16.フォルスの過去②
「よぉ!!フォルス。遅かったな」
約束の時間よりも少し遅れて集合場所に向かうと、リックがすでに待っていた。
「あぁ、結局妹がね…」
「こんにちわっ!」
カレンは元気いっぱいにリックに挨拶をした。
「こんにちは、カレンちゃん」
「なんだぁ?フォルスんとこの妹じゃないか。今日は裏山だが、大丈夫か?」
僕を待っている間に買ったのであろう、コロッケを片手にリフィキが話しかけてきた。
「あ、リフィキ。そうなんだよね。裏山はなるべく連れて行きたくなかったんだけど、駄々こねられて…」
「あっはっはっはっは!!!妹に負けてんのか!!」
「笑い事じゃないよ。…というわけで、今日はあまり作業手伝えないかもしれない」
「いいよいいよ。今日は俺とリック、フォルスの3人しか集まんねぇから、材料集めるだけの予定だったしな」
「あれ?そうだったんだ。それならちょうどよかった」
「よし!!みんな揃ったし、行くか!!」
山へと入って15分が経過した。
「カレン、大丈夫か?」
「だいじょーぶっ」
整備されていないため、草木は生い茂り、道はガタガタしているため、そこそこ体力のある僕らでも少し疲れる。
「ふーー!着いた!!カレンちゃん、ここが俺らの秘密基地だ!!誰にも言っちゃダメだぞ?」
「おぉ~!!すごーい!!カレン、誰にも言わないよっ!!」
「えらいね!!」
リックはカレンを本当の妹のように可愛がっており、目をキラキラさせながら僕らの秘密基地を見るカレンの姿を満面の笑みで見ていた。
「それで、今日は何集める予定?」
「えーっと、木の枝が足りないから木の枝と、あとは使えそうなゴミ、できれば絨毯とかあればって感じかな」
「了解。でも、この辺のは大体集めちゃって残ってないから少し奥行かないとだね」
「そうだな~。まだ行ってない右側にでも行ってみるか」
リックの提案で僕らはまだ行っていない方へと向かった。
思ったよりも奥まで来てしまったけど、大丈夫…か?さすがに、母さんたちがよく言う『森に住む怪物』ってのはいないだろうけど、大型の動物がいたら怖いな…。
「この辺で別れてそれぞれ集めよう。俺は上の方行く。リフィキはこの辺り、フォルスとカレンちゃんは下の方で集めてくれ」
「「りょーかい」」
僕はカレンと共に、山を少し下ったところで枝などを集めた。
「あまり変な葉っぱとかきのこを触っちゃだめだからな」
「はーい」
しばらく資材を集めていると石碑のようなものがあった。
なんだろ、これ。何か文字みたいなのが書かれているけど、読めないな。あとで、リックたちにも見せてみるか。
そんなことを考えているときだった。
「おにぃちゃん、人がいるー」
カレンがそう言ったのだ。
「え?こんな山奥に?そんなわけ…」
カレンが指差す方を見ると数名の大人が何やら作業をしていた。
一体何やっているんだろう。こんな山奥で、しかも木の実とかもないこの季節に。
そう思い、ちょっと気になってしばらく見ていた。
どうやら穴を掘っているようだ。
何かを埋める…のかな。結構大きな穴のようだけど…。
あ…。
「カレン、ゆっくりこの場から離れるぞ」
「?はーい」
近くで座って休んでいたカレンに小さな声でそういい、その場を離れようとした。しかし、
「いたっ」
カレンが木の葉で滑って転んでしまった。
やばい、見つかる!!
作業をしていた大人たちの方を見ると、もうこちらに気づいていた。
「追って」
「「はい」」
女の指示で男が3人こちらに向かってきた。
どうしようどうしよう…!!とにかく走らなきゃ!!!あんな、人の骨を山に埋めようとしている人たちがまともなわけない。逃げないとやばい!!!
僕はカレンを抱きかかえながらひたすら山の中を走った。リックやリフィキを巻き込むわけにはいかないし、カレンを抱っこしながら山を登るのは無理だ。そう思い、僕は必死になりながら山を下った。もう、自分が山のどこにいるのかわからなかった。道なき道を、ただひたすら走った。
でも、子どもが大人に勝てるわけがない。それにカレンを抱えながら走っているのだ。当然のことだが、僕らはすぐに捕まってしまった。
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