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1話 謎の存在と好奇心

本編始動! いや前回のプロローグも一応本編ですが……

「過去の記憶を維持したままこの場所に訪れていますね?」


 ぼんやりした頭に流れる声はすっと身体に染み込むような綺麗な声音。五感は正常に働いている、だが肝心の体は無い。

 周囲は明るく真っ白な空間。眼前には光り輝く存在。


「儂は死んだんじゃろ? 交通事故で」


 深夜課金するためにコンビニに出かけた、近くのコンビニは徒歩10分程度の距離で、日夜問わず通っており軽い運動になると健康維持のための運動にもいいと思っていた、がその考えが仇となり儂は夜道で車に轢きかれた。

 服装は夜で歩くのに適するようライトが反射するよう蛍光タスキを掛け、服装も黒くしない様心がけていた。念のためライトも持ち歩いていたが、用心していた所で結果はこれだ。


「生前の記憶もしっかりあるようですね」


「あるがそれがどうした?」


「あなたにはかつての経験を活かすため、記憶を保持したまま異世界に行って貰います」


 今の儂じゃ無ければ言ってることを理解できな方じゃろう。だが今なら分かる、このわけの分からない状況も、この光り輝く存在が言ってる意味も分かってしまう。


「かつての経験と言うのはどっちじゃ?」


「両方です」


「なぜ必要か聞いてもいいかの?」


 記憶を活かすなら儂よりもっと有能なものなど五万といる。それらをくみ上げず儂をすくいあげる意図、意味が分からん。


「あなたの培ってきた経験は稀有なものです」


 自分でもそう思うがそこまで珍しい者なのだろうか?


「あなたは社会にいる間は立派に働き、身を粉にし世界を支える一つの部品となっていた」


 例え方は少し気になる言い回しだが、見るものが見たらそうとらえてもおかしくないのだろう、わしは社会や世界のために身を粉にし働いていたわけじゃないのじゃが。


「そんなあなたが社会から切り離され、一個人となった後。ここからの行動が稀有なのです」


「儂はそんなにおかしな行動を取った覚えはないぞ?」


「あなたの価値観からすれば確かにそうでしょう、ですが世間一般、世界からしたらあなたの行動は珍しく予測しがたいもので有ったのです」


 一度たりともゲームはもちろん遊戯をしたことが無い、そんな儂が思想も思考も凝り固まってしまった年齢になり、どっぷり浸かるのは確かに予想だにしない行動と言える。

 だが仕事をなくし、趣味の無い人間が何かをはじめそれが趣味になる。それの行動自体はおかしなものではない。人は知識を求め知らないものを知りたがる生き物なのだから。


「一つ目はゲーム内をリアル……会社とみたてて行動して居たこと。二つゲーム内における地位を目指したこと。三つゲーム内での報酬に価値を見出さなかったこと。このどれもが普通ではありえないものなのです」


 確かに光り輝く存在が語った三つは全て普通ではないことだ。

 実際それが原因でいくつかのトラブルも起きた。だがそれでも潤滑に回っていた自信ある、それに何よりそう言ったトラブルを乗り越えてこそ絆や信頼は深く太くなっていく……


「そこであなたには異世界に言って貰い、剣や魔法を行使し世界を平和にして欲しいのです」


「世界の平和……また漠然としておるの」


「えぇ、多くの問題を抱えておりまして……詳しくお話すると時間がかかりすぎてしまいますので、今急を要する部分をかいつまんでお伝えします」


 それほどまでに世界は混沌としているという事なのじゃろうか?


