0.プロローグ
修正しました。(2022.1.10)
これはある時代のある世界の話。
ー北の永久凍土にて
ある日、北の永久凍土にてとある研究所の研究員らが調査を行っていた。
「おい、こっち来てみろ」
「なんですか?…ん?これは」
「おい!!!おめぇら、これを掘り起こせ!!」
その大柄の研究員は部下たちにそう命じた。
掘り起こされたのは、凍結された古代人だった。石棺に入れられていた古代人の容姿は、今までに発見された古代人とは異なっていた。毛先は水色で全体的に美しい金髪、スッと伸びた鼻筋、そんな綺麗な顔立ちに対し、金属のようなものでできている鋭い爪。装飾ではない。元からこのような爪のようである。さらに、背中には小さな羽が生えていた。
「こりゃ最高だ!!!ここまで来た甲斐があったもんだ!!!ははははは!」
「状態もいいですねぇ…。あとは持って帰って解剖してクローン作って…。あぁ!!すごく楽しみです…!!」
「あぁ!!よくやく、ようやく見つけたぞ!!!」
研究員らは発見した古代人を持ち帰ることにした。
しかし、彼らの研究所がある国は南側に位置しており、輸送にかなりの時間がかかる上、船で超低温を保ちながら輸送したことはなかった。そのせいかエラーが度々起こり、輸送中に古代人の遺体が少しずつ溶けてしまったのである。
「くそっ!!!おい!!何してやがる!!早くどうにかしろ!!」
普通は、融解してしまうとサンプルの状態が悪くなってしまう。そのことを恐れ、研究員の1人は怒鳴り散らした。
ピーピーピー。
響き渡るエラー音と怒鳴り声。船内は騒然としていた。
そんな中、さらに驚きの声が加わることになった。
「€Δ¿」
「「?!」」
「おいおい…。まじか…。こいつ生きてんじゃねぇか」
「ほぉ…。凍結された状態から…。ふむ、生きているなら実験の幅が広がりますねぇ…。そうすれば、あれもさらに進むかもしれません」
「神は俺らに味方したってことかぁ?最高だぜ!!」
これが古代人の彼女にとっての最悪の始まりだった。
はじめまして。ラクトです。
読んでくださりありがとうございます。