第39話 開戦!
〜〜サラ視点〜〜
私は今、帝国軍との戦争の前線にたっている。此方は僅か20名足らず、相手は千を超える軍勢だ。
普通なら絶望的状況だが、私の主人殿は無傷の殲滅者。この程度で怯みはしない。
「来たようじゃな…」
主人殿と同じ移転者のエルフ、ゲンジロウ殿が呟く。
「サラ嬢、グボナ殿。準備はよろしいかの?」
「いつでも構いません。」
『おぅよ‼︎』
「では始めよう。」
3人は魔力を全身に滾らせ、同調させる。完全に一体になり解き放った!
『『『《イグニートフレア》!』』』
巨大な炎の球体が敵軍上空にできる。まるで小さな太陽だ。
ゲンジロウ殿発案の詠唱破棄による合体魔法だった。
炎はゆっくり敵軍に落ちていく。この魔法で敵軍の大半を焼き尽くし、後に残った者達を倒していく算段だ。
その時に敵軍から1人炎に向かって飛び上がった!その者が炎を剣で斬りつけると、炎は切断され消えてしまった!
「なんじゃと!想定外じゃ!」
あれではまるで主人殿のような…
私が怯えているとグボナ様が声をあげる。
『サラ!よく見ろ!彼奴は鑑定出来る!ユウマとは違う!恐れるな!』
はっ!私は気を取り直し相手を鑑定する。
名前 ヒジリ-ケンザキ
性別 男
種族 人族
年齢 16歳
Lv71
スキル
剣聖
威圧 鼓舞 指揮 鑑定 無詠唱
剣技8
火魔法2 風魔法3 水魔法3 土魔法2 雷魔法4 無魔法5 時空間魔法2 光魔法5
加護
正義の女神の加護
称号
勇者と称えられし者
主人殿とは違うが…強いな。それに敵軍げまるまる残ってしまった…
「撤退じゃ!城で籠城戦をする!」
「殿は私が務めます!」
私は1人で敵軍に向かっていく!
「サラ嬢!すまぬ!」
ゲンジロウ殿の声がする。しょうがないレン殿はハクアの街の主君、居なくては指揮に関わる。ゲンジロウ殿も似たような理由だし、そもそも近接戦闘でゲンジロウ殿は役に立たない。
ドウジキリ殿や鬼人族達は要だし、この人数を相手にするなら私が適任だろう。
『ユウマに怒られるな…』
「一緒に叱られて下さいグボナ様。」
私は敵軍に向かいグボナ様を構える。
「グングニル!」
私はグボナ様を投げた!
槍技10の戦技だ。グングニル。その放たれた槍は必中必殺!敵を貫いた後は手元に戻ってくる。他にも戦技はあるが私の魔力量では使えないようだ。
敵を蹴散らしグボナ様が手元に戻ってくる。
近寄る敵をを火魔法で牽制し、グボナ様で仕留めていく!
『レベルが大幅に上がりました。』
天の声が聞こえる。今は確認している余裕はない!
30人はやっただろうか?まだまだ数が減らない。
先ほど魔法を斬った勇者が向かってくる。
私はグボナ様で勇者の剣を受け止めた!舐めるなぁ!
戦技を使おうとするが発動しない…その剣か⁉︎
私は鑑定をする。
聖剣 ミスティルテイン
魔力を吸収し力とする。魔法を切り裂き、相手の戦技を阻害する。
主人殿の劣化版如きが!
「魔槍と聖剣。いい勝負じゃないか?」
勇者が語ってくる。
「グボナ様は神槍だ!」
勇者の剣を押し返す。
「おおっと。やるねぇ〜」
喋り方に腹がたつ。
『《レイ》』
光の線が私を襲う。ゲンジロウ殿と同じ詠唱破棄が使えるのか⁉︎
肩を貫かれ傷を負ってしまった。
あぁ主人殿にお叱りを受けてしまう。
「これで終わりだな!」
勇者が剣を振りかぶり、私の首目掛け振り下ろす。
主人殿…申し訳ございません。約束…守れませんでした。
私は胸のネックレスに魔力を込め、今は遠くにいる主人に詫びる。
ピカッ!
ガンッ!
私は…生きてる?
私の首はまだ繋がっている。確かに勇者は剣を振り下ろしたはず?
顔あげるとそこには居ないはずの人物がいた。
「あぁぁ。主人殿ぉぉ!」
「無事かサラ?」
主人殿は勇者の剣を跳ね除ける。
「てめぇか?俺の家族に傷をつけたのは?覚悟できてんだろうなぁ!」
主人殿が怒っていらっしゃる。私も怖いですよ主人殿…




