21.遺跡とオエンキス
―古代遺跡にて
「…ん?あれぇ?なんであたしこんなところで寝てるんだろ?……誰かに会ったような気がするんだけど、気のせいかしら。まぁ、どーでもいいっか。それよりも、さっさと仕事を終わらせないと」
古代遺跡にいる赤髪の女性、オエンキスは仕事としてその遺跡を訪れていた。
「それにしても思ったより状態が悪いし、広いわねぇ。もう1人連れて来ればよかったわぁ」
オエンキスは地図と風の流れを利用し、目的の場所を探すこと30分。
「ここね」
瓦礫をどけるとそこには地下へと続く階段があった。
「うわっ、二酸化炭素濃度が高い…。酸素ボンベが必要ね。他のガスは…うん、大丈夫そうね。よし」
オエンキスは酸素ボンベをつけ、慎重に壁の簡単な補強をしながら中へと進んで行った。
30分ほど進むと、広い場所へと出た。
オエンキスはライトで周りを照らし天井、壁、床すべてを慎重に調べた。
「地下聖堂…かしら?地下はここで終わっているようだし、外れね」
彼女の目的は古代人のミイラ。
僅かな文献から、ここに住んでいた古代人らは遺体を埋めるでも燃やすでもなく、ミイラにし、地下に保管していた可能性が考えられた。しかし、どうやらここは保管場所ではなく、地下聖堂のようだった。聖堂と保管場所が繋がっている可能性も考えられたが、これ以上通路はなかった。
「う~ん。もう少しだけ調べたら地上に戻ろ…うか…ん?」
諦めて帰ろうと考えていた時、オエンキスは部屋の右奥の壁に違和感を覚え、駆け寄って調べた。するとそれは魔法で作られた壁だった。
「この先に何かありそうねぇ。何を隠したいのか知らないけど、魔法なんて科学の力で貯ちょいのちょーいよ」
そう言って、地上から機械を運び込み、まずは魔法の解析から始めた。
ピーピーピー。
「およよ?エラー?…なるほど、未登録の魔法式かぁ。それなら、核の分析をやってみますか~」
設置型の魔法は魔法陣を書く場合にはそのインクに必要な物質を混ぜる必要があり、書かない場合は何か適切な核を用意する必要がある。今回は後者であるため、核を壊すことができれば、その魔法事態も崩壊する。
「鉄5%、銅3%、カルシウム1%…他はわからないわね。ちっ。専門家らに任せるしかないわねぇ」
オエンキスは地下の写真を何枚か撮り終え、地上へと戻った。
「うわっ!あれ?!オエンキス!大丈夫だったか?!」
「え、大丈夫だけど?」
オエンキスが地上へと戻ると、そこには同僚のフォンリという男がいた。どうやら、オエンキスとなかなか連絡が取れないために、心配になりここまで来たのだという。
「体感では、1時間くらいしか地下にいなかったと思うけど…?」
「ほんとに?5時間前に電話したんだけど、全然出てくれないし、報告もないから心配してたんだよ」
「あ、そういえば、いつの間にか気を失って寝てたわね」
「えぇ?!こんなところで?!なんで!!」
「いやぁ、それがわかんないのよねぇ。時計も持ってこなかったから、どれくらい気を失っていたのかもわからないわ」
肉食動物が襲ってくる可能性もある森の中で、気を失っていたことに対してあまりにもオエンキスが気にしていないようだったので、その能天気さにフォンリは呆れた表情を浮かべた。
「そ、そうか。ところで、収穫はあったか?」
「えぇ、一応ね~。チームと上に報告しにいかないと」
「ほぅ。じゃ、急いで帰るか。みんなお前の報告楽しみにしてんだ」
「へぇ~。私はチームで仕事なんてめんどうくさいから、ゆっくり帰りたいけどねぇ」
「おいこら」
オエンキスとフォンリはそんな会話をしながら、研究所独自開発の反重力装置搭載のバイクに乗り、自分たちの拠点へと帰っていった。
読んでくださりありがとうございます。
昨日プロローグと第一話を加筆しました。まだまだ文章書くの下手なので、たまに修正してます。
今後も不定期更新になりますが、よろしくお願いします。




