ポテト王国の日々 2 〜ナイト〜
さて、そんな戦闘力に関わるこの世界の概念、レベル、スキル、魔法について話をしよう。どれも名前を起源として得られる力だ。
この概念を確立したのは技術という名の研究者…云々の話は置いといて、とりあえず概念は人から人へ、国から国へ、親から子へと伝えられて世界の常識となっている。
まずは現在の俺のステータスを参考に説明する。
ちなみにこのステータスは名前を元に、鑑定のスキルを持つ人に見てもらうことで知ることが出来る。
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名前: ナイト・???
レベル: 5
魔法:
・星灯
スキル:
・夜目
・剣技
・睡眠回復
・夜行性動物使い
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まず気になると思うので先に説明しておくと、姓が?なのは、俺の姓がわからないからだ。
名前には姓名がある。自分だけの名前が最も大きな力を持つが、次によく呼ばれる姓も大きく力を持っている。
姓名の組み合わせでも個性が分かれると言ってもいい。ちなみにソイルさんのフルネームは「土・育」。土を育てる、まさに農業が天職な名前の人だ。育てるという意味では、俺もじゃが芋同様にソイルさんに育てられてるので、まさに育ての父だ。
俺は出生がわからないので姓は不明。なのでステータスでは?が並んでいる。鑑定はあくまで名前を元にステータスを分析するので、わからない部分は見るとことが出来ない。ただ、鑑定師も姓があるかないかはわかるらしく、俺は姓を付けられてはいるが、わからないという状態だ。
じゃあソイルさんやクトーさんの姓を名乗ればいいのではという話だが、名前は大きな力を持つため、改名や改姓はかなり大ごとだ。その人の人生を変えると言ってもよい。
名付けの儀式を持って、改名改姓は行われる。古き名前に感謝を表し、新たな名前を神と周囲に認められ、名に恥じぬように生きることを誓う儀式だ。俺は古き名前にあたる姓がわからないため、改姓したくても出来ないのだ。
でも一番の理由としては、命を賭してまで俺を助けた親がつけた名前、そして繋がりである姓を大切にしたい俺の気持ちと、大切にして欲しいソイルさんとクトーさんの気持ちが大きい。
さて、話を戻そう。
まずレベルについてだが、名前の力の恩恵を受けてその人の経験値が溜まり、魔法やスキルが発現するような出来事を経験することによって、レベルがアップする。
俺は現在レベル5なので、合わせて5つの魔法とスキルが発現している。
レベルアップは魔法とスキルの数を表すだけでなく、肉体と魂が一定の高みに達したことも意味する。一般的にはレベル5以上で街外の魔物と戦えると言われていて、冒険者ギルドへ登録する最低条件にもなっている。
ポテトで例えるなら、ほとんどが国内で農業を営む庶民なため、大体がレベル2か3で、たまに4がいる感じだ。俺みたいな外向き志向があったり、旅が必要な商人や城の衛兵だとレベル5以上がいる。
次に魔法について説明する。
魔法とスキルの違いを簡単に言うなら、詠唱と魔力が必要かそうでないかだ。魔法は詠唱と魔力を必要とする分、効果が大きいものが多い。そして、必要とされる詠唱や魔力が大きければ大きいほど強大な魔法になるのだ。
魔法ほどの力を必要としない庶民がレベルアップした場合、基本的にはスキルだけを取得する。
魔法は必要性や素質、魔力の有無によって取得できるか出来ないかが決まる。
ちなみに、俺の唯一の魔法である星灯は、星の力を元に、暗闇で無数の小さな灯りを灯すことが出来る魔法だ。
次にスキルについて。
スキルは詠唱や魔力を必要としない、その人に備わる能力が具現化したものだ。特技と思えばわかりやすい。
俺のスキルで言うと、
夜目: 暗闇での視力低下なし
剣技: 剣術を用いた技に優れている。剣装備時の攻撃力上昇
睡眠回復: 睡眠時の体力回復効果上昇
夜行性動物使い: 夜行性動物との相性大、信頼度上昇により会話可能。
という感じだ。
概念のくだりはこの辺にして、俺のポテトでの生活から物語を始めよう。