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今日も神々の遊戯に付き合います  作者: クロアリ
第2章 大魔法使いエルフの参謀
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第36話 じぃさん初陣を飾る


遂に来たか…


「数は?」

「はい、約20名ほどで現在は第一城壁の門の前にいますニャ!」


20名か。焦って損したわい。

第一城壁とは畑作エリアの外側、つまり一番外の城壁じゃ。外から第一城壁、第二城壁、第三城壁となっておる。増えたらどうしようかの?

門は跳ね橋になっておる。門を閉めると橋が上がり、堀を渡る手段が無くなるのじゃ。

全ての堀は幅約10m、深さ3mほどじゃ。まぁ普通には渡れんが魔法使えば意味はあまりないじゃろ。

しかし、この世界の魔法習得率は低い。種族的に魔法が得意とされるエルフでも3人に1人使えれば上出来じゃ。人族なんか10人に1人、獣人は30人に1人くらいかの。フェアラスも使えん。


「20人くらいなら余裕じゃな。魔法使いはおるか?」

「いないようで、堀で喚いてますニャ」


ふむ、冒険者チームで亜人狩りにでてこの街を見つけた感じかの?

帝国は亜人狩りを推奨しており、討伐、捕獲数で賞金がでるらしいからの。胸糞悪い。


立ち上がりゆっくりと第一城壁へ向かう。到着すると人族の男達がなにやら騒いでいた。


「亜人どもに告ぐ!今直ぐ出て来てこの城を寄越せ!そうすれば命は助けてやろう!」


本当に喚いておるは。バカじゃなバカ。


「お断りいたします。」


レン君が律儀に返答する。


「なっ⁉︎立場が分かってるのか⁉︎」

「貴方こそ分かっていらっしゃるのですか?何もしなくても貴方方は僕達になにも出来ないでしょう?」

「バカにしやがって!降りて戦え!」

「…本当にバカなんですか?それをさせない為の城ですよ?」


人族の男達は顔を真っ赤にさせて怒っておる。レン君も真面目に相手して大変じゃな。


『集いて槍の形を成し敵を焼き尽くせ!《ファイヤーランス》』


炎の槍が此方に向かって飛んでくる。

魔法を使える奴おったのう。得意ではないようじゃが。


『《アクアシールド》』


水の盾を出し相殺する。


「なっ!魔法使いがいるのか⁉︎しかもなんだ、今詠唱したか⁉︎」


うるさいのぅ…


『《グラビティ》』


「ぐはぁ」


人族の男どもが地に伏せる。

重力をかけてやる魔法じゃ。今は20Gくらいかの?


「門を開けてくれ。」


レン君が叫ぶ。


「レン君?」

「すみませんゲンジロウさん。ちょっと殴りに行って来ます。」


あぁ〜優しいレン君もお怒りじゃったか…


レン君は男達の前まで歩って行った。


「ゲンジロウさん魔法を解除してください。」


ワシは言われるまま魔法を解除した。


「…野郎。」

「このまま帰るなら見逃します。向かってくるなら容赦しませんよ?」


最後まで優しいのぅ…じゃが…


「舐めるな!」


テンプレじゃのぅ。


人族の男達は一斉にレン君に飛びかかる。飛びかかるが、一斉に吹っ飛んで行った。


目に見えんかったぞ?怖すぎじゃ《一騎当千》


「誰か此奴等を縄で縛って地下牢に放り込んで。」

「「はい!」」


門番をしていた犬人族が返事をし、伸びている人族の男達を縛っていく。


「レン君お疲れ様じゃ」

「いえ、柄にもなく頭にきてしまいお恥ずかしい限りです。」

「此奴等をどうするか考えはあるのかのぅ?」

「どうしましょ?何も考えていませんでした。すみません。」

「それだけお怒りじゃったって事だの。ふむ、暫くは様子を見るとしようか。」

「はい、ご迷惑おかけします。」

「レン君がここの大将じゃ。好きにするとよい」

「ありがとうございます。」


それから数日後、ワシは地下牢に様子を見にきている。

ちなみに地下牢は田畑エリアの端で入り口門から真っ直ぐ行った所にある。城付近に犯罪者を置いときたくないからのぅ。


「ここから出せ!出せば命は保証してやるぞ!」


まだまだ元気じゃの。そして相変わらずバカじゃ。


「うるさいのぅ」

「俺たちを誰だと思ってやがる!」

「知らんよ。知ってたら亜人の立場が上がるのかの?」

「上がるわけねぇだろバカが!」


ムカっ


『《ショック》』


軽い電撃を喰らわせる。


「あぐぅ」


汚い悲鳴じゃ。


「お主等、言葉には気をつけよ。お主等はここの主人の温情で生かされておる。機嫌を損ねれば直ぐ処刑じゃぞ。」


男達は息をのむ。


「ワシはタダ飯ぐらいの使えぬ捕虜なぞ要らんのじゃ。主に事後報告で始末したと伝えても良いんじゃぞ?」

「わっ悪かった。助けてくれ!」

「嫌じゃ」

「ひっ!」

「主等は今まで命乞いをした亜人、獣人に何をしてきた?何を思った?」

「……」

「同じ事されても当然だと思わんか?そんな覚悟もなく迫害してきたのか?」

「そっそれは…」

「ここにいる亜人達は主等を軽蔑の眼差しで見るじゃろぅ蔑んで見るじゃろぅ。それは今まで主等が彼らにした事と同じじゃぞ?」

「……」

「しかし、彼等は主等に飯を運んでくる。中には人族に恋人、家族、友人を殺された者たちもおるじゃろうにな。主等は捕らえた仇にそんな事するかの?殺してやりたいと思うのが普通だと思うのじゃが…」


男たちは項垂れて言葉を発しなくなった。


「主等が一概に悪いとは言わん。古い風習風潮は思考を曇らせる。それを国が推奨するなら当たり前になる。だが、よく考えるのじゃ。己がやった事、これからの事を…」


そう言い残し、ワシは城の自室へ帰る。


後日、地下牢の給仕をしていた者から人族に謝られたと報告があった。

罪から逃れたい為に言う奴もおるぞ?っと伝えるが、小さな声じゃっが心からの謝罪に聞こえたそうじゃ。

ふむ、千里の道も一歩からというところか…


ワシはレン君に相談し人族どもを解放する事にした。イシルボール殿やポーチ殿には最初反対されたが、ワシらは帝国とは違うと説明し、捕虜の様子を見せたら納得してくれた。




最低でも彼等はもう亜人差別をしないだろう。願わくばその芽が広がる事を祈ろう。




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