表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/80

交戦

・大変遅くなりました…。

・評価、いいね、ブクマありがとうございます!!

 


『ミャーッ』



 私達の声に反応しルビーがこちらに向かってくる。しゃがんで手を広げればポフッと腕の中に飛び込んできた。


「どうしてこんなところに?先生とはぐれちゃったの?」


『ミャア』


「一人で怖かったね。でも無事でよかった」


 頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめると何故かこちらがホッとしてしまった。


(怖かったのは私の方かしら…)


 ルビーに会えたことで張り詰めていた気持ちが緩んだらしい。思わず涙が出そうになって慌てて堪える。ルビーの白い毛並みに顔を寄せると、ほんのりお日様のようないい匂いがした。


「もう大丈夫よ。一緒に行きましょう?」

「そうね。先生も見当たらないし、避難指示が出た時、驚いて飛び出しちゃったのかしら」

「なんにせよ発見出来てよかった。なー、ルビー?」


 そっとアスター様がルビーの喉を撫でてあげると『ゴロゴロ…』と気持ち良さそうな音が聞こえてきた。ルルも近寄り鼻をクンクン動かしている。


『お前、仲間? ご主人の知り合い?』

『んー、さぁ? でもよろしくね』


 ……とでも言ってそうな二匹に少し和んでしまう。


「先生…ルビーのこと探してるかな」

「そうね、でもこの中で合流するのは難しいわ。とりあえず、一旦外に出てからにしましょう?」

「爆発もあったし、ここもいつまた崩れるかわからないものね」

「…けれど、進めそうな道なんてありますの?」


 辺りを見渡すと廊下には瓦礫が散乱している。


「前は…無理ね。瓦礫が多すぎるわ」

「後はまだなんとか戻れそう。でも出口にはまだ魔獣がいるかも…」

「いっそのこと壁を魔法で壊す?」


「えっ?」


 三人の目線が一気にクレアに集中する。


「な、何?」

「……クレアらしい発想だな」

「ちょっ、ちょっと!笑わないでよ。魔法使えたら考えるでしょ。『えー意外〜、野蛮〜〜』って顔するのやめてよ!」

「いや、別にそんなこと…。ちょっと大胆だなって思っただけ……あ、いやいや、なんでもない」


 アスター様はそう誤魔化すも、私もちょっとだけびっくりしてしまった。この度重なる騒動や魔獣やら爆発やらで私はもう既に身も心もヘトヘトだった。クレアは疲れてないのかな…。それとも魔法と体力は関係しないのだろうか。


(クレアはすごいなぁ……)


 ルビーを抱きしめながら、じんわりと感心してしまった。


「お、お待ちになって!さっきの爆発で天井に穴が開いてるんですのよ?建物にも亀裂が入ってますわ…。あの…、破壊する場所を間違えれば更に建物が崩れてしまいませんこと?」

「あ…、そうか。言われてみればそうかも…」

「避難者はわたくし達だけではありませんのよ?もう少し違う方法も考えてみてもよろしいんじゃないかしら?」

「他の方法か……」


 周囲には私達と同じように避難していた生徒達が数名いた。皆、不安げな声を溢し一体どこに避難したらいいんだと悩んでいるようだった。


「うーん、じゃあ、来た道を戻るとして…、壊しても問題なさそうな場所があればそこを開ける。それか、観客席側の内扉から一度中に入って、内側から出口に行けそうな道を探すとか?」


「でも、内側ってクリス皇子達が魔獣と交戦中の場所でしょ?」


 観戦席には円状の廊下、一・二階の間を行き来する階段も用意されている。戦闘中とはいえ、避けながら避難することは可能かもしれない。だが、魔獣がどのような動きをしてくるかわからない為、安全とも言い難い。


