最終話 そして
「ユウマ様!」
リル達が駆け寄ってくる。
俺はそれに手をかざし…
まて、俺は何をしようとした?
「来るな!」
リル達を制止する。
虚無のせいだろう…何もかも消し去りたい衝動にかられる。
…いや、衝動にかられるってのはおかしい。そんな衝動すら無い。何もいらない…
『おい!しっかりしろや!』
グボナ?消えたんじゃ?
《奪い与える者により怠惰が強制付与されます》
はい?グボナのスキル?怠惰の強制付与?スキルを共有するスキルじゃなかったのか?
《怠惰を虚無に統合します》
《スキルブレイカーを獲得しました》
はい?退化した?
『リルちゃんにも手を上げようとしやがってスキルなんかに翻弄されてんじゃねぇよ!冥土の置き土産だ!これからしっかりやれよ!』
おい!
グボナ!
冥土ってマジか?
グボナ!
「グボナ!」
「ユウマ様?大丈夫ですか?」
「…………」
「グボナ様は…」
「…………」
「そうですか……サラさんが悲しみますね」
リルは…っと聞こうとしたが、聞けなかった。
悲しくないはずがないじゃないか……
リルは瞳に溜めた涙を必死に堪えていた。
あれから5年たった。
あの後、教国ではお祭り騒ぎ魔国でも俺達を歓迎したいと申し出があった。
しかし、俺たちはそんな気になれなかったので辞退した。
グボナ…常にチャラい態度でみんなを和ませていた家族のムードメーカー。
しかし最後まで自分のスキルの本当の効果を黙っていやがった。
奪い与える者はスキルを共有するスキルじゃなくて、スキルを含めた能力を強奪でき、さらに与える事が出来るスキルだったのだろう。スライムに使えなかったのは俺のスキルブレイカーのせいなのか、ステータスは無理だったのか、今ではもう分からない。
彼奴は思えば最初から詐欺師的な感じもあったな。俺なんかよりずっと嘘が上手かった。最後まで本名名乗らなかったしな。
もう会えないが……
サラとリルは奴隷解放した。もう必要ないと判断したからだ。
サラにグボナの事を話した時は泣き崩れていた。あのサラがだ。本当にパートナーだったのだろう。サラは奴隷解放と共に旅に出た。あれから帰ってきていない。
俺とリルはその後も集落でくらし、アメやヨルムと過ごしている。
遊戯の神さんの依頼で新しくくる転移者の説明係なんかやって過ごしている。
だがやはり、左隣が寂しく感じる。サラとグボナの席はまだそのままだ。
ある日サラから手紙が届いた。何でも近々集落に寄るそうだ。
本当に久しぶりだ。アメに言ってご馳走準備して貰って、ヨルムも呼ぼう。ユリカやホノカ、レンやじぃさんも呼んでやろうか?
なんてワクワクしながら待っていたら……
「おかえり、サラ」
「ただいま戻りました主人殿」
「もう主人じゃないぞ?……で、そちらの方は?」
サラが男連れて帰ってきた!一大事や!
俺が認めないとサラとは付き合わせんぞ!
「分からねぇかな〜?俺だよ俺」
「俺俺詐欺師に知り合いはいません!」
「かわらねぇなぁ〜これでどうだ!」
ボンっと言う音ともに煙が立ち込める。
煙が晴れた時に男の姿は無かった。代わりに一本の投擲槍がある……
「グボナ!」
『おぅただいま!』
思いっきりグボナを地面に叩きつける!
『なにしやがる!』
「ずげー悲しかったんだからな!生きてたなら連絡くらいしろや!」
『いや。死んでたぞ?』
「へ?」
『転生ってやつだな。またどっかのダンジョンに刺さってたのをサラが見つけてくれてな。運命ってあるんだな』
「えぇ見つけた時は私も歓喜しましたよ」
「なんかずげーな」
ボンっと言う音ともにグボナが人型になる。
「念願だった人化スキルも手に入れたしな。ご馳走準備してくれてるんだろ?早く行こうぜ!やっとアメの料理が食える」
「あぁ行こうか」
皆んなで一緒にご馳走を食べる。
うん、幸せだ。
今日も神々の遊戯に付き合います。を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。
思いつきで始めたもののなかなかストリートを繋げるのに苦労しました。
しかし、読んで頂いてる方々が徐々に増えていくのが嬉しくて、何とか完結まで書き上げる事ができました。偏に読者様のお陰だと思います。
今はもう一作、おい異世界!商売舐めるなよ!を連載しております。
もし、よろしければ是非そちらもご覧下さい。
本当にここまでご覧頂きありがとうございました。




