表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

第5話 シェリーとミシェルとの会話

食事を口に運び出してすぐに生徒会の面々は席を立った。


「すまないが、もう戻って後処理をしないといけなくてね。」と言いつつ手を振り踵を返す生徒会長。


(生徒会長、まともに喋れたんだな。)


さらに副会長が続く。


「エンブレムを受け取って貰えて助かるよ。候補者選びが難航してたからね。週末の会合も宜しく頼む。」


去り際に微笑みながらそう言われ、


つい「はい。」と返事をしてしまう。

ちょっとの間だが見とれてしまった。


「えっ?何の会合?」


と続けたが既に副会長は背を向け、足早に遠のいており聞こえていないようだ。


会計のパンナコッタさんは屋台の人に串をお持ち帰り用にまとめて貰っていたので、そっちに聞いてみる。

(この人も喋ってたから食べれてないのね。)


「ああ。忘れてましたね。詳細まとめたのがあるんで後でエンブレムに送っておきますね。では」


それだけ言うと会長達を追いかけるのか走り出した。


「待って下さいよ〜」


−−−−−−−−−−−−−−−−


やはり生徒会の役員ともなると

忙しいんだな。

嵐のように去って行った。


串焼きは学園の近辺に出る兎の肉で冷めかかっていたが美味しい。


対面席が空だが、

改めて味わっていると残っている被害者2名が話し掛けてくる。


「マコトさんは生徒会に所属されていたんですね。どおりで強いはずです。」


とミシェルの方が話し始めた。


お腹に食べ物が入り落ち着いて改めて2人を見てみた。


まず、ミシェルは三つ編み眼鏡でこの辺では珍しい黒髪だ。と言っても俺もナーニャも黒髪だったりするんだが、なんとなく博識な雰囲気がする。襲われていた時のやり取りからシェリーの友人というよりは付き人な気がする。かなり可愛い部類に入ると思うが隣にもっと存在感がある人がいてそっちに目がいってしまう。

シェリーだ。こちらは金髪で髪が縦にクルクルしている。上品な服を着ているが出るところが出ていて色気と何か無視できない存在感があり、気がつくとつい顔を向けてしまっている状態で、自分が男である事を認識してしまう。

比較対象として先程までいた副会長のリナ・インパルスの容姿も述べておくと、こちらはウェーブのかかった茶髪で凛としたたたずまいはバルキリーのようで神々しさを感じさせるような雰囲気でファンがいっぱいいるのも納得だ。


「生徒会に所属してると強いんですの?」


串焼きの肉をモグモグしていて答えられずにいると、横から質問が飛ぶ。


「生徒会は学園を自治している組織ですからね。治安維持を第1に実力主義で組織を構成しているので、まずそれなりの実力を示さないと、ポーンのエンブレムですら貰えません。

だからさっきのお三方は物凄く強いはずです。」

と口の中の肉をムグムグしている間にミシェルが粗方回答してくれる。


「色々ご存知なんですね。確かに生徒会には所属してますが、運が良かったり、幼少クラスの恩恵があっただけですよ。」

追加で自分からも回答する。


実際、先に色々学んでいるから少しリードしている部分があるので幼少クラス上がりはその恩恵を得ることも多い。


「あの、私達からもお礼をしたいんですが、お食事にお招きしてもよろしいかしら?」


シェリーが自分の髪を弄りながらそう聞いてくる。


「えっと、テーブルマナーにも詳しくないですし・・


シェリーは身分の高い貴族の令嬢である可能性が高そうなので本気でマナー的な部分が足りないと判断して断ろうとすると目に見えて落ち込みの表情を見せる。


「では、今のように外で食事を提供するお店で代金を私達が持つというのであれば如何ですか?」


とミシェルが眼鏡をクイッと持ち上げつつ話を被せてくる。


「余り高いお店でなければいいですよ。あとナーニャも同席しても?」


捕り物の時も特に活躍シーンは無かったが俺の背後を守ってくれていたし、

実は俺の中での本命はナーニャで色々な思惑ありきで提案した。


「猫耳の方ですわね。勿論ですわ。マコト様と一緒に助けて頂いたんですし。」


簡単に了承された。あの時はショック状態でボーっとしてるように見えたんだがちゃんと記憶はあるようだ。


その後、同じクラスなので日程や場所の詳細は後で詰める事になってお開きとなった。2人はまだ寮が決まっておらず、王都に帰るとの事だったので念の為、学園の出入り口である正門まで送ると馬車が待機していた。やはり貴族なのだろう。


さて、「男子寮に戻るか。」


馬車を見送った後1人そう呟く。

既に日は大分傾いており入学の式典の喧騒が嘘のように人に会わないまま1人寂しく家に帰った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