「……ルル?」

「どうかしましたか?ヴィオラ様」

「えっ…、ええ。よくわからないのだけど、急に唸り声を上げたからどうしたのかと思って」


 ルルは牙を剥き出しにして小さくだが唸り声を発していた。


「………まさか、何かいるのか?」



 アスター様の言葉に全員が身構えた瞬間―――、



 ガタンッ!!と大きな音を立てて上から瓦礫と共に狼型の魔獣が飛び降りて来た。


「ま、魔獣!!!!?」

「なにっ!?」

「キャァッ!!!!」


 その獰猛な魔獣の姿に悲鳴が上がり生徒達が逃げていく。


「な…、なんなの。次から次に……」

「……クレア、動けるか?」

「…ええ。やるしか…ないもの」

「ハハッ…本当、頼もしいな」


 二人ともすぐに杖を構え臨戦態勢に移る。


「ク、クレア……」


 戦うの…?


 怖くて縋るような声で聞いてしまう。


「大丈夫。足止めするだけ」

「ティアラ嬢はルビーと下がってて」

「アスター様……」


 風魔法でかまいたちを起こし、アスター様は魔法を放った。魔獣の気を引きつけつつ、そのまま風の防壁を作っていく。


「ちっ、すばしっこいな。かわされてばかりだ」

「火の攻撃はここで暴れられたら厄介ね。防衛系に徹するしかないかしら…」

「クレアの得意技はできないな」

「でも瓦礫が点在しているから土魔法と合わせれば岩壁生成できるかも」

「へぇ…。さすが一年の天才少女だな。すげー」

「煽ても何も出ないわよ。というか、今実はすごく震えてるから!プルプルしてるんだからね!!」

「知ってる。攻撃は任せろ。クレアはそっちを頼む!」

「了解!!」


 杖で器用に魔力を操りながらクレアが岩壁を作り上げていく。それを援護するようにアスター様が前に出て魔獣の注意を引きつけた。


「わ…、わたくしも……」


 私の隣にいたヴィオラ様がスッと前に出る。だがその身体は私と同じように小さく震えていた。


「本当はこんなこと頼みたくないのですけれど…。ルル、お願いできるかしら?」


『バウッ!!』


「ふふ、いい子ね。サポートは念入りにしますわ」


 その細い指にはめられた指輪にそっと唇が触れるとポゥッとほのかな光が灯る。その指輪が嵌められた方の手でルルを撫でればその身体は光に包まれ二倍の体躯へと姿を変えた。


「ルルッ!わたくしを…、いいえ、わたくしたちを守りなさいっ!!」


 その言葉に従うようにルルはサッと駆け出していった。アスター様の攻撃に加勢するようにルルが魔獣に体当たりする。更にヴィオラ様が追加の補助魔法をルルにかける。そのおかげでルルは素早く魔獣の攻撃をかわし後ろ足でカウンター攻撃をかましていた。


(皆怖いはずなのに…)


 皆がそれぞれ必死に戦っている中、私はただルビーを抱きしめ見守ることしかできなかった。


「こいつもいつ第二変形するかわからない。キリのいいところで俺達も逃げるぞ!」


 その言葉にビクッと反応し立ちあがろうとした。だが、あろうことか手が震え、ルビーを離してしまった。


「あっ…!ルビー…!行かないで!!」


 慌ててルビーを捕まえようとするも手をすり抜け魔獣の方へと向かって行ってしまう。


「だめっ…!お願い戻って来て!」

「ティアラさん危ないわっ!」

「でもっ、ルビーがっ!!」


 交戦する場所へ追いかけようとするもヴィオラ様に止められてしまう。その間にも前へ前へと進むルビー。恐怖はどんどん加速する。クレアが気づき捕まえようとしたが、それさえもかわされてしまった。


