第31話 じぃさん亜人達を救う
亜人や獣人が人族の冒険者らしき男達に暴力を振るわれている。
コレがこの国の普通かのぅ。気分が良いものじゃないの。
ビュッ!
隣にいたレンが勢いよく駆け出し冒険者らしき男の一人を殴り飛ばした。
ありゃ3mは吹っ飛んだかの?
レンは人族と亜人達の間に入り、冒険者を次々に相手にしているが…
数が多いのぅ何人いるんじゃ?
「あっちにもエルフがいるぞ!」
一人の人族が声をあげると数人ゲンジロウの方に向かってきた。
やれやれじゃ
ゲンジロウは足に魔力を込める。
『《フォレストアレスト》』
ゲンジロウ伝家の宝刀、即興魔法。
足元から樹木が生えてきて人族を捕縛する。
「やめろー」「離せー」「亜人の分際で!」「かぁーちゃーん」
人族が喚く
最後の奴情けないのぅ。
こちらの捕縛が終わるとレンも鎮圧完了したようで、此方に戻ってきた。
「ゲンさん、流石ですね!」
レンが魔法で出来た樹木を見て感動している。
「レン君もやるのぅ」
レンが殴り倒した人族ふピクリとも動かない。今のうちに縛っておくかの。
「しかし、飛び出す前に行ってほしかっのぅ。」
「すっすみません。見ていられなかったもので…」
気持ちはわかるがのう。あれは胸糞悪くなる。
「あのぅ…」
追われていた亜人達が此方にやってきた。エルフに犬や猫系の獣人。女、子供が大半で総勢20名ほどいるだろうか。
「この度は助けて頂きありがとうございます。」
猫人族の女性が代表して話す。
語尾にニャはつかんのかの?
「いえ、無事でなによりです。」
「黙って見てるのも気分悪いしのぅ。それにどうせこ奴等はコッチにもきたじゃろう」
放っておいても巻き込まれたに違いない。
「それでも、私達は助かりました。本当にありがとうございます。」
「「「「ありがとうございます」」」」
おぉ見事なハモリじゃ。
「ふむ。照れるの。」
「そっそうですね。」
「見た所女性が多いようだが?」
「村が襲われた時に男達は立ち向かってやられてしまいました。」
「村が!助けに行きましょう!」
「いえ…二日前の事ですからもぅ…」
「そんな…」
レン君が項垂れる。本当に優しい青年じゃ。
「では主らはこれからどうすんじゃ?」
村が無くなったのならば行くあてもないのだろう。
「それは…」
「ゲンジロウさん…僕…決めました。」
ワシはレン君には聞いておらんのだが?
「此処に亜人達の街を作りましょう!」
話が飛躍し過ぎじゃ。
「まぁまてレン君。作るにしたって此処が最適な場所なのか?どの規模で?亜人狩りからの防衛は?問題が多すぎるぞ?」
「事を成す前に問題で挫折するよりも、事を成す事で問題を乗り越えたいと考えます。」
かっこいい事を言っとるが、それってノープランでっこんで力技でなんとかしよって極限に非効率なやり方じゃぞ?
「なにもやらんとは言っとらん!無策ではできる事もできんと言っておるのじゃ。」
「ゲンジロウさんが力を貸して頂ければ大概はなんとかなるのでは?」
それ他力本願っ言うんじゃぞ若者よ。
まぁなんとか出来そうだから困るんじゃが…
「ワシにメリットがない…」
「メリットなんて…困ってる人がいたら助けるのは当たり前でしょ?」
君は勇者かレン君。
「損得感情なしで付き合えるのはそれなり歴を共に歩んだ者だけじゃよ。それ以外は破綻する可能性が高いのじゃ。」
善意だけで助けて背中を刺されるなんてザラじゃからな。
「コレから歩めばいい…っと言い訳ではないのですね。」
「あぁそうじゃ」
最初にメリットが必要じゃ。
「私達が差出せるものなんて、この身くらいですが…」
「それはいらんのぅ」
バァさんが先に逝ってからは、そんな気にはなれんのじゃ。
「ではどうすれば…」
ふむ…
「いや、その身でいいかも知れんの。」
「ゲンジロウさん!」
「早まるなレン君。そっちではない。遅かれ早かれ、ここ人族が戻らねばワシ達の事は気づかれる。じゃから街を作って防衛するのはワシにメリットがある。と言うことにしよう。じゃから主らには防衛の兵になって欲しい。人数は多い方が良いの。他の亜人の集落を知る者がいるなら呼んできてはくれないか?ワシが難攻不落の都市を作ってみせよう。」
「ゲンジロウさん!素敵です!」
「リーダーはレン君じゃぞ?」
「ぼっ僕ですか⁉︎」
「ワシ一人にやらせる気か!老人を労われ若者よ。」
「はい!では謹んで承ります!」
「ふむ、ワシは差し詰め参謀かの?」
こうしてワシらの街造りがはじまったのじゃ