「今急を要するのはパーティーの膨張です、そして後継の育成この二点です。後継の育成に関しては一朝一夕ではどうしようもないのは理解しております、ですが今のままでは人類滅亡もそう遠い未来の話では無くなります」


「また大層な話じゃな」


 剣と魔法、ファンタジー要素の有る世界ならモンスターが蔓延っていても何ら不思議はない。それゆえの人類滅亡かもしれぬが、それでも少し大げさすぎる気がする。

 儂のやっておったソシャゲにはモンスターなどは出てこなかったが、コラボなどで行った先にはそう言ったゲームもあった。だがそこで得た知識を元に考えると、当たり前じゃが勇者と称される主人公が敵を倒し、世界平和をつかむ。

 じゃが今回の話はそう簡単な話じゃない。


「それに儂の記憶を知っておるなら、儂の心、気持ちがどう変化したかも知っておるんじゃないのか?」


「えぇ存じ上げております」


「なら」


「その上であなた様には自身の好きな様に行動し、その上で私の勝手な望みをかなえて欲しく思っております。それが出来るとも」


 まだ儂はこの者の事をなにも知らない、そんな相手の願いを聞き届ける自信はない。だがそれも承知の上で好き勝手に行動した結果、この者の願いをかなえる可能性が幾分が存在しておる。

 おそらくこの者はその可能性が極めて高いと踏んでおるのじゃろう。


「なら構わん、が後継の育成と膨張中のパーティーを止めるためには力が必要じゃそれはどうする?」


 チュートリアルをスキップし、重課金装備を与えられたとしても使いこなすまでに時間が必要。

 最短ルートをたどったところで結局ある一定レベルの時間は必要とされる。もちろんゲームバランスを壊すような代物を与えられたのなら、一瞬で事をおさめることが出来るじゃろう。

 だがそれでは何も面白くない。他者の築いた者を上澄みだけをすくう行いに興が乗る訳はない。何より、何かを得るためにはそれ相応の対価を支払わなければならない。


「それはもちろんそうですが、初めから最強装備を与えてはあなた様の気が失せてしまいますでしょう?」


「もちろんじゃ」


「ですから経験値を効率よく得るよう加護を与え、向こうで行った行為に対するポイントを付与し、そのポイントを利用することで特典を与えると言うのはいかがでしょう?」


 初めは少し優遇し、それ以降は己の努力次第で様々なものが手に入る。

 初心者キャンペーンに課金の様なものか。課金は儂だけに許されたシステムと言うのが少しせこい気がするが、多少のずるは目をつむろう。


「それなら構わんが、そのポイントの入手方法はどうなっておる? 簡単な行いで得る大量の報酬なら話者受け取らんぞ?」


「承知しております。私の願いを叶えてくれた時……だとあなたの利が少なく、私の利がおおい。ですので向こうの世界に行った時の先住民のあなたへの好感度を数値として一定数を満たすと渡すと言うのでどうでしょう?」


「それなら構わん」


 儂をのせるのが上手いとでも言えばよいのか、全てこの者の掌の上で転がされてる気がしてならん。

 仮に転がされているのだとしてもこのころがされ方は不快ではない。


「もう二つ。そのポイントと言うのはどうすれば使用することが出来る? それと付与された時の通知はどうなる?」


「両方ともテレパシーで通信可能ですが、携帯の様な端末で連絡を取ることも出来ますがどちらにします?」


「ならテレパシーで構わん。儂の思考を一方的に受信する訳じゃないのだろ?」


「はい、ポイントの付与及び使用時にのみテレパシーを使用可能としております。他にテレパシーを使用する際は遅延が発生されます。連絡をいただきましたら時間を空け、再度こちらからの連絡を取り直す形になりますので、今のうちに質問がございましたら」


「構わん、効くより慣れろじゃ。現場のもんはそうやって育って行く。結局聞いてもそれに対しての知識だけで、活用するには実践あるのみじゃ」


「分かりました、ではご武運を」


 その言葉を最後に周囲の光景は暗転した。いや意識を失ったと言うべきなのかもしれない。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「まずは情報を集めねばならんな」