「ルビーッ!」

「くそっ、戻ってこい!」


 その小さな前足を動かしルビーはとうとう魔獣の前にまで辿り着いてしまった。




『ミャー-ン!…ミャー-ン!!!』




「なにしてるんだ……」

「何か伝えようとしてるの…?」


 悲しげな声で、何かを訴えるかのようにルビーは鳴いていた。


「ルビー…?」


 事情を知らない私達には、ルビーがなぜ必死に声を張り上げているのか理解できなかった。


 ルビーがここに現れたのは単に主人と逸れたからではなかった。形は違うが、ルビーもまた研究室で作られた存在。無理矢理凶暴化させられた同胞を見て小さい個体ながらも助けたい、止めたい、そう感じたのかもしれない。



『ミャー-ン!』



 ルビーの鳴き声に魔獣は耳をピンッと立て時折首をブルブルッと振るわせていた。何か伝わるものがあるのだろうか…。けれど行動を停止していたのは一瞬。



 ーー暴走した仲間にその『声』が届くことはなかった。



『グルァアアッ!!!!!!』



 けたたましい雄叫びを上げると魔獣は勢いよくルビーに向かって走り出してしまった。


「ルルッ!白猫を拾いなさいっ!!!」


 すぐさま駆け出し魔獣に体当たりする。魔獣が怯んだ隙にサッとルビーを咥え主人の元へと戻ってきた。


「今のうちに俺達も逃げるぞっ!!ティアラ嬢、立てる?」

「は、はい。さっきは……すみません」

「いいよ。それより急ごう」

「はい……」


 グッと手を引かれ走り出す。


「ルル!そのまま走るわよ!よろしくて?!」

『ワウ!!』


 ルルが器用に返事をする。その間咥えられたルビーがニャッと慌てた声を発したがそんなことなどお構いなしな様子だった。


「見て!あっちの扉!!中に入りましょう!!」


 クレアが観戦席へ続く内扉を指差す。後ろからはドゴッと岩壁が魔獣に崩されたような鈍い音が響く。


「早くっ!急いで!!」


 扉を開き、クレアが呼ぶ。


「ティアラ嬢!ちょっとごめんっ!!!」

「え?」


 一瞬フワッと宙を浮く。


「ひゃあっ!?」


 アスター様が私の腰に腕を回し荷物を抱えるように持ち上げる。


「本当ごめん!!カイルさんもごめんなさい、ごめんなさい!!不可抗力です!呪わないでください!!!」


 叫びながら扉の奥へ滑るように駆け込む。扉は勢いよく閉ざされクレアがすかさず防御魔法を放った。


「はぁ…、皆…大丈夫…?」

「う、うん」

「平気、ですわ」


「だっ…!大丈夫だけど俺の心が大丈夫じゃないっ…!!!!」


 うあぁぁっと精神的に疲労困憊で崩れ落ちるアスター様に対し「はいはい、お疲れ」と呆れ顔でクレアがあしらう。けれど私はただただ申し訳なくて終始オロオロするばかりだった。


「あ、あれ!!ご覧になって……!!」



 ーーーグオオオオオオオオオオオオッ!!!!



 魔獣の唸り声が上がり、奥ではクリス皇子と兵や生徒が懸命に戦っている姿が見える。しかし、そこにいたのキメラ一体だけではない。狼型の魔獣がここにも数匹、騎士達に襲い掛かっていた。


「な、何これ…」


 仕掛けられた不審な精霊石。それはガラナス派の貴族生徒や関連のある者達により密かに仕掛けられたものだった。


 ガラナス皇子の描いた筋書きでは魔獣によりクリス皇子の印象を落とすこと。会場内でボヤ騒ぎを起こし、魔獣による生徒救助を行うことで救済支援の実績を獲得すること。そして帝国民の意識を生物研究と武力の印象を受け入れやすい流れに変え、自分の皇位継承を確立へ持っていく予定だったのだ。


 だが、その計画は魔獣が突如暴走したことで一気に崩れてしまう。設置されていた精霊石は召喚型、爆発型、操作型の三種類。操作型を持った間者は予め登録した術式を発動させるだけだったが、この騒動と帝国騎士団の回収により誤作動を引き起こしていた。この場にいるのはその回収から漏れた魔獣だった。


