17.フォルスの過去③
目を覚ますと知らない場所にいた。
なにがあったんだっけ…。えーっと確か森の中で…。はっ!!か、カレンは?!
急いで周りを見渡すと、僕の隣で気を失っているカレンがいた。
僕らは柱に縄で縛りつけられており、身動きは一切取れなかった。
どうにかカレンだけでも助けないと…。
「あら~?目が覚めたのねぇ」
さっき森の中で男たちに指示していた女だ。こいつがボスだろうか。
「あ!オエンキスさん!!また人を攫ってきたんですか!?しかも、今度は子ども…。この前のはどうしたんです?」
「あ~、あれね。死んじゃったから捨ててきたのよぉ、山に」
「はぁ??ちょ、また所長に怒られますよ?」
「別にバレなきゃ大丈夫よぉ。ちなみに、このこと所長に言ったりしたら、あんたがやってることもバラすからね」
「うっ…。わ、わかりましたよ。それで?今度は子ども使って何するんですか」
「ん~。どーしようかなぁ。…所長はいつまで出張でいないんだっけ」
「来月末までです」
「あと1ヶ月半くらいかぁ。短いわね。急いで実験計画立てて取り掛からないと。あんたらこの子らを地下室の301に運んどいて!」
「「「はい」」」
オエンキスという女は部屋の隅にいた、山の中で僕らを追ってきたあの3人に、そう命令した。
あのオエンキスの部下かだろうか。
僕らは手首を縛られたまま、柱と括り付けていた縄を外された。
「おら、行くぞ」
「うわっ」
男は僕らを担ぎ地下へと向かった。
ここはかなり複雑な構造をしているようだった。
地下に行くはずなのに、途中で階段を上ったりしたし、何度も廊下を曲がった。
簡単には逃げ出せなさそうだ。
「ここだ。中で大人しくしてろよ」
そう言って、男たちは僕らを301の部屋と入れた。
部屋に入れると僕らの手首を縛っていた縄をほどいた。
そして、ほどき終わると同時に
「わりぃな」
「え」
男の1人が小さな声でそう言ったような気がした。
「…」
彼なら僕らを助けてくれるかもしれない…。
僕はそう思った。
男たちが部屋の鍵をしめ、去っていったあと、僕は部屋を見渡した。
ベッドは1つ、奥の扉の向こうにはトイレが1つ。電気はつくが暗い。入口の扉横の下の方には小さな扉。なんどろう。
他には何もなさそうだった。最低限のものしかない殺風景な部屋だ。
「んー…。おにぃちゃん…?」
「あ、カレン!!目が覚めたか。どこか痛いところとかないか?」
「だいじょーぶ。ここ、どこ?」
「ここは…。その…、保護施設だよ」
カレンを怖がらせたくないと思い、咄嗟に嘘をついた。
「ほごしせつ?」
「そう、えっと、悪い人から守ってもらっているんだ」
「へ~!!」
「それで、その、しばらくお家には帰れそうにないけど、絶対帰れるから、それまでは大人しく待っていような」
「えー。おうちにかれないの?やだーーー」
「絶対に帰れるから。今は大人しくしていないと危ないから。ね?」
「むーーー。わかった」
「よしよし。いい子いい子」
さっきのオエンキスと呼ばれていた女たちの会話を聞く限り、何をされるかは全くわからないが、殺される可能性が高い。こんなことになるなら、カレンを連れてくるんじゃなかった。カレンだけは絶対に守らないと。
そう決意した。
読んでくださりありがとうございます。




