第38話 じぃさんと災厄の種族
第一城壁へ向かうと竜人族の女性に獣人が三名いた。
「状況は?」
ワシが門番に問う。
「はい此方の代表、レン様に会わせろと申しております。」
「何が目的か聞いたか?」
「いえ、まだでした。」
ふむ、緊張するのぅ。
竜人族…古い歴史で災厄の名前を冠した種族。その力は一人で一国を落とすと言う。情報魔法より。
個人で実力は違うじゃろうが…鑑定しておくかの…
名前 サラ-ドラクニル
性別 女
種族 竜人族
年齢 18歳
Lv71
スキル
竜化
鑑定 隠密 威圧 無詠唱 突進 咆哮 打撃半減 斬撃半減 瞬動 天躯 溶解
槍技10 剣技10 弓技10 棍棒技10 投擲技8
火魔法10 風魔法7 水魔法5 雷魔法5 無魔法7 時空間魔法3
称号
災厄の種族
化け物か⁉︎
コレは無理じゃ街の全力を持っても止められん。…胸のあたりに鑑定を弾く物もあるのぅ。まだ隠し球があるのか…
「レン君を呼んで来てくれ。その間ワシが話す。」
「畏まりました!」
エリーが走っていく。
さて、どうするかの。
ワシは城壁の上に出て竜人族の女性に声をかける。
「我等が《ハクアの街》に何用かな?」
「貴方がこの街の代表か?」
「いや、ワシは代表の補佐をするものじゃ。」
「ならば話せない。無駄に街を混乱させてしまうだろう。」
「我等が混乱するような事なのか?お主の出現で既に混乱しておるのじゃが?」
「それは申し訳ない。だが危害を加えるつもりはない。」
ふむ、信用できるか?あ奴の力なら力尽くで街に入る事も可能じゃから嘘は言っておらんのかの?
そしてるうちにレン君が来た。
「ゲンジロウさん!」
「来たかレン君。」
「敵ですか?」
「少なくとも敵対する意思はないようじゃ。しかし、強すぎる鬼人族総出でも数分もたんかも知れん。」
「そんなにですか…」
「あぁ…」
「門を開けて下さい。僕が話してみます。」
「危険です!大将が行かれる事ではありません!」
門番が言う。
「竜人族さんは僕をご指名なんでしょう?僕がいつまでも行かなければ痺れを切らして街に攻めてくるかも知れませんよ?」
「……分かりました。どうかお気をつけて」
「ありがとう。」
門番が門を開ける。跳ね橋が掘りに掛かった。
「ワシも行くぞレン君。」
「助かります。」
二人で竜人族の元へ行く。
「貴方が街の代表か?」
竜人族の女性がレン君に話しかける。
「はい、僕が代表を務めます。レン-オニガシラです。」
「其方の御仁は?」
「彼はゲンジロウ-ヤマダ。この街最大の功労者にして、僕の腹心。参謀、宰相っと言ったところです。この街はほとんど彼が魔法で作りました。」
「ゲンジロウ-ヤマダと申しますじゃ。」
「それは凄い。ではエルフの貴方が主人殿の言っていた転移者かな?」
「なぜ⁉︎なぜそれを知っているのじゃ⁉︎」
なんでじゃ?もしら此奴も…いや、主人殿と言ったな。
『違うぞサラ。鑑定してみろ?此奴等二人とも加護があるだろう?二人とも転移者だぞ。』
「「槍が喋った⁉︎」のじゃ⁉︎」
『かぁ〜やっぱやめらんねーこの反応!俺は魔槍グンボルナク。同じ転移者だ。グボナと呼んでくれ!』
「私はサラ-ドラクニル。同胞に危機を知らせに来た。」
「槍さんが転移者で、サラさんは災厄で危機を知らせに、危機⁉︎」
「落ち着けレン君!なにやら大事のようじゃな、城で話そうか。」
7人で城へと移動する。サラ嬢しか喋ってないが、獣人3人もいるのじゃ。槍の君を1人に数えて良いのかの?一本か?
城の談義室に着く
「改めて色々と教えて下さい。まずグボナ殿で良いのかな?貴方は転移者なのですね?」
『あぁそうだぞ。何なら鑑定してみてくれ。エルフさん出来るんだろう?』
「ゲンジロウじゃ。ゲンさんでも良いぞ?」
『分かった。ゲンさん!大工じゃないよな?』
「僕が言えなかった事をすんなりと…」
何じゃレン君、そんな事を考えておったのか?だから最初だけで、あとは略さず呼んでいたのか。
一先ず鑑定じゃ。
名前 魔槍グンボルナク
性別 ?
種族 インテリジェンスウェポン
年齢 ?