「あっち!!フレジア達がいる」


 そこには安否が気になっていた友の姿があった。シオン様やジディス卿達も皆中央の魔獣と戦っている。


「そこの生徒達、何をしている。ここは危険だぞ!!」

「「コーディエライト先生ぇ?!?!」」

「なんとっ!お前達だったか…!それにルビー!!!!探したんだぞっ!どこへ行っていたんだ…!!」


 交戦中だったコーディエライト先生が現れ、思わずクレア達はブワッと感情を露わにする。ルビーもミャッと小さく鳴いてルルの口からストンッと降りた。


「逃げる途中で出会ったんです。でも廊下側にも魔獣が出現したせいでこちらに駆け込むことになってしまって…」

「なるほど…そうか。こちらから避難させてやりたいところだが、見ろ…こっちも狼型の魔獣が現れてな。未完成なのか第二形態にはなっとらんが素早くてな」


 見れば、二階、三階…そして一番近い扉の前にも魔獣が数匹点在している。各階の通路でそれぞれ小隊が戦っているが苦戦している状態だった。


「魔法で倒すか、手負にして中央に集めて一気に攻撃するとか……ですかね」

「ああ…。しかし魔術師が少々足りん。シノンも下で負傷者の手当にあたっている」


 厳しい状況下にクレアがボソッと一つの案を述べる。


「アスター…。私の火の魔法、それにあなたの風で連帯魔法を組めないかしら」


 会場は吹き抜けで魔法で一から生み出さなくてもそこには十分な風が集まっている。風魔法が得意な彼ならば少量の魔力でそれらを操れるはず。


「なるほど。やってみるか…」

「中央に誘い込めればこっちのものだ。ならば中央の担当は私が引き受けよう。あそこにはクリス皇子達もいる。集中的に追い込められるだろう」


 中央ではクリス皇子とシオン様がキメラに向かって剣を振るっていた。けれどシオン様は少し動きがぎこちない。どこか怪我をしているのだろうか。


「私はそろそろ持ち場に戻る。それとすまないがもう少しルビーを預かっていてほしい。私の側にいたらまた怯えて逃げるだろうからな」


 そっとルビーを撫でると先生は下の方へ行ってしまった。


「ティアラ、あなたは後ろにいて。すぐ避難できなくてごめんね」

「ううん。そんなことないわ。私だって、魔法が使えていたら同じこと考えるもの。……私こそ、何もできなくてごめんね…」



 皆それぞれ懸命に戦っているのに。



 自分は何もできない。



 それがとても歯痒かった。



「魔力は限られてる。慎重にいきましょう」

「そうだな…。あ、そうだ、ヴィオラ嬢はなんの魔法が得意なんだ?」


 急に話を振られてビクッとヴィオラ様が肩を揺らす。


「えっ!あ、えええっと、えーっと…。補助魔法を少々…」

「………うん?」

「あとは………、その…、実はわたくし…基礎魔法はほとんど使い物にならないんですの…」


「「……え?!……」」


「でも魔力高かったはずじゃ…?」

「そ、そうなのですけども、その……。今までルルの補助魔法ばかり勉強してて……」


 他は全く未熟なのだと俯きながら打ち明けられ、アスター様は呆気に取られた顔をしていた。


 魔法で壁を爆発させようとクレアが言った時、他の案をサッと振ってきたのは人命もあったが自分の欠点を隠す為でもあったのだろう。


「魔法のことなんにも知らないんだなとか大口叩いて割に…、そういう事だったのか」

「うっ!!」

「はぁー…。まぁ、今更そんなこと言っても仕方ないな。じゃあ攻撃は予定通り俺達でやろう。ヴィオラ嬢は補助魔法。近距離戦はルルだ。いいな?」

「よ、よろしくてよ」

「じゃあそれで。ティアラ嬢はルビーと一緒に後方にいてくれ。ルビー、お前は今度こそ単独行動禁止だからな。わかったか?」


 わしゃわしゃっとルビーのほっぺを触ると、ルビーが『ふにゃー』と鳴いた。


「よしっ!じゃあ、やるか」


 迎え撃つ敵は狼型魔獣五匹。クレアは大きく炎の魔法を展開する。それに合わせてアスター様が大気を操り業火の炎へと変化させていく。


 ゴォオオオッ!!!!


