第1話 朝食
カラーン、カラーン
遠くで教会の鐘が鳴っているのが聞こえる。朝の鐘だ。昨晩は寝付けなかった寝過ごさずに済んだようだ。
眠い目をこすりつつ朝食の用意に掛かる。
ベーコンを薄く切ってフライパンで焼き、でかい丸パンをスライスして、魔法が動力源の冷蔵庫から牛乳を注ぐ。ベーコンを皿に移しているとタイミングよくノックの音がした。
コンコン
「おはようニャー」
ゴン!
声の主は勢いよくドアを開けようとしたのだが、ドアは開かずにその勢いで頭をぶつけたであろう音がした。
ガチャ
「おはよう。何回繰り返したら学ぶんだ?」
俺はそう質問しながらドアを開ける。
「タハハ。」
そこには苦笑いを浮かべつつおでこをさする猫耳の生えた女の子が立っていた。
しかし、瞬く間にその姿はなくなっていた。
「ベーコンの匂いが読んでるニャ〜。」
無駄?に高い身体能力でドアの僅かな隙間を音もなく移動し俺の背後へと回り込んでいたのだ。振り返ると既に席への移動を完了し手を合わせている。
「いただきま〜す」
「ちょっ、まっ」
慌てて自分も席に付く。
「やっぱりここの牛乳は最高だニャ〜」
毎日朝食を食べにくるので元々2人分用意はしてあるが、油断していると2人分食べてしまうので、いつの間にか食べられる前に自分の分を食べる習慣になっていた。
「このベーコンはもうちょっと厚切りにして欲しいニャ」
「なら、材料費を払え。」
「嫌ニャ」と一言だけ即答が返ってきた。
正直なところベーコンを厚切りにする程度には稼いでいるのだが、どこで入り用になるかもしれないのでまずは貯蓄だよな〜。と相手の返事を流しつつテーブル越しの相手を見つめる。
ご飯に釣られて来ているだけのような気もしないでもないが家族のいない身としては朝食を一緒に食べてくれる幼い頃からの知り合いがいるのはすごくありがたいよな。
などと眺めながら考えていると、?な表情を浮かべた猫娘がサッサと席を立つ。
「ごちそうさまでした。えーと、先に行ってたらいいんだよね?」
「ああ。また後でな。」
前の日に話していた事を覚えていたようだ。一応ここが男子寮の一室でありそこから男女が一緒に登園するのは色々と不味そうなので(実際は朝ごはん食べてるだけなんだが)先に行くように言ってあったのだ。
「さて、俺も出る準備をしないと。」
朝の嵐が通過した後を見ながらそうボヤくのだった。
キャラクター紹介1
マコト
男。学園のある地に幼い頃からいた。本を読むのが好きで、魔法も本から学んだ。エンチャント魔法が得意分野だが、普通の魔法も使いこなし剣術等の近接戦もこなす。
適正テスト時
Lv(総合戦闘レベル)18
HP (体力)128
MP (魔力)108
STR(物理攻撃力)26
VIT (物理耐久力)15
AGI (素早さ)21
INT (魔力適正)46