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古代人の君と旅をする  作者: ラクト
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15.フォルスの過去①

ーフォルス視点

 僕は今、悩んでいる。何を悩んでいるかというと、自分のことをどこまで話すかだ。

 オリヴィアも気になっているようだが、気を使っているのかあまり聞いて来ない。さっきももう少し聞きたそうな雰囲気だったが、結局聞いてこなかった。

 正直、自分の話をするのは苦手だから、聞かれても上手く話せるかはわからないが、話すにはやっぱりきっかけが欲しいものだ。

 そんな風にどうしようかなと思っていたが、ギルによってその悩みはすぐに解決した。

 「なぁ、フォルス。さっきのは何だったんだ?爆発したり、あの女に何かしたり。それにめっちゃ怖い顔してたぞ?」

 「え、僕そんな怖い顔してた?」

 「うん。してた。あんなフォルス初めてみた。あの女に何かあるの?」

 「オリヴィアも見てたのか…。あの赤髪の女性、オエンキスは研究員の一人で、身体能力がめちゃくちゃ高い。反重力装置内蔵ブーツを使いこなしていたし、空中戦では敵わないだろうね。さらに、腕力、握力共に高いから一度捕まればもう逃げられない。だから、なんとしても逃げ切らないとって思ったし、本当は…殺したいと思っていたのかも」

 「な、なんで…?」

 「…えーっと」

 どうしよう。今話すべきだろうか。

 「僕から両手を奪ったから…かな」

 なんで疑問形なんだよ、僕。嘘をつくのも自分のことを話すのも苦手だ。でも、この機会を逃したらもう話せないかもしれない。これからも共に旅をしていく仲間だ。2人のことだけ色々聞いて自分のことを話さないのも良くないだろう。

 …少しだけ僕のことを話そう。

 そう思い、森の中を歩きながら2人に自分の過去について話すことにした。


 僕は東のスクラ大陸にある、キンリス王国の田舎町で生まれ育った。両親は優しく、裕福でも貧しくもない普通の家庭だ。そして、僕には5歳下の妹が1人いた。カレンという。いつも僕の後ろについて来ており、どこに行くにも必ず「カレンもいくの!!!」と言ってついてきた。

 そして、僕には親友が1人いる。リックだ。8歳の時に初等学校で出会った。きっかけは「席が近かった」という些細なものだが、彼に出会えたことで楽しい学校生活を送れたことは間違えない。消極的だった僕は休み時間も休日も1人で過ごすか、家の手伝いをするだけだった。それが、彼と出会ってからは他のクラスメイトらと裏山で秘密基地を作ったり、川で泳いだりとよく遊び、よく笑うようになった。あの日もそうだった。


 ー10年前、フォルス10歳

 「フォルスー!!今日も裏山の秘密基地作りの続きしようぜ!!!」

 「あ、リック。いいね!!でも、妹がまたついてくるかもしれないけど、いい?」

 「おうよ!!!カレンちゃんも連れてこい!!」

 「本当は危ないし連れて行きたくないんだけど、連れて行かないとものすごく拗ねるんだよね…」

 「カレンちゃんはお兄ちゃんっ子だからな!!俺はどっちでもいいぜ!!!ま、とりあえず、16時にいつものとこに集合な!!!」

 「わかった」

 今、僕とリック、そしてクラスメイト3人の合計5人で教会の後ろにある山で秘密基地を作っている。不法投棄されたものや木の枝、枯れ葉などを使ってなかなか立派なものを作製中だ。

 僕は学校が終わると、急いで家に帰り、荷物を置いて出かけようとした。すると、いつも通り妹がバタバタバタと自分の部屋から出てきた。

 「おにぃちゃん!!!どこいくの?カレンもー!!!」

 「カレン、お兄ちゃんは今日、山に行くのよ。危ないからカレンはダメよ」

 僕の母がそう言ったが、カレンは涙を浮かべながら反発した。

 「やだ!!!カレンもいくの!!やまだってへいきだもん。このまえも、いったもん!!」

 「この前のは山の麓の川じゃないか…。今回は僕ら、奥まで行くんだよ?」

 「だいじょうぶだもん!!!いくの!!つれてって、つれてって!!!」

 うーーん。どうしよう。前回も前々回も山に行くときは、カレンが寝ている間に行った。しかし、起きた時に僕がいないことに気づき、癇癪を起こしたらしい。それからは、頑張って起きて僕を待っているらしく、連れて行かないとものすごく拗ねるので、少しめんどくさい…。

 「母さーん、どうしよう」

 「はぁ…。そうねぇ、カレンがお兄ちゃんの言うこと聞いて、危ないところには行かないって約束できるならいいよ」

 「やったーーー!!!する!!やくそくする!!」

 「まぁ、母さんがいいって言うなら…。でも、カレン。ほんとーーーに山は危ないから僕から離れないようにね」

 「うん、わかった!!」

 やれやれ…。予想通り妹を連れて行くことになったが、崖とかがあるわけでもないし、歩く道さえ気をつければ大丈夫かな。

 「じゃあ、そろそろ行ってきます」

 「いってらっしゃい。暗くなる前には帰ってくるのよ」

 「「はーい」」


 僕はこの日、妹を連れ出したことを後に後悔することになる。

 無理矢理にでも置いていけばよかったと。 置いて行けば、あんなことにはならなかったのに、と。

読んでくださりありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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