 アスター様が風を操り魔獣めがけて炎の槍を投げつけた。



「よしっ、当たった!」


 それらは見事二匹に命中する。しかし残り三匹は素早く身を翻しかわされてしまった。


「当たればダメージは大きいけど…命中させるのがちょっと難しいわね」

「仕方ない。もう一度だ」


 何度か二人は繰り返すも、小隊を避け魔獣に攻撃するのはなかなか難しい。それを見てヴィオラ様が何か閃いたような顔をこちらに向けた。


「そうだわ。ティアラさん、あなたの声よ!ルルはあなたの歌に反応していたわ。相手は狼型…、あなたの声とルルの遠吠えを利用して一瞬こちらに注目させるんですわ!」

「遠吠え…」

「共鳴して鳴いたり、立ち止まらせて一瞬でもこちらに注意を引けられれば魔法も当てやすくなりますわ!」


 名案だと言わんばかりに興奮するヴィオラ様に私も同調するように首を縦に振った。


「…危険すぎる。もしそれで魔獣達がこちらに襲いかかってきたらどうするんだ」

「そ、それは……」


「俺はカイルさんにティアラ嬢を保護するよう頼まれてる。……こういった状況も見越して念入りに俺たちに頼んで来たんだ。わざわざ危険に晒すような作戦には乗れない」


 その言葉に私はハッとする。


「けれど、このままでは二人共魔力切れを起こし兼ねませんわ!見誤ったら死ぬことだってあるんですのよ?!」


 それでもヴィオラ様は怯まず訴えた。


「魔力残量は自分である程度感知できる。ヴィオラ嬢の心配には及ばない。それよりクリス皇子の側まで来たんだ。君くらいなら援護騎士を用意してくれるんじゃないの?」


 ーーヴィオラ嬢、君はクリス皇子側の人間だろう?


 アスター様の言い方はそう線引きするような言葉だった。


「なっ!!なんですって!!!あなた正気なんですの!?わたくしだけ保護されたって全然っ!!嬉しくありませんわ!!!!それにあちらに行ったところでクリス皇子はわたくしのことなんて見向きもしませんわ!!!!!」


 荒げながらキィ!!とアスター様を睨み付ける。その強い視線に目を合わせていたアスター様だったが、急にフッと目線を落とした。


「……………ふっ、ふふふっ」

「…え…」

「悪い…。ちょっと試した」

「………はぁああっ?!」


 急に笑い出し緊迫していた空気が解ける。


「もっと根っこからお高く留まったやつなのかと思ってた。でも同じような価値観だってわかった。ある程度信用できそうだなってのもな」


 失礼なことして悪かったと謝るとヴィオラ様は状況が掴めず頭の上にハテナが飛んでそうな表情をされていた。ううん、それは私も一緒だった。一人、クレアだけはわかっていたようでハラハラした…と小さく呟いた。


「俺達だって無茶はしないさ。ヴィオラ嬢の案、やってみよう」

「えっ、あ…。本当ですの?」

「ああ、でももし、万が一のことが起こったら……」

「起こったら………?」



「今日あったことは黙秘してほしい」


・クレア、グレイス編もくっつけようとしたら文字数一万超えてしまった為半分に分けました…。次の話は早めに更新できるかと思います。


・活動報告(9/22)にちょっとティアラとカイルの小ネタを書いてみました。覗いていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