評価こそ妥当な気がする。言い方を凄く悪くすると、『落ち目のグラドル』?
「ハイ・ポーション」
「……なんぞ?」
「現在確認されているどんなポーションよりも強力な、凄いポーション」
「ほーん……」
そんなのあるんだ。知らなかった。
『ポーション』
飲料メーカーとかが出すそれではなく、ゲームや漫画でこそ見る様なそれが今は現実に存在する。
飲むか傷口にかければ擦り傷や打撲は立ちどころに治り、一説では軽い風邪なら病気だって治してしまう。正に魔法の薬だ。
それの上位版。いったいいくらの値がついたのやら。まさか、百万とか?
「一千万だって」
「おー、そんなに」
「一千万『ドル』で、アメリカの製薬会社が買ったってさ」
「え゛っ」
開いた口が塞がらない。嘘やん。
ポーションは確かに高額で買い取られる事で有名だが、それにしたってなんだその数字。
ドルって、今朝偶然見たテレビで1ドルにつき130円って言ってないっけ?は?
「ウェイウェイウェイ。ちょっと待とうか。それ、日本円にするといくら?」
「約十三億円だってさ」
「すげぇ、くれ!」
「ねぇよ」
「ごめんちょっと冷静になるわ……いや凄くね?」
「だから教室がこうなってんだよ」
はーん、だいたい理解したわ。
「受験で鎮火していた、皆の冒険者になりたいという感情が再熱したと」
「じゃねーの?」
冒険者ドリーム。まさか実在するとは。
検索ページの画像へと移ると、そこには紫色の液体が入った小瓶を掲げ音声はないのに雄叫びを上げていると思しきビキニアーマーのバケツ頭がいた。
「いいよなぁ、僕もなぁ」
「本当になぁ……」
十三億って……ちょっと、金額が大きすぎて想像がつかない。なんなら一億円だってテレビでしか聞かない数字だ。宝くじとかの。
そんな物がドロップするなんて、いったいどんな豪運なのか。
「やっぱさ、難易度の高いダンジョンほどいいドロップや宝箱があるって本当なんだよな」
「あー、それはあるかも……」
なんの気なしに答えてから、少し後悔する。
これは自分達が悩んでいる事に直結する話だと感じたからだ。熊井君が言いたい事を、なんとなく察する。
「なぁ」
「おはよう……」
「「おおぅ!?」」
思わず熊井君と二人して大声をあげる。魚山君が突然現れたのだ。
いや、普通に歩いてきたはずだけど、まるで気配を感じなかったというか……存在感が薄い。今にも消えてしまうそうだ。
三徹でもしたのかと言いたくなる顔で、魚山君がすぐそばに立っている。
「ど、どうした?凄い顔だぞ」
「どっか具合でも悪いの?」
「……駄騎士って人の動画、見た?」
「ああ、俺はな」
「僕はまだだけど……」
「その動画でさ……触手が出るんだよ」
「詳しく」
「黙ってろ」
熊井君に脇腹をどつかれた。理不尽である。
「そうだよな……京太朗もこっち側だよな……」
「いや、僕はビキニアーマーの女性が触手に絡みつかれる姿に興味があるだけだ」
「ストレートに最低だな」
男子高校生なら普通じゃろうがい!動画上がってんだからたぶん無事に脱出できたんだろうし。
「それが、問題なんだよ……」
「え、なにが?」
「NTRじゃないか……!」
「ごっっっめん本気でわからない」
「僕が……!僕がぬちょぬちょにしてもらうはずだったのに……!他人が触手にからみつかれて……その上用済みとばかりに、愛しの触手が斬り捨てられる姿を見せられるなんて……!」
「どうしよう熊井君。ちょっと色んな情報が頭から吹き飛んでるんだけど」
「奇遇だな、俺もだ」
「けどなんか興奮しちゃって。これが鬱ぼっ」
「教室でそれはやめろ。マジでやめろ」
魚山君の口を塞いで強制的に黙らせる。幸いクラス中誰もこっちを見ていないが、それでも本当にあかん。
ここ神聖な学び舎ぞ?一応はそういう場所だからね?自重しようね?