 意識を取り戻すのは早かった。と言うより、暗転から数瞬の間ののちに広場に転移させられていた。

 町は緑が綺麗で広場の中央に位置する噴水は日の光を浴び反射し少しまぶしい。


「儂のやっておったゲームの知識はどの程度活かせるか分からんが、多少は他のゲームも齧っているため何とかなるじゃろう」


 人口密度の低い広場の中央を突っ切るようにして一つしかない出入り口に向かう。

 広場を出るとそこに広がるのは三本の道とよくあるファンタジーの様相を呈した町並み。


「どこの道から行くかの?」


 三本ある道の右を選択し進む、理由は特にないが広場を沿うようにしてつながるこの道を選べば町の形状くらいは分かるかもしれないと思ったためだ。

 まずは地理の把握と読み書き、通貨の確認をしていく。話しかけると通じなかった際の対処が面倒になるため、道行く人の話に聞き耳を立てる形で対話ができるか確認する程度にとどめておく。


「ここは左か」


 しばし歩くと広場から通じる三つの道の一つであり、正面にあった大通りと同じくらいの広さの道が左手に現れ、広場沿いの道から逸れ大通りに向い足を進めることにする。


「この道は武具の商売がメインなのか?」


 店内には入らず外から見るだけだが剣や槍、斧などの様々な武器を置いてる武器屋や、金ぴかの防具を店内に並べて目がチカチカしないのか疑問を抱かせる防具屋ばかりだ。

 そんな店店を眺めていると一つ疑問が湧きおこる。


「ライバル店と隣り合わせでよく経営出来るな」


 先程から眺めている店は全て雑多なものが置いてある。

 剣の専門店の隣に槍の専門店があるというわけではなく、様々な武器が置いてある店の隣に同じような品ぞろえの店が並んでいるのだ。

 防具は多少店に趣向が違うのか似た店は少なかった。


「字はよく分からなかったが、数字はこちらでも使われてるらしい」


 字はミミズがのたうったような字で正直読めない。数字ははっきり分かるが価格が分からない。流石に遠くで話しているしゃべり声を聞き取れる程質の良い耳を持っていないため、言語の違いはまだ確認できていない。


「町はしっかり舗装されているな」


 通路は日本ほどではないがしっかり舗装されている。

 馬車が通るにも揺れがあっても段差につまずくことは無いだろうと言う程度。

 町がしっかり整備されている所を見るにあの光源が語っていたような危機があるようには思えない。


「壁か」


 突きあたりには高くそびえる壁が立ちはだかり、右手には道が無く左手は少し細めの、広場周辺の道と同じ程度の道幅の通路が続いている。


「大きな壁だな」


 これほど大きなものを作るには重機が必要だろう、それにどれだけの鉄板やセメントが必要になるのか……足場もどうやって組み立てたのか、人員の確保はどうやったのか、どれほどの期間を要したのか等様々な疑問が湧いてくる。


「当初の目的を全て果たそうとしたら今日は潰れそうだな……」


 先程の大通りを歩いただけで一時間程度かかったため、もう日は高くに上っておりもう少しすればおり始める時刻。

 先程の大通りは道幅も広く普段は馬車とかを使用して時間短縮するのかもしれない。そうでなければ時間を無為に使用しすぎてしまう。


「身一つで来ちまったが少しは話を聞いてから来た方が良かったな……」

 

 一日潰すのはそれほど問題ではないのだが問題は食住だ。衣に関してはそれほど気に止められないのかよれよれズボンとポロシャツでも奇異の見栄で見られない。

 服装は向こうで来ていたダサイと言われるような格好の服なのだが……


「そう言えば見た目も変わっておったの」


 よぼよぼの年寄りをこの世界に送り込んで生きて行けるのか? と少し疑問に思っておったが、その辺はしっかり若返らせてくれたらしく、30代程度の平凡な顔つきになっておる。


