第11話 訓練講習
宿の飯は美味かった。オーク肉しか食ってなかったから、野菜が美味い!
この世界にもキャベツやらダイコンやらに似た野菜があるようだ。女将さんに聞いたベッキャムとディルーツと言うらしい。
部屋に戻り横になる。風呂はない。風呂は貴族がたまに入るくらいらしい。水を汲んで沸かす労力が馬鹿にならないそうだ。魔法を使えばいいのではないかと思ったが、この世界に生活魔法の類はない。威力をコントロールするのも難しいらしいのだ。肉を火魔法で焼いたグボナな優秀だと思う。流石チート武器。
魔道具で行うにも高額になる上、そんな用途の魔道具を作るなら武器を作るらしい。一般普及価格で色々作れたら儲かると思う。スキルを付与するには魔石を使うらしい。魔石に魔力とスキルを込めてはめ込むらしい。込められたスキルの力を発揮するよう構造を工夫する必要はあるみたいだけど。スキルブレイカーを込めたらどうなるんだろう?
『今日マジ暇だったんだけど。俺の事忘れてないよね?』
ずっと手に持ってとのに、どうやったら忘れられるんだ?
「明日は午前中に槍の講習受けるから大丈夫だ。」
『おぉ〜頑張るぜ!』
頑張るのは俺だが
「そういやいつもぶん回してるけど視界ってどうなってんだ?酔わないのか?」
『あぁ〜最初はキツかったな。今はユウマの視点に切り替え出来る事が分かって大丈夫になった。意識した場所と違う場所が見えるから面白いぞ。』
なにそれ。侵食されてるみたいで怖いんだけど…
「メンテナンスとかしてないけど、不都合あるか?」
『説明してなかったな〜俺の加護《鍛治の神の加護》で自動修復がついてるんだ。メンテナンス要らずだぜ!折れても核が無事なら再生できるんだぜ!』
ますますチートな槍だ。
「ウニョウニョ生えてきたら気持ち悪いな。試すか?」
『気持ち悪い言うな!そして試さん!』
折っても生えてくるなら無限に素材確保出来て美味しいと思ったんだが、残念。まぁ素材があっても加工出来ないからいいか。
「明日は体動かすからもう休もう。おやすみ」
『あぁおやすみ』
眠りにつく………
「知らない壁だ」
横向きじゃないと寝れない質なのだ。
朝食をとってからギルドの訓練所に向かう。
『今更鍛える意味ってあるのか?街の人達見てもレベル1〜10くらい、高くて15。冒険者ギルドにいた連中も20〜30だろ?ユウマならレベル差と俺のスキルでゴリ押しできるだろ?受付嬢さんは42あったけど。』
受付嬢さんレベル高⁉︎
「あんなに可愛いのに強いんだな…ギルド職員になるくらいだから腕っ節が求められるのだろうか?まぁそれとは別にレベル差は高レベルの人達とあってないから言える事だな。それにレベル差があっても武器の技量で負けたら命を落としかねない。グボナだってその内美少女とやらの所に行くんだろ?万が一にも死なないために鍛えておくんだ。」
『そっかぁ〜そうだよなぁ〜俺もユウマから離れる日が来るんだなぁ〜そう考えると少し寂しいな。』
まだ会って数日しかたってないのになに言ってんだ。
「…俺に男、もとい槍を愛でる趣味はない。」
俺にはケモミミを愛でる使命がある!
『連れないなぁ〜ちなみに誰が男だって言った?』
「⁉︎いや…俺って言ってるし、美少女に持たれたいって…違うのか⁉︎」
マジか⁉︎ダンジョンでトイレとか一昨日の夜、体拭くとこと見られてるぞ!恥ずかしい!
『違わないけどな。』
「なんだよ!!」
焦って損した。そんな雑談してると教官が来た。
「おはよう。今日教官を務めさせてもらうクーリンだ。受講者のユウマで良かったか?」
「はい。よろしくお願いします。」
「うん。先ずは軽く体ほぐしてから、打ち合ってみよう。実力を知りたい。」
「分かりました。」
10分ほどストレッチした後に槍を構え教官と向き合う。
「好きに打ってこい。」
「では、参ります。」
先制して良いって言うから好きに打つ。
俺は教官の胸を狙い槍を突く、
教官は槍の腹を弾き、軌道を逸らしてから槍を反転させて柄で俺の顎をかち上げにくる。
俺は体を捻って避けた後、反動を利用して槍で薙ぎ払う。
教官は足と腕で自分の槍を支え薙ぎ払にきた俺の槍を受け止めた。
防御された瞬間、俺は槍を引き戻し距離をとる。
教官は少し驚いた顔をしている。
「やるじゃないか。追撃の隙がなかった。」
「ありがとうございます。臆病なだけですが」
褒められたのだから素直に例を言おう。この教官は当たりだ。レベルは48。俺よりは低いが槍技が8だ。達人の域に達している。そんな人に褒められたから正直嬉しい。
その後、30分ほど打ち合ってから技術指導を受ける。この教官教えるのも上手い。そうやって終了の時間になった。
「お疲れさん。なかなかやるじゃないか。本当にスキル取れてないのか?」
「私のは身体能力に任せた力技が多いのが原因だと思います。」
「それだな。と言うか疑問なんだか、その戦闘スタイルて何故、投擲槍を使っているんだ?」
そう、グボナは投擲槍だ。普通の投擲槍より刃は大きめだが、長さや形状は投擲槍の物だ。
「お前さんのスタイルなら、突きを使うより薙ぎ払い主体のグレイブなんかオススメするんだが。」
「訳がありまして、今はこの槍を使っています。これでもダンジョン産の名槍なんですよ。後々手放す予定ではありますけど。」
「そうか、深くは聞くまい。また来るんだろ?」
「はい、週一回を予定しています。またクーリンさんにお願いできますか?」
「分かった。お前さんが来たら俺につけるよう話しておこう」
「ありがとうございます」
「では、またな」
「はい、ありがとうございました。」
そう言ってクーリンと別れる。
『…俺って投擲槍だったのか』
「知らなかったのかよ。グングニルもゲイボルグもブリューナクすら投擲槍の役割が有名だぞ?」
『へっ?』
「突いたり斬ったりする槍なら海外の神話より、実際にあった名槍の方が多いんじゃないか?方天画戟とか?」
『それがあったか⁉︎』
「まぁいいや。飯食ったら街を見に行こう。用事優先して街並みをまだみてない。」
ギルドで軽食をとって街を歩く。
「いい天気だ。」
青空が広がり風が気持ちいい。空気が綺麗だ。四月だからなか?暖かい陽気だ。四季はあるのかな?13ヶ月とかどう割ればいいんだ?惑星軌道どうなってんだろ?…深く考えるのはやめよう。異世界だからと思っておこう。
『おい!あれ見ろ!』
グボナが騒いでる。グボナのさす方向を見ると、薄汚れた白い服を着た数人の男女が馬車から降りて建物に入ってく。頭にウサギや猫の耳のようなものごついた人もいた。
こっこれは…
「ケモミミやぁーー‼︎」
街中で大声出してしまった。