* * *
昼休み、教室の隅でイヤホンをつけて例の動画を見る。
『はいどーもどーも!画面の前のお嬢様&御領主様!ダメじゃない騎士こと駄騎士と!』
『その守護精霊のノエルでーす!』
バケツヘルムを被ったビキニアーマーの女性と、金髪ドリルヘアーの美女がカメラに向かって手を振っている。
というか、守護精霊?この人も持っているのか……。
ノエルと名乗った守護精霊。容姿は金髪ドリルな髪型に赤と翠のオッドアイ。整った顔立ちに、首から下は薄い生地の白い布の上から金色のビキニアーマーみたいなのを付けただけの姿。レイラに勝るとも劣らないスタイルの良さを、存分に見せつけている。
『撮影は使い魔の雪女こと、千冬ちゃんがやってくれてまーす!』
『ぶい』
カメラが反転し、ジト目が特徴的な着物姿の少女……いや幼女が映し出される。
白い。髪の毛は淡い水色なのだが、肌も着物も雪の様だ。雪女って今いったか?
モンスターの中には、『契約』によって使い魔にできる種類もいると聞く。魚山君が持っている異能は、その幅や契約の強制力を高める効果があるそうな。
そんな事を考えている間に、画面が戻り駄騎士が剣と盾を構えている姿で中央に。
『私達は今日、このCランクダンジョンを探索していきまーす!』
『どんどんどんパフーパフー!』
『やんややんや』
わざとらしく騒ぎ立てる彼女らだが、ダンジョンのランクを聞いて顔が引きつる。
『Cランクダンジョン』
それは、現在日本で一般に開放されているダンジョンで最も高難易度とされているランクだ。
ダンジョンの区分は大きく分けて五種。AからEのランクがつけられており、Aが最も危険とされている。
だがB以上は自衛隊のみが立ち入りを許可されている。理由は単純、モンスターが強すぎるから。一応、国から許可が出れば冒険者も入れるらしいけど、それは例外だ。
未だ世はダンジョン黎明期。ダンジョンのランクは、出現するモンスターの強さでしか測れない。そして、冒険者にとっての適正ランクとは自身のステータス平均からワンランク下とされている。
これは、『いざとなったら単独で周囲の魔物を蹴散らせる』という事。ようは安全マージンだ。
つまり何が言いたいかと言えば、この人はBランク以上の冒険者って事になる。
『出現するモンスターは~?』
『アルラウネ、トロール、スライムとなります』
『くっ、スライムなんかに私は屈しない!!』
ふざけた調子で言うが、スライムはガチで危ないモンスターである。
スライムは、弱い。ランクで言ったらEランクだ。しかし、『最も冒険者を殺している』モンスターでもある。
大抵の覚醒者が強く殴れば四散して死ぬし、魔法使いならジャブ程度の魔法で消し飛ばせてしまう。その程度の強度しかない上に、動きは鈍いし持っている酸も弱い。
だと言うのに、去年一年で発生した冒険者の死者行方不明者。確認できている範囲でも、その半数はこのモンスターが関わっているとされる。
このモンスターは、『人の頭めがけて降ってくる』。そのうえ、奴らは透明に近い。
顔に張り付かれたら掴んで引きはがす事はできず、窒息死の危険がある。更にはその状態で他のモンスターに襲われる可能性もあるのだ。
酸が効かず、能力値で勝っていようが酸素を遮断させられれば大抵の人間は死ぬ。そこまでいく前に、冷静な判断はできなくなる。
対処法は顔面ごとスライムをぶん殴るか、魔法で攻撃するか。どっちにしろ咄嗟には難しい手段である。
『ではでは、私達騎士団は早速探索に行ってきますぞ!続けー!』
『おー!』
『いぇーい』
先頭で森の中へとずんずん入っていく駄騎士に、笑顔で手を上げてついていく守護精霊と、やる気を感じない雪女。
そんなエロアニメかなんかの導入みたいな集団なのだが――強い。
女性の上半身をもち、下半身に食人植物としての本体をもつアルラウネ。ガラス玉めいた目はどこを視ているかもわからず、張り付けられた笑みは本能的な恐怖を引き立てる。
三メートルは優にあろう巨体をゆすり、地響きをたてて向かってくるトロール。知性の代わりにこれでもかと獣性をにじませた凶悪な顔で、丸太の様な棍棒を振りかぶる。
バケツ一杯分の水が意志を持ったかのように、のたのたと這いずるスライム。他のモンスターとの戦闘中に、狙いすましたかのように木々の枝から降ってくる。
それら全てを、彼女らは打ち払っていく。
駄騎士の剣がアルラウネをいとも容易く切って捨て、守護精霊の炎を纏った槍がトロールの顔面を吹き飛ばす。降ってくるスライムは、軒並み雪女が氷漬けにした。
『いやぁ~ん』
……なのに、なんか物凄く棒読みでアルラウネの触手に捕まる駄騎士。
蔦で作られた触手がビキニアーマーの隙間を通りながら、手足や首を縛り上げる。空中にはりつけにされる様にして足を大きく広げられた駄騎士が、これまたわざとらしい悲鳴をあげた。
蔦から麻痺毒と思われる粘液まで出され、彼女の体をみだらに染めていく。
『んんっ、あっ、いやぁ!見ないでぇ!』
『はいはい今助けますからねぇ』
『え、ちょっと待ってもうちょい』
『動画消されますよー』
『やれぇえええ!ノエぇぇぇェル!!私ごと撃てぇ!!』
そしてあっさりと蔦を引きちぎる駄騎士と、アルラウネを薙ぎ払う守護精霊。
……本当に強いな、この人。どういう筋力と耐久してるんだ。
それはそれとしてよくこの動画消されねぇなとは思った。十分アウトでは?動画の重要性のどうこうで運営揉めてんの?
