第6話 戦利品とメーセージ
「これはすごいな。」
使用者仕様なのか自分では半透明に見える自分の手や身体を見つめる。
家に帰ってきた俺はちゃっかり貰って帰ったエンブレムを試しているところだ。
(ちなみに、生徒会には暴漢が透明になったりした事は割愛してあるし、シェリーとミシェルもまだ心の余裕を取り戻す途中だったのかその辺りの事はなんのツッコミもなかった。エンブレムは捕縛してる最中にむしり取ってある。)
「MPはどれくらい消費したかな?」
お手製のカードでステータスを確認する。
このカードはギルドが発行する用のカードだが、ギルドが登録されていない未使用のものをちょっと改造して普通のギルドカードとして使用可能にしたものだ。
普通のギルドカードと同じくステータスが確認出来る。普通のギルドカードと違う点は登録してあるギルドがないのでそのステータス情報の送信先がない。
幼少クラス時に色々本を読み漁っていた俺は情報漏洩が嫌で対策としてこういう事を色々している。
肝心のステータスだが、
マコト
魔法戦士タイプ
ヒューム
男性
Lv(総合戦闘レベル)18
HP (体力)95/95
MP (魔力)94/105
STR(物理攻撃力)25
VIT (物理耐久力)13
AGI (素早さ)21
INT (魔力適正)27
で、MPは11減っていた。カードを見ている間にも更に1減った。
透明化は維持しているので、
発動で10消費し、維持で地味に減っていくといったところか。と、また1減った。維持で減る速度が結構早いな。余り長い時間は使用できないようだ。
前の持ち主は相対してから消えるというトリッキーな使い方をしていたが、(MP少ない感じだったし他に運用方法がなかったのかもしれないが)索敵や隠密行動に非常に強い効果を発揮しそうだ。
その後も検証してみたが
音は普通に漏れてるし、気配に鋭い感覚を持つ人には音を立てないでいてもバレそうだ。学園のシステムでもしっかり認識されてたしね。
〈 ピロン 〉
検証を終えようとしていたところに
そのシステム音が鳴る。
今日貰った
ポーンエンブレム(オリジナル)
にメッセージが入っている。
────────────────
本日はお疲れ様でした。
捕縛した男ですが、尋問するまでもなく同じ手で何人も誘拐を繰り返している指名手配犯でした。
ギルド組合から褒賞金も出ますよ。
以下は生徒会会合案内状です。
次回の生徒会会合は
4の月の第2週の氷の日です。
お食事を用意してありますので
お昼の鐘の後にお越しください。
場所は生徒会会館3階第1会議室です。
各エンブレムの代表者は必ずご出席下さいますようよろしくお願い致します。
という事でポーンエンブレムのオリジナルを持っているマコトさんはポーンの代表者として出席をお願いします。次回以降はなるべく外せる分は外しますので、次回だけは必ず参加ください。
生徒会書記 パンナコッタより
────────────────
氷の日って事は4日後か。
要職に紹介する気が満々だな。役職がつく気配は今のところなさそうか?
付けないって言ったんだしそこは信じるか。タダ飯にもありつけそうだし、念も押されてるし、しょうがないから出席しますか。それよりまずは最初の授業だな。クラスAは明日は朝から広場に集合だったはず。外って事は実戦による適正テストかな。幼少クラスの時にもあったんだが、戦って適正を見定め、その人にどんな授業があっているかオススメしてくれたりするのだ。何が向いてるか自分でも分からない人は結構多いしね。さて寝るか。