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エメラルドの血  作者: 山ノ上三条
第一章
6/111

6

「姉さんが男っぽいのは今更だしいいや。それよりエメラルドの血はどうするの?」


「あ、ええ!そうねそれが大事よね!うん!」


話題を変えられた事に百合花はこれ以上つっこまれなくて済む助かった!という表情を浮かべるが

男っぽいのは決定事項なのでむしろ助かっていないのだがそこに気づく百合花ではなかった

ちなみに百合花の学校での成績は宜しくない これも残念系美少女たる所以でもある


「アップデートが終わらないと駄目だからまずはそこからね。千景のほうもログインしてアップデートが始まるかちゃんと試してみてね。ログインしたらワールド選択場にいけるはずだからそこで待ち合わせしてアップデートが終わるのを待ちましょう。」


「わかった。じゃあログインするよ。迷子になったりしないよね?」


「大丈夫、そんなに広い空間じゃないから」


「それじゃ向こうで会おう」


「ええ、向こうで」


お互いに手を振りながらログインする二人 その姿は緑色の光を残しながら消えていく

主の消えた千景の部屋には何ら現れる気配は無く 無人のまま夜は更けていく






ワールド選択場に現れた千景は自分の記憶の中にある似たものを思い起こさせた


「へえ、昔読んだアイルランドの本に載ってた写真みたいな風景だな」


今、千景の立っている場所は草原の丘の部分である 

丘の中心には大きい石柱を中心に小さな石柱がぐるりと円を描いている様はイギリスのストーンヘンジに似ている 違いがあるとすれば全ての石柱に彫刻が施されている所だろうか


「なんかケルト十字みたいな石柱だ。いいなこうゆうの好きだ いいなうちの庭に置けないかな」


「何言ってんの、千景 こんなの置いたら庭のスペース無くなるじゃない」


小さな石柱を回りながら撫でてうっとりしていた千景だったが背後からのつっこみにあわてて振り向くその先には虫でも見るような視線を投げかける百合花の姿があった


「・・・聞いてた?」


「うん」


「いや、これはね」


「とりあえずその手離したら?いくら石フェチでもそこ触るとかエロいにも程があるわよ?」


「うん?なんでエロいの・・・・・・それに石フェチじゃな・・・あっ!!」


千景の手は丁度女性の彫刻の胸の部分で止まっていた


「いや、これはタイミングが悪いというかですね、狙ったわけではありませんのよ」


「動揺してるわね、大丈夫。人には言わないから と、いうか言えない 弟が女性の彫刻のおっぱい触ってたとか」


「いや、ここ狙って触ったわけじゃなくて、ぐるっと石柱触ってたらちょうどここに来たときに姉さんが話しかけてきたから止まっただけだから。偶然だから」


「うん、知ってる。わざと言ってみただけ」


「・・・・・・」


がっくりうなだれる千景を無視して中央の石柱に向かう百合花


「千景、中央の石柱に触れなさい」


「エロ呼ばわりしないなら、触るけど・・・」


「何いってんの、いいから触りなさい」


しぶしぶ石柱に触れる千景の手の隙間から淡い緑光があふれ出す

そして千景の目の前には文字と数字が表示される

[アップデート所要時間5:30]


「うわっびっくりした」


「あ、ちゃんとアップデート時間表示された?これでオーケーかな」


百合花も石柱に触れると同じ緑の光があふれ出す 10秒くらいで手を離し体を一回転させ

千景に向き合う


「ようこそ、エメラルドの世界へ」





微笑みながら僕に歓迎の言葉を告げる青白い光を背にした百合花姉さんの姿は

とてもこの世のものとは思えない美しさだった 

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