そんな考えはよそに、問題のシーンに。
『おお!宝箱!宝箱ですよ画面の向こうのお嬢様&御領主様たち!』
『ミミックじゃないですか?』
『ミミックだと思います』
『なんでぇ!?』
『騎士様の運だと、はい……』
『今日もダンジョンに向かう途中でカラスに糞を落とされて驚いた拍子に川へ……』
『運なんてプラマイゼロになるもんなのよ!だからこの宝箱は本物!いくどぉぉぉ!!』
警戒心ゼロで宝箱に近づき、鍵を腕力で壊して開ける駄騎士。まあ、この人ならミミックの毒針がそもそも刺さらないと思うけども。
『お?おおおおおお?』
『どうしました騎士様。痔ですか?』
『だからツララを尻に入れるのはやめておけとあれほど』
『やってないわよ!?やってないからねまだ!それよりこれ!これぇ!』
そう言って彼女が掲げたのは、紫色の液体が入った小瓶。
『間違いないわ!初めて見たポーションよ!今までは手に入っても二束三文で持って行かれたけど、今回は普通に売れるわ!ひゃっほう!』
淑女にあるまじき足の広げ方をしながら、小瓶を掲げる駄騎士。
『そんな……まさか、騎士様の偽物!』
『他にもあんな馬鹿みたいな恰好する人がいるなんてー……!』
『本当に失礼ね貴女達!?けどいいわ!今日はこれにて撤収!今回の御視聴、ありがとうございました。また私こと駄騎士の活躍をご覧に来ていただければ!アデュオース!』
『さようならー』
『ばーい』
そんなこんなで、動画が終了する。そして、無音声でテロップだけこのポーションについての事が書かれていた。
動画を見終わり、自分の席に座ったままため息を一つ。
「ムラムラした」
「馬鹿かな?ここ神聖な学び舎ぞ?」
黙れ筋肉フェチめ。
ビキニアーマーの女性が二人、画面で乳尻太腿揺らして、そのうえ途中わざととは言え触手に捕まってあられもない体勢になってるんだぞ?
お前これ健全な男子高校生はエロを感じるよ。今椅子に座っていてよかったって心底思っている状況だからね、僕は。
「そうか……京太朗もやはり触手に……」
「やはりってなんだよ。僕はノーマルだよ」
「そうだ。京太朗は俺と同じ筋肉美女を愛する者だ」
「それもねぇよ」
勝手に人をそっち側に連れて行こうとするな。頼むから。お願いだから。ないだろうけど万が一にもそっち側にいったらアカン事になるから。
「それにしても……魔法のアイテムってやっぱ儲かるのなぁ……」
「なぁ……」
「触手ぅ……」
三人揃って、教室の天井を見上げる。
クラスでは今も、冒険者になって一山あてるという声で持ち切りだった。
* * *
その夜、『もうすぐゴールデンウイーク』だからという意味不明な理由で大量に出された数学の宿題と格闘していたら、友人達とのグループチャットに通知が表示される。
『パーティーを解散しないか?』
予想通りの内容が、そこには書かれていた。
読んで頂きありがとうございます。
感想、評価、ブックマーク。いつも励みにさせて頂いております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。
Q.駄騎士……いったい何者なんだ。
A.彼女こそ真のモブバケツです。ただし、京太朗のヘルムは頭頂部が真っ平のフラットトップ。駄騎士のはそれよりも新しい頭頂部が尖ったバケツ感薄めの兜です。
Q.守護精霊って理想の相方が出るなら駄騎士って百合?
A.そのケはありますが彼女の場合『自分を認めてくれる同性の友達』こそが欲しかったので。
Q.駄騎士はどれぐらいの強さ?
A.なんだかんだ強いですね。けどAランクほどではありません。
Q.使い魔を異能なしで持てるなら魚山の異能って産廃?
A.いいえ。異能なしで契約できるモンスターなんて極少数ですので、『使い魔契約』の異能もちほど普通の覚醒者は使い魔を持てません。