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第2話 入学の式典

朝食の後片付けをした俺はすぐに寮を出た。ここは学園に隣接されている寮の1つで比較的安い値段で運営されている寮だ。なので貧乏人が多い寮でもあり、幼少クラスからの面子は学校側の手続きでここに集まっている。

男女で寮が分かれておりここは当然男子寮だ。


向かう先は

王立ウィズダム学園の入学式典の会場として指定されている広場だ。

近づくほどに、同方向へ向かう人影が増え顔見知り同士で声が掛けあわれているため騒めきがうるさい。俺自身は知り合いに会う事もなく。会場に着いた。

既に大半は集まっているのか広場は人でごった返していた。

立札を持っている人がいたので、該当するクラスAに向かう。


聞こえがいいように思えるクラスAだが、実は単に学園の近所の人が集められているだけだったりする。何故こんなクラス分けがされているかと言うとこの学園には幼少クラスが存在しており、慈善団体的な働きで生徒を迎え入れている。

ほとんどの人は遠方から来た中で慣れてグループが既に形成されているとそこで摩擦が起きやすくなる。既にグループになっているならまとめてしまえばいいという考えのもとクラスAが設立されているらしい。

ちなみにAなのは例年そうなっていて最初にクラス決めするからAらしい。あと、幼少クラスの人数もそんなにはいないのとオブラート的な意味合いで近隣で構成という事らしい。


「あ、マコトだ。オハヨー」

「オッス。マコト」

「おはよう。」


さすがにクラスAに近くと声を掛けられたが、すぐに式典が始まりそうな気配で挨拶以上に声を掛けられる事はなかった。


どこからともなく厳かな音楽が流れ進行役と思われる女性の声が響く。


「これより生徒会長のヒート・ウィン様より開会の宣言が行われます。」


回りの人に驚いた様子の人は殆どいないが、全体で見渡すと結構な数がスピーカーによる音楽と声を張り上げていないにもかかわらず大きく響く声にびっくりしていた。


これは学園にある装置を使ったもので1つだけ条件があるが誰でも操作出来るようシステム化されていて、驚くほどのものではなかったりする。普通は国の中枢などで使われており学園であるというのは珍しいらしいが。


壇上に白いプレートメイルを着込んだ男性が立つ。

注目の第一声は予想外の一言だった。


「みんな、燃えているかい?!!!」


「おぉぉ・・・」

「オ〜?」


ごく一部の反応のイイ人が返事を返したり、返事も尻すぼみで回りを見回していたりするが、想定外すぎる問いかけで

そこに千人規模の人数がいる会場とは思えないほど静まりかえる。


ダダダダダッ


そこに足音が響き渡る。


生徒会長と同じような鎧に身を包んだ女性が足早に壇上に駆け上がると生徒会長の頭をはたく。


「熱血な発言するなって言ったでしょうが!!」


音を拾いすぎてキーンと嫌な音が混ざりつつ大音量でツッコミが入る。

そこで自分の行動に気付いたのか、


「失礼しました。」


と動揺を隠すために笑みを浮かべる。

それは見目麗しい、眉目秀麗な微笑みでファンクラブが出来そうだと思えたが、前後の行動から難しいかもと思い直す。


すぐに戻ってくる事になるのだが何事もなかったように生徒会長を引きずりながら壇上を降りていった。


進行役の人も慣れている事なのか声に動揺の色はまるでなくこれで予定通りかのように話を進められる。


「次は副会長リナ・インパルス様から本日のオリエンテーションの説明をお願い致します。」


「ちょっ、早すぎません?」

「そうは言っても会長の後は副会長の番です。アナウンスしてしまいましたし早く行って下さい。」

マイクが全部の音を拾っていて筒抜けだ。


マイペース一直線な進行役に促され

グダグダ感満載で先ほどの女性が壇上に戻ってきた。


「本日は皆さんご入学おめでとうございます。本学園は遠方から来られる方も多く生活が一変する方も多くこれから大変かと存じます。

また、皆様は国の兵として高みを目指すか、一流の冒険者になるかを目指されて入学される方が殆どかと思います。入学が叶い安心されているかとは思いますが、新しい生活の中で更に高みを目指し、努力を続けなければ卒業には至れません。

本年度の卒業率は70%でした。これは高い数値と言えますが、しかし3分の1の人は留年や退学となっている訳です。

また、数%ではありますが大遠征などの難度の高い訓練などで死亡者が出ています。

会長の熱血が少しうつってしまったようですが、死亡率は是非とも0%にしたいと考えております。学園が盛り上げられるよう。より良い学園になるように頑張ってまいりますので、皆さんも自身の研鑽と学園への協力をお願い致します。」


絵になる美女が非常にまともな事を喋る。

先ほどの落差もあるのか会場は

大盛りあがり(主に男性)になっていた。


その様子を見てやっぱりファンクラブは既にありそうだと思うのだった。


その後レクレーションの説明があり、続いて学園長が壇上に上がった。

が、長い間を取って全体を見回し。言葉少なく、今年は国からの予算が例年より多くなったので行事が充実するかもな話だけをして降りていった。例年は学園長は出て来ないらしい。そもそもこの学園の学園長は監査の役割であって長として認可する権限は持ち合わせてはいるがわざわざ行事に参加する事は稀な事らしい。いったい何をしに来たのやら。

キャラクター紹介2


ナーニャ


猫獣人?黒髪ロングストレート。普段は戦闘の邪魔にならないようにお団子にしている。耳と尻尾も黒。機敏なスピードファイター。魔法は使えない。食べ物に釣られる。抜けているところがある。

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