1.金髪ロリっ子
誰もが目を引くようなサラサラできめ細やか、美しい金髪。
まるで燃え盛る炎のように赤く、引き込まれてしまいそうな妖艶に燃える紅眼。
背丈は平均的成人男性半分以下、幼い身体に大きな瞳。どうみても10歳前後にしか見えないゴシックロリータの服を着ている女の子。
それが私だ。
「おじょーちゃん、1人みたいだけど迷子かい?」
「迷子などではないぞ!失礼な奴め。」
恐らく親切心で話しかけて着たおじさん。しかし私はその一言に気分を悪くする。
なんせ年の離れた若造におじょーちゃん呼ばわりされたのだ。勘違いする気持ちが分からないことはないが、少しくらい怒っても許してほしい。
「じゃあ1人でお出かけかい?それは危ないぞ。」
それでもめげずに話しかけてくるおっさん。どうやら引く様子はない。言うしかないか。
「私は1000年以上生きてあるのだぞ?子供扱いはよしてくれ。」
しかしおっさんはそれを聞いて大爆笑した。
「あっはっはっ。それはないだろう。いくらなんでも1000年はぷふっ。」
少しイラっときた。
しかしおっさんの反応も仕方がないというもの。この国の平均寿命は50歳くらいなのだ。なのに1000年以上も生きていると言っても信じるわけがない。むしろ冗談として捉えるのが正常だろう。
証明する手段もないしおっさんが笑っている隙をついて人混みに紛れ込む。
そして徐々に徐々に距離を取り、走って家に帰った。
面倒ごとに巻き込まれないように生きる。これがここ数百年間私が徹底していること。静かにのんびり生きていけばいいと思っている。
まあ、成長しない…というより死なないから1000年以上も生きているわけだ。
なぜ死なないか理由は分からない。傷口はすぐに塞がる。それが腕を切断するようなものでも数ヶ月で生えてきてしまう超再生能力。心臓を失った時も、頭を吹っ飛ばされた時も気を失っている間に復活した。これが私の先天的なスキルだ。
今は長く生きられる事を活かして存在するありとあらゆる魔術、体術、剣技など様々な事を学んできた。
その間にいくつもの国が滅び誕生した。それを間近に見てきて今も生きているのは私くらいだろう。
今私が暮らすこの国も300年前に出来たものだ。
おっと、この話をすると長くなりそうだから今はやめておく。
とにかく私は超長生き、そんで死なない成長しない、超治癒能力を持つ最強美少女という事は理解いただけただろうか?
それさえ分かってもらえれば今回は満足だ。
えっ?もっと私のことを知りたいだって?
それはまた今度詳しく聞かせてあげよう。