異世界で魔王を単独討伐した勇者だけど、帰って来たら周りのやつらも同じことしてた
「やっと、帰って来たーーーー!!!」
異世界アステリアに飛ばされ、「おお、ゆうしゃよ」と言われてから苦節15年!
仲間の裏切り、王宮の腐敗、外交その他もろもろに巻き込まれて
もう何も信じられなくなった俺が、ようやく!
魔王を討伐して帰ってこれた日本!!
精神年齢は30のおっさんになったが!
元居た時代、場所に返してもらえるようにクソジジイを締め上げて
何とか元の日本に帰ってこれた!懐かしい教室!
2020年と書かれたカレンダー!
外に響く車のエンジン音!
いやー!良かった。本当に良かった!
「今は…16時!放課後!!さっさと帰って…いや!お寿司食いてえ!!」
机にかけていた鞄を掴み、意気揚々と教室を後にした
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財布の中を見れば、入っていたのは1千円とちょっと
異世界でバンバン使っていた金額に比べたら明らかに少額ではあるが……
「回転寿司なら行けるな」
校門をでて、町中へと繰り出す。
軽い小走り(周りから見れば全力疾走クラスの速さ)で進んでいくと大通りに出た。
トラックや乗用車がビュンビュン飛び交う大通り
「……走り抜け……いや、飛び越えられるな」
トン、トン、トン、と小刻みにジャンプをして
自分の体の様子を見る
…よし、身体能力は落ちてなさそうだ
じっと足に力を入れて思い切り蹴り出す!
ドカンと大きな音を立て、アスファルトの地面に凹みができる。
同時に、道路の反対側まで飛び越えることができた。
「しょっ…と」