第42話 勇者ヒジリ
〜〜勇者視点〜〜
俺は剣崎 聖、正義の女神とやらに異世界で活躍してくれと頼まれて来た。
やっぱ俺って天才だからな。神様を俺を頼りにしてんのさ。
転移した場所は王城で、皇帝が治める国だった。
皇帝は自分達が俺を召喚したように言ってるけど、俺は女神に転移させられてるから違うって知ってる。まぁへんに訂正する事でもないから、そのままにしとこう。
皇帝が言うには俺は勇者らしい。勇者だぜ?もっとチヤホヤしてもいいんだぜ?
魔王でも倒すのかと思って聞いてみるが、別の大陸にいるから大丈夫だと言う。んじゃなんで俺を召喚した(正確には召喚しようとした)んだよ?
一緒に聖女って言う絶壁女もいたが、そいつは今は教会に匿われてる。皇族と揉めたのか?
俺のスキルは剣聖。中学のあだ名かってーの。女神も悪ふざけしすぎじゃね?まぁふざけた名前の割に強力で、聖剣の力を引き出して剣聖技ってのを打ち放題だ!俺Tueeeeってやつだな。
正義の女神の加護は嘘をついてるか分かるってやつだ。俺を騙せる奴はいねーよ。
とりあえず皇帝が強くなって欲しいって言うから、ほとんどダンジョンって所でレベル上げの日々だ。クソつまんねーんだよこれが。
召喚から2週間くらいした時だったかな?南の領地が何者かに半壊させられたらしい。たった1人でだ。
イベントきたー!皇帝に俺に行かせろって言ったんだけど、俺を失う損失がデカすぎるって言われた。負けねーよ!俺を誰だと思ってんだよ!勇者様だぞ!
結局、南の領地を半壊させた奴はその後騒ぎを起こさなかったので、見送られた。名前はわからねぇが無傷の殲滅者って呼ばれてるらしい。いつか叩きのめしてやる!
また二ヶ月が過ぎたあたりに、今度は西に亜人の街が出来たらしい。この国は人族至上主義らしく、亜人共が国を乗っ取りにきたとか騒いでる。自業自得じゃね?っとも思ったが皇帝が泣きついてくるので軍を率いて出陣してやった。
悪しき亜人の殲滅戦だ!俺のデビュー戦だぜ!ヒャッハー‼︎
亜人の街付近に到着すると20人くらいが待ち受けていた。千の軍勢に対し20人?死にたいのか?
っと思ったが頭上に巨大な炎塊が出現する。相手さんになかなかの魔道士がいるようだ。
けどな…俺には通用しねぇーんだこれが。
俺の聖剣 ミスティルテインは魔法を斬る。俺はレベルで上がった身体能力で飛び上がり魔法を切り裂いた。
霧散した魔法を見て相手さんは撤退を決めたようだ。
いや…一人向かってくるな。
手足に鱗がある女が槍を持って向かってくる。一人…二人と此方の兵を倒していく。
ヒューやるねぇ〜
30人くらいやられたかな?そろそろ俺の出番だろ!
俺は槍を持つ女を鑑定する。竜人族?魔槍?はっ!初陣を飾るにゃいい相手じゃねぇか!
俺は槍を持つ女を聖剣で斬りつける。が、槍で防がれた。
「魔槍と聖剣。いい勝負じゃないか?」
女に語りかける。
「グボナ様は神槍だ!」
グボナ?槍の名前かな?
女は俺の剣を押し返す。聖剣の力で戦技は使えないのにやるもんだ。
「おおっと。やるねぇ〜」
ちょっと驚かせてやろう。
指先に魔力を込め唱える。
『《レイ》』
光の線が女の肩を貫いた。
はっ?竜人族ってのはこんなもんか?つまんねーな〜
「これで終わりだな!」
俺は女の首目掛けて剣を振り下ろす。
その時、地面が光った!
眩しい!
ガッ!
剣が何かに阻まれる感覚がある。
目を開けると知らない人族の男がいた。
誰だテメェー!
男は物凄い力で俺の剣を弾いた!
「てめぇか?俺の家族に傷をつけたのは?覚悟できてんだろうなぁ!」
家族?テメェーは人族じゃねぇのか?
関係ねぇか!
もう一度剣を振りかざし斬りつけるが弾かれ、腹に蹴りをもらい俺は吹っ飛んでしまった。
くそっ!
「タダじゃすまさねぇぞ!」
男は叫んでいる。
不味い…こいつ強いぞ…
鑑定しようとしたが弾かれるようで出来ない。
マズイマズイマズイマズイ!
男が近づいてくる。躊躇なく俺の足を槍で貫いた!
「ぐぁっ」
くそっいってーちくしょー。聖属性が使えればまだマシだが俺はつかえねぇー
兵が俺を守る為に突っ込んでくるが、男に薙ぎ払われ真っ二つなる…
うっぷ。
辺りに血の匂いが充満する…自分のしようとしてた事を後悔する。
男に胸倉掴まれ殴り飛ばされる…
もぅ無理だ。こんな化け物には勝てない。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
俺は帰還ように預かった魔道具を使い王城へと帰る。
傷を癒して貰ってから自室へと閉じ籠った。
あんな化け物がいるなんて聞いてねぇよ。体からは切り裂かれた兵の血の匂いがする。
オェ!
俺は吐きそうなのを我慢して自室の隅にいる。
暫くして兵の全滅が知らされた…
化け物…
その化け物が以前南の領地を半壊させた無傷の殲滅者と聞かされた。
俺は思い上がってたんだ…
後悔先に立たずとは良く言ったもんだ。
此れからは堅実に生きよう。そう誓ったのに…
床が突然光だし魔法陣が浮かぶ。
何事だ!
光がゆっくり治ると男が立っていた。
「よう、さっきぶり。」
無傷の殲滅者




