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エメラルドの血  作者: 山ノ上三条
第一章
5/111

5

フリーズから思考が戻った僕の一言は


「なんだか今日は姉さんに驚かされてばっかりだ」


だった


「その点についてはごめんね。でも色々言ってない事がまだあるんだ」


「まだあるんだ・・・ で?どんな事なの」


諦めたような声で姉に詰め寄る千景に百合花は目線をそらす


「え~っと、今は言えない。向こうに行けたら真実の証明とか出来るからその時に教えるね」


「本当に?約束だよ」


「うん、おじいちゃんの名にかけて!」


「どこぞの学生探偵ですか、貴女」




ちなみにおじいちゃんの名前は御園 将だ だからなんだというのだろう




「そういえば前世が男って話はどうなったの?」


「ああ、それね 男の子でしたよ ついてましたよ でもさ、生まれ変わると女性になったりするんだねびっくりだわ。生まれたとき思わず 「ついてないじゃん!」って自分につっこんだわよ」


「生まれたときって・・・赤ちゃんの時の記憶があるの?」


「あるわよ 転生の影響かしら。うまれてすぐ自我があったわ いやあ赤ちゃんって大変よね」


「うん・・・もう・・・大変だね・・・もう・・・話についていけない、僕」


本来ならこのような話は冗談かと思うだろうが今日一日で色々体験した千景はすでにどのような話も真実として受け入れるしかないと半ば思考停止していた


「でね、前世の癖っていうのがなかなか抜けなくてどうしても行動が男っぽくなってしまうのだと思うのだから仕方ないの どうしようもないの」


「ふーん・・・・・・ あ、もしかして今現在自分が男だと思ってる?やっぱり女性が好きだったりするの?」


マイノリティな問題をさらっと口にだしてしまった千景であった どうやらかなり気になっていたようだ


「ううん、そこはちゃんと自分が女性だと自覚しているわよ?好きになった人はいないけど多分普通だと思う」


「初恋とかしなかったの?」


「そうね初恋はまだね と、いうか気になった人っていうのも居ないわね」


「美術部の吉田君は?仲良かったじゃない絵のモデルとかになったりして」


「彼は友達よ?向こうも私の事モデル兼友達として接しているし恋愛対象として見てないんじゃないかな むしろ友人というより同士よ!」


「何の同士なのさ・・・?」


「エロゲ愛好家という同士よ」








「おーけーもういい」


いま千景の目は死んだ魚のようであり 一応、顔は百合花の方向を見ているがている視線は百合花の

後方を見ている よほど今の百合花の姿を見たくないらしい


「よくないわよ!聞きなさいよ!彼がお薦めするゲームに外れはないのよ?たまにクソゲーオブザイヤーにノミネートしているクソゲー紹介してくるけどそれはクソゲー具合を確かめよという彼の熱い想いが込められてるのよ」


握りこぶしで熱く語り その目には器用にも魔術で出した燃える炎が本当に浮かんでいる百合花であるが内容がアレなので姉を見る千景の精神はどんどん削れていくばかりである


「うん もう、18歳未満禁止とかはこの際置いといて吉田君には恋愛感情は抱いてないと。でも向こうもその気はないとどうして判るの?」


「ああ、彼はね、絵のモデルとしての私は好きなんだろうと思う。 でもねそれは恋愛感情にはならないのある意味美術品を見るような感覚なのだと思う うまく説明できないけどね それに彼にはかわいい彼女いるし」


「えっそうなの」


「うんオタク仲間で未優ちゃんて子と付き合ってる いい子よとても 腐っているけど」


「えっ腐るって?」


「腐女子よ」


「??」


「・・・ああ・・・一般人とのギャップがここに・・・

ところで未婚だと腐女子で結婚したら貴腐人ってどうかしら?」


「何がいいたいのかさっぱり理解できません、姉さん」


「一般人との溝は埋めがたいわね・・・」




オタクとの溝が深すぎると思うんです、姉さん




「もうこの話題はいいとして姉さんは精神的に女性ってことでいいわけね」


「そうね、それで合っているわ」


「なのに行動が男らしい と、 てっきり精神的に男なのかと思っちゃった」


「そこはほら精神など肉体のおもちゃに過ぎないだっけ?なんかそんなのがあったわよね?男だった精神が女性の肉体の影響受けて女性としてのアイデンティティとか自分の中の女に目覚めちゃったとかそんな感じ」


「じゃあもう完全に女性なんだね?精神的に?」


「そうね」


「その理論だと姉さんが男っぽいのは前世とか関係なくそれが性格とか素って事になるけどいいんだね?」


ハッとした表情で驚く百合花 

ぎぎぎ、と音がしそうな動きでゆっくりと百合花の首が横を向いていく


「姉さんが男っぽいのは前世のせいではない、と」


「・・・そうね」


搾り出すように返事を口にする百合花であった

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