スキル
奪い与える者
鑑定 隠密 威圧 無詠唱 突進 咆哮 打撃半減 斬撃半減 瞬動 天躯 溶解
槍技10 剣技10 弓技10 棍棒技10 投擲技8
火魔法8 風魔法6 水魔法5 雷魔法4 無魔法6 時空間魔法3
加護
鍛治の神の加護
確かに加護があるのぅ。鍛治の神か…
しかし、このスキル構成は…
「グボナ殿、スキルがサラ嬢と似てるようじゃが?」
『あぁ俺のスキルで、俺の持ってるスキルがサラに反映されるんだ。』
なるほどグボナ殿もチートじゃな。
「私の力の大半はグボナ様によるものです。」
『そんな事ないだろサラ?槍の腕前やレベルはサラが頑張ったからだぞ?槍技も自前じゃないか。』
「ふむ、自前で熟練度10など…その歳で異常としかいいようないの。」
言い方は悪いが他に思いつかないのじゃ。
「主人殿に比べればまだまだです。」
「先程から主人殿と言っていますが、グボナ殿がその主人殿ではないんですか?」
「はい、私の主人殿は別にいます。グボナ様は主人殿の親友…でいいんですかね?」
『疑問符つけるなよサラ。大丈夫だと思うぞ。家族って言ってくれたし。』
「はい。そのような関係です。私は主人殿の奴隷なのです。」
「…奴隷ですか…」
「勘違いしないでください。主人殿は奴隷扱いなどしません。それどころか災厄の種族と恐れられる私に優しくして下さり、家族とまで言って下さいました。主人殿への中傷は許しませんよ。」
サラ嬢が怒気を含み発言する。
「もっ申し訳ありません。」
「しかし、竜人族を奴隷にか…その方も規格外じゃな。」
「人族に捕まった私を買ったのが主人殿だっただけなのですが…当時の私は低レベルでしたし…もう恥なので良いですか?」
「あぁ済まないのじゃ。その主人殿はいらしておらんのかの?」
「はい、主人殿は離れられなくて、本題の方に関係あるのですが。」
「危機と仰っていましたね。何が起こるんですか?」
「…帝国が兵を挙げました。その数は1000を超えます。引き連れているのは勇者です。」
「何じゃと⁉︎」
千を超える兵じゃと⁉︎ハクアの街は、まだ総人口でも500人にならない。戦える警務部は40名しかいない…
しかも、勇者じゃと!テンプレか⁉︎
「やはり、情報がありませんでしたか…」
「申し訳ない。今後は諜報部も作りたいと思います。」
「サラ殿はそれを知らせに来て頂けたのじゃな?ありがたい。差し出がましいお願いじゃが…力を貸してはくれんか?お恥ずかしい話、今のワシらでは勇者どころか千の兵すら危うい…」
「もちろん、その積りで参りました。私の主人殿もそれを望むでしょう。しかし、主人殿はお二人の何方かは主人殿に匹敵する力をお持ちだとおっしゃっていましたが、私に此処まで警戒すると言い事はそこまで力をつけていらっしゃらないようですね。」
「その主人殿さんもお強いんですか?」
「主人殿は一言で言うと、化け物ですね…聞いた事ありませかね。無傷の殲滅者と呼ばれているのですが。」
化け物に化け物と言われるか⁉︎どんだけなんじゃ!
「主人殿もやらかしてまして、南の方にある街を1人で半壊させてしまって。その時にそう呼ばれるようになりました。」
「…もしかして字名通り?」
「はい、無傷で殲滅したようです。」
化け物決定じゃ!
「私はその時に近くにはいなかったんですが、その事件の原因がもう1人の奴隷が罵倒されたからなんです。亜人を庇う為にそんな大事起こしたので、今回狙われてるのも主人殿かこの街か分からず、主人殿は動けなくなったのです。」
1人の為に千の兵と勇者を討伐に向かわせるか?やらかした事を考えれば無くはないのかの?
亜人の為にか…それはいいとして、罵倒されたくらいで街を潰すとか危ういのぅ。
「主人殿さんも転移者なのですか?」
「主人殿は自身の情報が広まる事を嫌いますので…今更とは思うのですが私からは…」
『いいサラ。俺が許す!だいたい此処まで彼奴の名前のお陰でスゲーすんなり来れたからな。名前広がり過ぎだろ。どうせ彼奴は隠すの苦手だからバレるって』
「はぁ〜ですよね〜。御察しの通り主人殿は転移者です。ダンジョンに潜りレベル上げをしたのでお二人より力があるのでしょう。あと、先にも言いましたが主人殿は自身の物を蔑まれるのを嫌います。私達に危害を加えれば、この街は勇者でなく主人殿に滅ぼされるでしょう。」
最後に爆弾きたー!
「はぁ。大っきな爆弾ですね。各種族の代表とこれからの事を話し合いたいと思いますがよろしいですか?」
「会議は必要でしょう。構いませんが、グボナ殿と主人殿の事は一応伏せて下さい。私も主人殿に怒られたくありませんので。」
「分かりました。」
その後、各種族との会議で対応を決める。新たな参加者には鬼人族のドウジキリ殿もいた。
ワシの側近に鬼人族はいなくても揉めないらしい。鬼人族は力を好む故に魔法使いは好きじゃないらしい。
会議決まった事は、サラ殿とドウジキリ殿率いる鬼人族10名とサラ嬢と来た獣人3名、レン君とワシが打って出る事になった。
少ないが、ワシやサラ殿に相手の数はあまり関係ない。大魔法で一気に数を減らして、ドウジキリ殿達にもれた人族を、レン君に勇者を相手にしてもらう予定じゃ。
エルフは万が一城壁に辿りつい人族を魔法で迎撃。
犬人族、猫人族は退路確保と補給部隊になる。万が一に備える事は大切じゃ。今回は10が一くらいかも知れんし。
サラ殿が規格外だとしても勇者の実力が分からんから不安要素をとりきれん。
レン君で抑えられんかったらどうしようかの?サラ嬢にお願いするか…
それから、帝国軍が来るまでは準備に徹した。食料の備蓄や武具の確保を優先。退路用の抜け穴も滝の裏側に作って、崖の上に逃げれるようにした。
そして、奴等がやってきた。
「皆の衆!決戦じゃ!」




