表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エメラルドの血  作者: 山ノ上三条
第一章
9/111

9

「翡翠様、本当に転移装置を起動させてしまったのですね」


クラン専用転移門の前に佇む私の後ろにいる技術者の一人が不安そうな声を私にかけます


「ええ、全ての責は私にあります。貴方達には累が及ぶことはありません」


「しかし本当に大丈夫でしょうか?」


「それは失敗したときの事?それとも装置のこと?」


「もちろん装置の事です、修理したとはいえまだ完全ではありませんでしたから・・・」


「そうですね、完全ではありません。でも もうこれしか手はありません。今のままでは私達は全て捕らえられてしまうでしょう。それだけはなんとかして防がないといけません 捕まっている同胞を救うことすら叶わない私達には選択肢などもうないのです」



そう、私達にはもう時間も物資も仲間も残り少ないのです



「向こうの世界では第一世代などはすでに老いてしまっていて生存すらしているか分かりません

第三世代ですら難しいかもしれません。それに転移門が開いた事をどれだけの仲間が気づくでしょう・・・クランマスターにも言われました 可能性は低いだろうと。でも一人でも昔の仲間が来てくれる事を願いたいのです」


「翡翠様・・・」



私は転移門に触れ祈ります


(お願い、誰か気づいて・・・そしてまた昔のように私達と共に戦っ って えっ!)



転移門に触れた手の先から淡く緑の光が漏れ出します その光は段々強くなり辺りを照らし出します

あぁ・・・この光は転移者の光・・・誰かがここにやってきます・・・ああ、良かった






               誰かが来てくれる!






「ぐふっ!!」


転移門から誰かがやって来るということは誰かがそこから出てくると言う事

その門の前に居た私は[やってきた誰か]の体当たりを直接受けてしまいました


「翡翠さまっ!」


ああ・・・技術者達の心配する声がフェードアウトしていきます・・・









「翡翠様っ!翡翠様っ!大丈夫ですか!?」


技術者の彼にもたれかかった私の意識は朦朧としていきます・・・

ああ・・・まさかこんな状態になるとは・・・




「あら?貴女翡翠じゃない 久しぶりね」




見慣れた顔が・・・あります・・・でも・・・二人に見えます・・・?

それに久しぶりというわけでもないでしょう一昨日ぶりです・・・よ・・・?


まだ・・・私の意識ははっきり・・・しないよう、です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