「儂の若いころはもっとナイスガイだったんじゃがのぉ」


 容姿はさほど問題ではないためどうでも良いことに使う時間は今は無く、今後の方針を決める。


「まず今日はどう動くが」


 一つ目このまま町を徘徊し情報を手に入れ翌日飢餓状態で戦闘に出る。

 二つ目ギルドなどの機関に登録し依頼を受け報酬を貰い宿を探す。

 三つ目町から出て外で暮らす。

 四つ目は危険もあるが外に出て金と換金できるものを取ってきて宿を探す


「流石に三つ目の選択肢は論外じゃな」


 となると三つから決めなければいけない。そこで一と二で問題となるのはどちらを選択しても会話が必要で言語が通じない場合の対処方法。

 今現在言葉を交わしている人に会えど距離があったため内容まで聞き取れず、通じる言語なのかが分からない。

 店に直撃してもいいのだが、金銭もなく言葉が通じるかどうかの確認のためだけに行って守衛を呼ばれてもかなわない。


「言語は恐らく大丈夫だと思う……が」


 だろう、かもしれない、は足元をすくわれる可能性がある。最悪の状況以外は選択したくない。

 そのため最悪の自体も考えて行動した方が良い。今一番困るのは言語が通じる通じないより、なにより空腹だ。金銭も重要だがその金銭を手に入れるにも何かを行いその対価に得ないといけない。

 その過程に体力は不可欠。


「少し外に出てみるか」


 外が危険なのは分かる。だが危険を冒さずして得るものは無い。冒す危険が大きければそれに応じたリターンがあるというものだ。

 低リスク高リターンは有りはしない。見た目は低リスクでも表面には見えない何かが裏に隠れている。


「武器くらいは欲しいのだが、買うために必要な金もないしどの道でないといけないんだしな」


 決心が付いた頃を見計らっていたかのように新たな道が登場する。

 右手には開かれた門が、左手には広場を出てすぐにあったと思われる大通りが、正面には今通ってきた道と同じ道が。


「武具通りと同じくらいの時間があっかるかと思ったが、思いのほか時間はかからなかったな」


 普通なら同じ距離を歩く場合行きより帰りの方が体力面的にも速度が落ちる、それなのにもかかわらず先ほどの大通りより短いとは言え明らかに短時間でここまで来ることが出来たことに違和感を抱く。


「これが光の存在が言っていた効率のいい経験値稼ぎの加護とやつか? もしそうならこれは課金によるブーストと言うよりチートに近い気がするな」


 だがチートが公式公認なら今後このブーストに見合う働きをすれば構わない。

 身一つで何の関わりもない人のためにこの身を犠牲にすることを考えれば相応の対価でもあるとも言える。

 ゲームバランスを壊すようなら課金システムを使用して抑制してもらえばいいだろう。


「外も緑で綺麗なんだな」


 門を出て広がる光景は一面草が多い茂り人が歩く道は。往来によってつくられたと思われる物が一本伸びるだけの殺風景な物だが、この殺風景さが風情を醸し出しいつまででも見ていたいと思わせてくれる。

 周辺に森や山の様なモンスターなどが湧きそうなポイントが見当たらない。この草原でもモンスターが湧くのならいいのだが……

 だがモンスターが湧く近隣に拠点となる町を建設はしないか


「往復の時間を考えると野宿も考えないといけないか」


 この選択は愚策だったか?

 どの程度のモンスターがそこで湧くか分からない中、町を飛び出し冒険に出て居ては命がいくつあっても足りない。

 まずは下積みが必要なのだが……


「町に戻ってこれる範囲での探索なら何とかなるか?」


 町に帰ってくる冒険者もいるだろうし、町の周辺に強敵が湧くことは無いだろう。一匹とも遭遇できなかった場合冒険者ギルドを探して一泊くらいできないか相談してみよう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「軽く道なりに歩いたが、やはり道なりに歩くだけだとモンスターと遭遇は出来ないか」


