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古代人の君と旅をする  作者: ラクト
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5.彼も…?

ルシュ視点―

 「ルシュさん。あのオリヴィアっていう子もしかすると…」

 「えぇ。彼女、あの研究所の被害者でしょうね。そして、おそらく彼も…」

 「え?!フォルスさんもですか!?そんな風には見えなかったですけど」

 「痛覚、失っているわよ。これで確かめたから間違いないわ。痛覚なくすみたいな非人道的なことするのあそこくらいだし、被害者じゃなくても何かしら関係あるんじゃないかと思ったのよ」

 私は協力者の一人であるウィリスに一本の細い針を見せながらそう話した。

 「ちょ、ちょっと!!まさか、刺したんですか?初対面の人になにやってるんですか!」

 「いやぁ、気になっちゃってね~。それに痛覚があってもちょっとチクってするだけだから」

 「だからって…。ルシュさんはほんとに昔からそーやって……」

 オリヴィアという少女の話を聞き、そんな子を引き取っているということは全く関係ないはずがないと思った。今まで私を訪ねて来た人たちは、被害者の友人や家族がほとんどだった。でも、古代人のオリヴィアに家族も友人も現代にはいない。そんな中彼女を引き取っている彼は被害者とか何か事情がある気がした。被害者の場合、奴らの内部事情とか何か有益な情報を得られる可能性が高いため、少し試してみた。結果はビンゴ。調査が進みそうだわ。

 まぁ、でも無理やり聞くことはしない方がいいでしょうね。ゆっくり進めよう…。

 そんなことを考えていたので、ウィリスの話は全く聞いていなかった。

 「ちょっと!私の話聞いてます?!」

 「あ、ごめんごめん。色々考え事してて」

 「もう!そろそろお店閉める時間ですし、たまには手伝ってください。リリアと私だけじゃ大変なんですから」

 「はいはい」

 私はウィリスとウィリスの妹のリリアと閉め作業をしながら今後のことをあれこれ考えた。


フォルス視点―

 「あれ?ナにか刺さってルよ?」

 「え?」

 オリヴィアに言われて左腕を見てみると、針が刺さっていた。

 一体いつ刺された…?ルシュさんか…?

 「痛くなイ?」

 「あ、うん。すごく細いし、そんなに刺さってなかったから」

 本当はそこそこ深く刺さっていた。普通の人なら気づくだろう。

 僕に痛覚がないことがバレたかな…。

 今後深く関わっていくならどこかで色々とバレる可能性はあると考えていた。しかし、思ったよりも早かった。

僕はオリヴィアの話しかしなかったのに、僕に関しても何かあると気づくとはすごいな。

「これからドーするの?」

「お金がないから、とりあえず働かないとだな。でも、敵が追ってきているからそんなに長居する予定はないよ」

「私も働きタい」

「だめ」

「えーーーー。待ってル間ひま」

「いつも通り本読めばいいじゃないか」

「よくわかラなくて、ツまらない」

人と交流するのは少々危険のため、本で言葉とか常識を身につけさせているが、それも限界かな。うーーん。

「ルシュさんのとこにいるっていうのはどう?」

「さっきノ人?うーーん、一階ならいい」

「二階は嫌なのか?」

「変な匂イした」

おいこら。変な匂いって。別にしなかったけどな…。オリヴィアは鼻がいいからちょっとした匂いでも気になるのだろうな。

「変な匂いってなぁ…。まぁ、いいや。明日ルシュさんたちに頼んでみようか」

「ウん」

僕らはそんな話をしながら中心街で宿を探した。

幸いにも宿はすぐ見つけることができた。値段も高くなく、ちょうどよさそうだ。

今日は色々あったため僕もオリヴィアもクタクタだった。なので、軽く夕飯を済ませ僕らはすぐに眠った。

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