第61話 暴食のスライム
教国にスライムが現れた。
スライムは全長10mほどで赤黒く濁っていて禍々しい姿をしていた。
俺は連絡を受けて転移魔道具ですぐさま教国へ向かった。今回はリル達も一緒だ。
「状況はどうだ?」
俺はホノカに尋ねる。
「どうだじゃないわよ!何よあの化け物!物理無効、魔法無効、暴食のスキルで傷も回復、食われた人達のスキルも吸収するってどんな無理ゲーよ!」
そりゃ無理だ。ゲームで出てきたら、これ負けるのが正解のルートかと錯覚しちまう。
だが、俺なら…
「俺ならさらにそれを無効にできる」
「でも…」
ホノカが何か言いかける。言いたい事は分かる。いくらスキルを無効に出来てもあの巨体にダメージが入る気がしない。さらに大人数で囲んでも此方もスキルが使えないのだ。
「今回はグボナと俺だけで行くぞ」
『マジかー!』
「俺がお前を持てば魔法が使えるだろう?巨体に穴あけてやれ」
『なんか嫌な予感するんだけど……』
有無を言わさずグボナを連れていく。リルとサラは城壁で万が一の時に備えて貰う。
スライムに近づいていくと勇者がいた。
「お疲れさん。下がっていいぞ。キツイだろ?」
「来るのがおせーんだよ!」
嫉妬の種は絶好調のようだな。軽く小突いて黙らせる。
「口の利き方気をつけろ」
「くっ!」
おっといかん。憤怒が発芽してしまう。平常心、平常心。
勇者を下がらせ、さらにスライムに近づく。
「グボナやるぞ」
『やだなぁ』
グダグダ言うんじゃねぇよ。スキルブレイカーの範囲を広げ、スライムを包む。
大地の籠手で下から貫き、グボナが上から魔法を浴びせる。
『やったか!』
ここに来てテンプレフラグたてんじゃねぇよ!いかん、平常心、平常心。調子狂うな。
当然の如くスライムがいる。スキルだけじゃなく、暴食で得たステータスは並みじゃないようだ。
グボナとひたすら魔法に籠手に蜻蛉切も使い攻撃を加える。
突いて、裂いて、燃やして…
俺とグボナの怒涛の攻撃は続く。スライムも触手のような物で攻撃してくるが、それは蜻蛉切で薙ぎ払う。
突いて、焼いて、焼いて、裂いて
どれ程攻撃しただろうか……かなり時間が経ったはずだ……
続いてグボナが魔法を放とうとしたが、不発した!
不味い!魔力が!
スキルブレイカーは通常状態なら魔力消費はないが、広げた時は異常に魔力を消費する。その上、グボナと籠手、蜻蛉切に魔力を割けば枯渇するのは当然だった。
魔力切れで朦朧とするなかスライムの触手が俺を襲う!
『ユウマ!』
グボナが叫んだと共に俺に魔法を放った。魔力切れした俺はスキルブレイカーの効果が薄い。通常時間50cmくらいだがこの時は1cmくらい貼ってあったらいい方だ。
そんな至近距離だから魔法でダメージはなくとも衝撃は伝わる。俺はグボナの魔法で吹っ飛んだ。おかげでスライムの触手から逃れられたが……
「グボナ!」
グボナが捕まった!
「グボナ!」
再度俺が叫ぶ!
『来るな!お前まで捕まる!』
「だが!」
『俺は大丈夫だから来るな!』
大丈夫じゃねぇだろ!
触手からスライム本体へとグボナが運ばれ、スライムに消化されていく……
「グ、ボ、ナ……………」
パキッ
何かが割れた音がした……
《憤怒が発芽しました》
あぁ憤怒か……
俺の目の前が真っ赤になる……
怒りと憎しみしか湧いて来ない……
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…………
怒りに任せて蜻蛉切で斬りつけるが、簡単に弾かれてしまった。魔力が枯渇してるんだ。スキルブレイカーも使えない。
《憤怒に断罪者が反応しました。スキルブレイカーが進化します》
はい?
《スキルブレイカーの進化及び魔力が足りません。無傷の殲滅者、瞬殺者、無慈悲なる者、断罪者及び憤怒をスキルブレイカーに統合します》
はい?
《スキル虚無を獲得しました》
妙に気分が落ち着く…グボナが死んだのに…
目の前に巨大なスライムが迫って来る。
しかし、俺はそれに手をかざし
消し去った
先日から新しい小説を掲載はじめました。
作風は変わりますが、宜しければそちらもご覧下さい。
おい異世界!商売舐めるなよ!
よろしくお願いいたします。