 人が作った場所に姿を現すとどうなるかは学習するだろう。仮に姿を現した者が全て狩られ経験を積めなくとも、帰ってこない仲間がいれば流石に危険だと判断はつく。

 そこまで知性がある相手なら人間がいつまででも勝ち続けることが出来るのか疑問にもなるが……


「だが実際獣も火を嫌ったり、群れを嫌ったり、大きな音を怖がったりする修正もある。知性がなくても直感で判断くらいできるか」


 道なりに数十分程度歩いた辺りで方向を変える。

 流石に町が見える距離ではなくなったため方向感覚を失えばどちらに替えればいいのか分からなくなりそうだ。光が差すうちならまだ分かるが、日も傾きかけている。


「モンスターとの腕試しがこんな心もとない格好でしなくちゃならないとはな……」


 拳で倒せるのかと言う疑問もそうだが、鎧もなく防具が無いこの格好で相手の攻撃をどれほど避けれるのか。帰る時の体力も考えると避け続けることも出来ない。

 何より流石に少し腹が減ってきた。


「軽くあしらえる程度の敵で、出来れば肉が付いてるやつがいいな」


 願望を口に出したと同時に眼前の茂みが揺れ動くのを発見する。


「これはモンスターか動物か?」


 茂みの高さは大人の膝を隠す程度。その程度の高さの茂みに身を隠すとなると、身体も小柄なモンスターか運が良ければウサギなどの小動物の可能性がある。


「様子を見たいが、逃げられては困るし」


 茂みの中にいる存在を目視するには近寄らなくてはならない。気配を殺さなければ逃げられる可能性がある、また先制攻撃を許すことにもなる。

 が思考を巡らせるほどの時間があるとは思えない。


「天に運を任せるのは気乗りしないが、光の存在お前の願いをかなえる前に死ぬようなことは無いだろうな?」


 そんな言葉を呟き揺れた茂みの方へ歩を進める。


「うさぎ、うさぎ、うさぎ」


 小声で願望を呟き揺れた茂みのところに到着する。

 隠された姿を晒すよう茂みをかき分けると同時に臨戦態勢を取る。

 すると姿を現したのは


「君誰?」


 食料となる小動物でも金になりそうなモンスターでも無く、みすぼらしい少女がそこにうずくまっていた。

 茶色い髪に茶色い瞳、日本では見慣れない容姿。つり気味の目は怯えているのか警戒しているのか敵意をあらわにし、服装は薄いボロ布一枚。

 服装に関しては儂がどうこういえる格好はしていないのだが……


「こんなところに一人で居たら危ないよ?」


「さ、触らないで!」


 手を差し伸べ立たせようとする俺の手を見て叫ぶ少女の声は、恐怖に彩られているが綺麗な澄んだ声をしている。

 なぜこんな小さな子が町ではなく外に居るのだろう?


「おぉ探したぜ、こんなとこに隠れていたのか」

「ちっさいから探すのに手間取っちまったじゃないか」

「なに逃げてんだよ」


 そう言ってどこから姿を現したのか少女を挟むように対面には三人の男性が立っていた。

 少年と言うには大人びており、大人と言うには幼さを残すような年頃の三人。


「この子は君らの仲間なのか?」


「誰だおっさん?」

「こいつが俺らの仲間?」

「おっさん頭大丈夫か? こいつが仲間なわけないだろ? こいつは俺たちのペット。物だ」


 この子たちは頭でも打っているのだろうか? 赤青黄色の頭髪だけでは飽き足らず、発言も何やら物騒なことを言い出すし、何より初対面の相手にこれ程失礼な態度はあるのだろうか?

 何より一番気に食わないのは、一人の人間を捕まえて物だペットだ言うのは少々いただけない。


「この子が君たちの物だと言うのなら悪いが君たちにこの子を渡すことは出来ない」


「だからなんなんだよおっさん、俺たちの物に手を出そうってのか?」


「この子はいまから儂の娘になるんだから」


「はぁ?」


 面倒ごとには巻き込まれたくないし、この子の身に何があって物扱いされているのか分からないけどそれでも人を見下したり、物扱いしていい道理はない。


「はぁおっさんどこの田舎者か知らないが俺たち深淵の谷底を知らないのか?」


 何やら変わった名前を出してきたがこの世界に来て一日の儂に、常識を問おうとするのは間違いだ。

展開早いですね……もう少しじっくり書きたい! と言う思いがある中、冗長になってない気がするのでその点は良かったのかなと思ったり……ただ長い、分割して三話にしてくれとか自分で思ってしまうくらい長い!!

取りあえず少女の正体や三人衆の正体等々は次回次々回あたりで明かされますのでしばしお待ちを

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